ロシア産海産物の輸入巡り大揉め – やまもといちろう

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 事実関係としては、ロシア産を国産を偽って輸入しているという話よりも、漁獲の中心となっているのはロシア側経済水域であってむしろ「日本が獲らせていただいている」「いままでうまい具合にロシア側と調整してモノが入ってきていた」という状態なので、今回「禁輸や」とやられると本当に産業が死ぬのでどうにかしてほしいという事案であろうと認識しています。

 他方、ロシアがウクライナでやったことはガチもんの侵略と解され、民主主義国家として日本も国際社会の重要な一員として対ロシア制裁に加わらないわけにはいかない、また、実際に産業が死ぬよりもウクライナ人もロシア人も死んでしまっているわけで、この戦争をやめさせるために態度をしっかり示す目的で禁輸措置も含めた経済制裁をしっかりやらなければならないのもまた当然のことです。

 ところが、特定の自民党議員が地元経済からの陳情を理由にロシア側に事実上立って、これらの海産物の禁輸措置については抜け穴とするよう自民党内だけでなく岸田官邸に対して強烈な申し入れを繰り返しているのもまた事実で、ということは、ウクライナ人は死んでもいいけど地場地域の産業は守りたいという主張を日本政府は認めるのかと海外から指弾されても何も言い返せないことになります。

 究極には、日本が具体的に権益を持ち、しかもそれがオール民間であるサハリン2をはじめ、極東経済の枢要なポジションで日本が引き続き存在感を示していること、また、ここで原油やLNGをロシアから導入できなくなると中東依存度がより高まる大問題もまた並存することを考えれば、岸田文雄さんにとってよりむつかしい情勢になっているのだということは考えてしかるべきであろうと思います。

 逆に言えば、極東のロシア人に対しても、それだけのことをクレムリンはしたのだと説明するべき状況であるだけでなく、他方で、これらの物品がダブつけば中国が買っていくだけなのだから対立して制裁をしても中国を利するだけで特段の意味がないという議論はあります。ただ、そういう議論をするのならば、日本政府としてその旨をきちんと説明せねばならず、まだドイツが天然ガスをロシアから買っているうちに道筋だけでもつけてほしいなあと思う次第です。

 ほかにも面倒くせえ議論はたくさん出てきて緊張感のある感じで直面している部分はありますが、とりあえずはこの辺で…。

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