喫煙者は、新型コロナの重症化リスクが高いという。だが、それ以前に、私(中澤)が発症した時は、熱とめまいと咳と喉から胸にかけての痛みで、タバコなんて吸ってられなかった。あれでタバコを吸う人は逆に覚悟があると思う。
2日目から症状がマシになったので、ふた口くらい吸ってみたのだが、依然、喉から胸にはささくれだったような痛みが残っているので肺に染みる感じがまだ怖い。でも、なんか吸いたい。手持無沙汰というか。そこで吸ってみたのが……
・ニコレス
iQOSやその互換機で使用することができるニコチンゼロの加熱式スティック「NICOLESS(ニコレス)」である。ニコチンが入っていないのでパンチは無いはず。今の肺にちょうど良いのではと考えたのだ。
で、実際、吸ってみたところ、その予想は当たっていた。肺に染みる感じがなく喉も痛くない。今の状態でも問題なく吸える。それでいてメンソールはかなりタバコっぽい味をしていた。加熱式タバコに慣れた人であればさほど違和感は感じないに違いない。
・禁煙と真逆の発想
禁煙ではなく、むしろ「なんとかタバコっぽいものを吸いたい」という真逆の発想からニコレスに手を出した私。治って普通にタバコを吸うまでのリハビリくらいの気持ちだった。しかし、数日が経ち、喉が回復した頃、別の意味でタバコが吸えなくなってしまった。
・隔離
どういうことかと言うと、その頃私は、宿泊療養のためホテルにて隔離生活を送っていたのである。怒涛の勢いで決定した新型コロナの宿泊療養。私の場合、申し込んで電話で何度かやり取りした後「では明日から1週間で」というノリであった。
・禁煙10日したら思ったこと
当然ながらホテルは禁煙。退所する頃には禁煙10日目である。したがって、宿泊療養中はそれなりにはキツかったわけだが、ホテルを出て家に帰った時、タバコを目の前にしてこう思った。「そこまでタバコを吸いたいか?」と。
そもそも、私はタバコの味が好きで吸っているわけではない。冒頭で書いた通り、手持無沙汰なだけなのだ。やることがない時の暇つぶし、仕事中に気持ちを切り替える息抜き、落ち着きたい時の一服など、味よりも役割を必要としていたら習慣化しただけである。
・ニコレスで何の問題もなかった
逆に言うと、その役割をしてくれさえすればタバコじゃなくてもいいのだ。そこで退所後、余っていたニコレスを吸ってみたところ、何の問題もない。っていうか、1度タバコと距離を置いた後にニコレスを吸ったら味的にも同じようなものであった。
以前、禁煙外来に通い苦しみつつ禁煙した同僚・和才雄一郎のレポートを読んだ時は、禁煙についてビビってしまった私。しかし、考え方次第なのだと思う。
私のように、よく考えたらタバコの味が好きなわけじゃないという人は、ニコレスで十分代用できるのではないだろうか。新型コロナになって良かったというわけではないが人間万事塞翁が馬。結果として、17日が経った現在、私はタバコを吸っていないし別に吸いたいとも思っていない。