【Hothotレビュー】今なら13万円台!985gでCore i7搭載のマウス製14型モバイルノート「DAIV 4P」は質実剛健のデキ

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マウスコンピューター「DAIV 4P」価格は15万3,780円

 マウスコンピューターのクリエイター向けブランド「DAIV」から販売されている14型モバイルノート「DAIV 4P」のWindows 11連載モデルが発売された。標準価格は15万3,780円だが、3月16日の10時59分までセールにより、13万9,480円となっている。

 DAIV 4Pは308.8×213×16.4mm(幅×奥行き×高さ)というコンパクトさと薄さを実現しており、重量も1kgを切る985gで、実際に持ち運んでみても非常に軽い。また、オプションで4G LTEを用意しており、外で利用する場合にテザリングやWi-Fiスポットに縛られない自由な作業が可能だ。

DAIV 4Pはコンパクトで厚みも抑えられている

4G LTEオプションを追加すると本体右手前にNano SIMスロットが付く。プッシュ・プッシュで取り出せるためSIMピンの携帯は不要だ

OCNモバイルONEのSIMでの回線速度

 今現在のモバイルノートで注目したいのがUSB PD(Power Delivery)の有無だ。USB PDに対応していれば、スマホやタブレット、そのほかの機器と充電器を共用でき、荷物の軽量化ができる。

 DAIV 4Pでは左右両側面にあるUSB Type-C端子がUSB PDに対応している。別途ACアダプタも付属するが、例えばこれを自宅で利用し、モバイルのお供にはUSB PD充電器を持ち運ぶといった運用が可能だ。なお、DAIV 4Pで利用するUSB PD充電器は、出力が65W以上の必要がある。

USB PD対応充電器を使えば左右のUSB Type-C端子から充電可能

ACアダプタは65W。ざっと92×40×38mm(幅×奥行き×高さ)で比較的小型ではある

 14型のディスプレイは解像度が1,920×1,200ドットというWUXGAタイプ。縦解像度が通常のフルHD(1,920×1,080ドット)よりも120ドット多い。縦の情報量を求める方に最適だ。

 例えばWebサイト表示でも表示行数が増え、写真のサムネイル表示などもより多く表示できる。映像編集ではタイムライン表示に余裕が生まれ、表計算では表示できるデータが増える。わずか120ドットでも結構効果的なので侮れない。

1,920×1,200ドットで狭額縁ベゼル、視野角も広い14型ディスプレイ

1,920×1,200ドットと1,920×1,080ドットで表示できる情報量を比べてみた。左が1,920×1,200ドット

 パネルは4辺狭額縁(ナロー)ベゼルを採用し、画面占有率92%。表示色域もsRGB比100%をいったクリエイター向け仕様となっている。パネル表面はもちろん非光沢。また、上部ベゼルにはWindows Hello(顔認証)対応のWebカメラ(100万画素)も搭載している。

Windows Hello対応Webカメラを搭載

 本体側面のインターフェイスは、左側面がUSB 3.1 Type-C、USB 3.0、SDXCカードリーダ、オーディオジャック。右側面がThunderbolt 4、USB 3.0、HDMI、ACアダプタ用ジャックだ。

 左右にUSB PD対応のUSB Type-C(正確には1基はThunderbolt 4)と、Type-Aポートを1基ずつ置くレイアウトは、右利き/左利きはもちろん、机の上のケーブルレイアウトを気にせず利用できる。

 また、HDMIに加えて2つのUSB Type-CからもDisplayPort Alt Modeを利用して映像出力が可能で、本体ディスプレイと合わせて最大4画面出力に対応している。

左側面にはUSB 3.1 Type-C、USB 3.0、SDメモリーカードリーダ、オーディオジャック

右側面にはThunderbolt 4(Type-C)、USB 3.0、HDMI、ACアダプタ用ジャック

 LANは無線のみで有線は非搭載。Intel Wi-Fi 6 AX201(Bluetooth 5もサポート)を採用しており、Wi-Fi 6の高速無線LANに接続可能だ。

 キーボードは日本語83キー仕様。14型なのでスペースはそこまで広くはない中、標準的なレイアウトを採用している。全角/半角やEnterが若干幅の狭いものとなっているが入力時に違和感はなかった。キーピッチは19mm、ストロークは1.2mm。ホワイトLEDのバックライトも搭載している。そしてタッチパッドもかなり大面積で操作しやすい。

標準的なキーレイアウトの日本語83キー仕様

光量調節可能なホワイトバックライトも搭載している

 バッテリはリチウムポリマーで53Wh。仕様ではJEITA2.0基準で最大12時間とされている。PCMark 10のバッテリテストでは、およそ9時間弱のバッテリ駆動時間となったので、十分実用的と言える(輝度50%前後、電源プロファイルをバランスに設定)。

Core i7を採用した高性能モバイルスペック

 CPUはCore i7-1165G7。Intelからは第12世代Coreが登場しているが、高性能(ゲーミング向け)ノートPCの「H」シリーズのみで、バッテリ駆動時間重視のモバイル向けとしては第11世代Coreが現行最新だ。

 スペックとしては4コア8スレッド対応。動作周波数は最大4.2GHz、TDP-Upが28W : 2.8GHz、TDP-Downが12W : 1.2GHz。Core i7グレードなのでクロックが高いことに加えキャッシュ搭載量も多く、Core i5以下と比べパフォーマンスが高い。

CPUは4コア8スレッドのCore i7-1165G7

 メモリはDDR4-3200で16GB(デュアルチャネル)。Core i7-1265G7にはより高クロックのLPDDR4x-4267というオプションもあるが、DDR4-3200は入手性がよく、大容量メモリを搭載する場合でもコスト上昇を抑えることができる。

 クリエイティブ用途ではパフォーマンス(クロック)も重視されるが、一方で潤沢な容量もパフォーマンスを引き出すためには必要だ。DDR4-3200はSO-DIMMスロットを利用できるメリットもある。本製品は後者を選び、標準で16GB、BTOカスタマイズによって最大64GBまで拡張することを可能にしている。

メモリはDDR4-3200で16GB(8GB×2)

 GPUはCPUに統合されたIris Xe Graphicsを利用する。ディスクリートGPUを搭載しているわけではないため、クリエイティブ用途でも3D処理を伴うものは本製品の範囲ではない。

 ただしIris XeにはAIアクセラレーション機能が統合されているため、AIを活用した画像処理、例えばPhotoshopでは「被写体の選択」を始めとした処理が高速化できる。

グラフィックスはCPUに統合されているIris Xe Graphics

 ストレージはPCI Express 3.0 x4接続のNVMe対応M.2 SSDを採用しており、容量は標準構成で512GBだ。転送速度はシーケンシャルリードで2.5GB/s、同ライトが1.2GB/sといったあたり。PCI Express 3.0 x4接続のSSDとしてはスタンダードなスペックと言える。

評価機に搭載されていたSSD

転送速度は2.5GB/sクラス

 ちなみに、Windows 10採用の前モデルとハードウェアスペックは同等だ。基本的にはWindows 11登場によって最新OSに切り換えたモデルと言える。

 当然だがDAIV 4PはWindows 11が要求するハードウェアスペックを満たしている。Windows 11が登場した以上、よほどの理由がなければサポート期間が残り少ない旧OSを選ぶ理由はないだろう。

 なお、Windows 11 Proならばダウングレード権を行使してWindows 10 Proへのダウングレードが可能だが、Windows 11 Homeプリインストールモデルではこの権利が付与されない。

【表1】DAIV 4Pのスペック
CPU Core i7-1165G7(4コア/8スレッド、4.7GHz)
GPU Iris Xe Graphics
メモリ DDR4-3200 16GB
ストレージ NVMe M.2 SSD 512GB
ディスプレイ 14型WUXGA液晶
解像度 1,920×1,200ドット
OS Windows 11 Home
バッテリ駆動時間 約12時間
汎用ポート Thunderbolt 4、USB 3.1、USB 3.0×2
カードリーダ SDXCカードスロット(UHS-I対応)
映像出力 Thunderbolt 4、USB Type-C、HDMI
無線機能 LTE(Nano SIM ※オプション)、Wi-Fi 6、Bluetooth 5
Webカメラ 100万画素
セキュリティ 顔認証センサー
その他 ステレオスピーカー、デュアルアレイマイク、音声入出力端子
本体サイズ(幅×奥行き×高さ) 約308.8×213×16.4mm
重量 約985g
価格 153,780円

スペック通りのパフォーマンス。GPUよりもCPU寄りの用途に最適

 それではDAIV 4Pのベンチマークスコアを見てみよう。今回利用したベンチマークソフトは、ULの「PCMark 10」「3DMark」、Maxonの「Cinebench R23」「Handbrake」。電源プロファイルはパフォーマンスとしている。

【表2】ベンチマーク
PCMark 10 Extended
Overall 4,415
Essentials Scenario 10,096
App Start-up Test 13,432
Video Conferencing Test 8,236
Web Browsing Tset 9,304
Productivity Scenario 6,172
Spreadsheets Test 6,338
Writing Test 6,011
Digital Content Creation Scenario 5,327
Photo Editing Test 9,635
Rendering and Visualization Test 3,191
Video Editing Test 4,919
Gaming Scenario 3,094
Fire Strike Graphics Test 4,067
Fire Strike Physics Test 13,708
Fire Strike Combined Test 1,348
3DMark
TimeSpy 1,487
FireStrike 3,736
NightRaid 14,226
WildLife 9,560
Cinebench R23
CPU(Multi Core) 5,992
CPU(Single Core) 1,514
HandBrake
4K/60p/MP4→フルHD/30p/H.264/MP4 Fast SW 37.36fps
4K/60p/MP4→フルHD/30p/H.265/MP4 Fast SW 31.15fps

 PCMark 10や3DMarkのスコアは、概ねCore i7-1165G7+DDR4メモリの組み合わせ通り。Cinebench R23のMulti Coreテストは約6,000で、Single Coreは約1,500。ロングバッテリライフのモバイル向けノートPCとしては十分なパフォーマンスだ。

 PCMark 10のGamingテストや3DMarkの各スコアが示す通り、かなり軽量のゲームなら楽しめるが、一般的なゲームタイトルをフルHDで楽しめるほどではない。

 続いてゲームベンチマークをいくつか計測してみた。用いたのはスクウェア・エニックスの「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト」と「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」、Wargaming.netの「World of Tanks enCore RT」。

【表2】ゲーム系ベンチマーク
ドラゴンクエストX ベンチマークソフト
1,920×1,080ドット、最高品質 10,413
1,920×1,080ドット、標準品質 11,988
1,920×1,080ドット、低品質 12,613
World of Tanks enCore RT
超高(1,920×1,080ドット、RTオフ) 4,671
中(1,920×1,080ドット、RTオフ) 9,497
最低(1,366×768ドット、RTオフ) 47,155
ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク
1,920×1,080ドット、最高品質 2,726
1,920×1,080ドット、高品質(ノートPC) 3,824
1,920×1,080ドット、標準品質(ノートPC) 4,630

 ドラゴンクエストX ベンチマークソフトについてはフルHD、最高品質でも「すごく快適」評価でなんら問題なくプレイできる。

 World of Tanks enCore RTはフルHDの超高設定で「良好な結果」(ただし中程度のパフォーマンスレーティングなので余裕はない)だ。こちらは画質調整を行なった方がよいだろう。

 ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマークに関しては、フルHDでのプレイは難しい。1,280×720ドットの標準品質(ノートPC)なら8,390ポイントで「快適」評価を得られているが、フレームレート的には30fps前後なので映像の滑らかさは多少我慢が必要になる。

チェアリングのお伴にも最適な本格モバイル

 DAIV 4Pは、軽量でスリムなモバイルノートだ。さらにはオプションでLTEにも対応しているので、様々な場所に持ち運んで仕事や勉強ができる本格モバイルノートと言える。

 リモートワークをされている方で、コストパフォーマンスのよい製品をお探しなら、本製品も選択肢に挙がるだろう。標準構成価格は15万3,780円(3月16日10時59分までセールにより13万9,480円)。LTEのオプション価格は2万2,000円なので、合わせても20万円以下に収まる。

 また、DAIVがクリエイティブユーザー向けという点で用途を考えてみよう。

 GPU性能は従来のものよりも高性能化したとは言え、3Dグラフィックス用途は難しいが、CPUはモバイルとしては高性能で、映像編集なら最終出力前段階の編集作業、写真補正といった2Dグラフィックスをメインなら問題ない。特にAdobe製品をお使いならAIアクセラレーションも助けになる。創作には外からの刺激も必要だろう。本製品を持って、海や山、川でチェアリングでもしながら創作活動をしてみてはいかがだろうか。

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