「モニターアームが使えない!? ディスプレイの置き方を検証してみた」――急遽テレワークを導入した中小企業の顛末記(90)【急遽テレワーク導入!の顛末記】

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モニターとスタンドを、それぞれアーム型・台型のスタンドで固定してみた

 モニターを目線の高さに固定。さらに、iPhoneをZoomのカメラ代わりに使う時などに、ガジェットを空中固定できるアームスタンドが重宝している。最近では会社で仕事をすることも増えたので、これらのギアをオフィスに置いているが、今度は自宅で仕事をしている時に不便さを感じるようになった。

 ……この記事を書いている時点で、東京都でまん延防止等重点措置が適用されてから42日が過ぎた。

 私が勤めている新宿にある中小企業では現在、各スタッフがテレワークと出社を使い分けながら仕事をしている。その中で、今回はこれまで使っていたアーム型とは違う、新たなスタンドを自宅用に購入して、両者の使い勝手を比べてみた。

【今回のハイライト】

自宅の机ではモニターアームが使えない…

アームと台、どっちが便利?

スマホスタンドも比較してみた

2月25日(金):会社用に買ったモニターアーム、実は自宅で使えなかった

 今日は自宅でテレワーク。週末に外出が続いて疲れていたので、スタンディングデスクはやめて、椅子に座って仕事をしていたのだが……。モニターの位置にどうにも違和感がある。会社ではモニターアームを使って画面を目の高さに移動させていたが、自宅ではモニターを机に直置きしているので、どうしても目線が下を向く。そのまま仕事を続けていると、なんだか首がこわばってきた。

会社ではガスシリンダー内蔵のモニターアームを使って、画面を目の高さまであげていた

 実はこのモニターアームが届いた時、会社で使う前に自宅でテストしてみたのだが、部屋の机では使えなかった。というのも、この机は奥側に落下防止用のアームがあり、モニターアームをクランプで固定することができない。それなら、側面に固定しようと思ったのだが、今度は机のフレームが邪魔してクランプで挟めなかった。

奥側には落下防止用のアームが、側面の裏側には机のフレームがあり、クランプで机を挟むことができない

 こうなると、自宅ではモニターアーム以外のグッズで、モニターの高さを変える必要がある。さて、何か良いものはないだろうか……。

3月2日(水):モニターアームvsディスプレイ台! 実際に使い比べてみた

 結局、モニターアームに代わる機材として、自宅ではモニタースタンド(ディスプレイ台)を利用することにした。この手のスタンドは色々な種類があり、中には引き出しや収納スペース、USBハブなどがついたテレビ台のような製品もある。ただ、個人的には机の上を広く使いたかったので、コの字型をした金属製のシンプルなスタンドをチョイスした。

11cm~17cmで高さを調整可能な、耐荷重15kgのモニタースタンド

 その商品が届いたので、さっそく組み立ててモニターを設置。今日まで数日間使ってみたが、15センチほどモニターの高さをあげると、ちょうど画面が目の前に来るようになった。金属製のフレームには安定感があり、これなら地震が来ても倒れる心配はなさそうだ。

“くの字”をしたアームの形状の範囲内なら、自由に画面を移動できる

 そんな自宅に据え置きのスタンドと、会社で使っているモニターアームの使い勝手を比べてみたが、やはり画面位置の自由度はアームに分がある。細かい文字を読む時などに、画面をすぐ目の前に持ってこられるのは便利だ。仰角も調整できるので、画面を思いっきり上向きにすれば、スタンディングでの利用もできなくはない。……一緒にキーボードの高さも上げる必要があるので、あまり現実的ではないかもしれないが。

 ただ、モニターアームにも弱点がある。それは“くの字”をしたアームの形状の都合上、狙った場所で思い通りの高さに画面を固定できないことがあるということだ。例えば、下の写真では今よりモニターの位置を下げようとすると、“くの字”の上の部分を前に倒すことになるので、画面が今より左か前に動くことになる。横にモニターを2つ並べていると、その面合わせができなくなるのが悩ましいところだ。

ここから画面を下に下げようとすると、画面を前か左のどちらかに動かす必要がある

 その点、高さ調整機能のあるモニタースタンドは、同じポジションで自由に画面の高さを調整できる。ただ、今回購入した製品は、調整のためには一度モニターを下ろす必要があるので、それが面倒で同じ高さのまま使い続けることになりそうだ。また、強度と安定性を保つために、スタンド自体に結構な重さがあるので、スタンドごとモニターを移動させるのはちょっと大変……。やはり、画面位置の自由度では、モニターアームに分があるようだ。

 ただ、省スペース性についてはスタンドの方が優れている。まず、今回のように机を壁に向けている場合、モニターアームでは、机と壁の間に数cmの距離が必要となる。なぜなら、モニターアームの“くの字”の尖った部分が、画面を移動させるたびに壁にぶつかってしまうからだ。また、スタンドアームは不用意に移動させると周りに置いたものをなぎ倒してしまうので、机の上にある物の配置にも気を配った方がよいだろう。

画面を前にせり出せるのは便利だが、移動中に周囲のものを蹴散らしてしまうことも……。

 結局、目線の高さに画面を置きたいだけなら、モニタースタンドの方がお手軽かもしれない。とはいえ、仰角まで細かく調整できるモニターアームも、これはこれで便利なので、机周りの環境に合わせて購入するアイテムを選ぶとよいだろう。

3月3日(木):iPhoneスタンドをアーム型・三脚型で使い比べ

ZoomでiPhoneをカメラ代わりに使う時には、スマホ用のアームスタンドが役に立つ

 “物を空中固定する”ということでは、最近ではスマホ用のアームスタンドをよく利用している。ZoomでiPhoneをカメラ代わりに使う時に、このスタンドがあると、内蔵カメラのレンズを顔の前で固定することが可能だ。

 ただ、前回の緊急事態宣言が終わった際に、このアームスタンドも会社に持って行ってしまったので、代わりに使えそうなガジェットをモニタースタンドと一緒に購入しておいた。それが、自撮り棒としても使えるスマホ三脚だ。

動画の撮影用にも使えそうだと購入。ハンドル部分が三又に開いて、三脚として使える

 こちらも使い勝手を比較してみたが、ポジションの自由度ではアームスタンドの方に分があった。このスマホ三脚は仰角しか変えられないが、アームスタンドは前後左右にアームを曲げることで、向きを自由に変えられる。ただ、アームスタンドのアームが届かないような位置にも、スマホ三脚なら気軽に移動させられるのはメリットと言えるかもしれない。

 なお、スマホ三脚は開いた脚が場所を取るので、設置するには机の上にある程度のスペースが必要だった。特に、このスマホ三脚は画面の向く方向に脚が開いているので、モニターの前に置こうとすると脚がキーボードに引っかかる。普通のスマホスタンドなら縦だけでなく、横方向にも首振りできるものもあるが、これは自撮り棒との兼用なので画面の向きが変えられなかった。

クランプ型のアームスタンドなら、接地面は机の一角だけで済む

 ただ、アームスタンドは基本的に机に据え付けて使うので、Zoomをしていないときは邪魔になる。外して置いておくにしても、あまりコンパクトには畳めないので、収納場所が悩ましい。その点、自撮り棒にもなるスマホ三脚はコンパクトに折りたためるので、使わないときは机の引き出しなどにしまっておけばよい。テレワークで自宅と会社を行き来するなら、カバンに入れて持ち歩くのも容易だ。

スマホ三脚はコンパクトに畳んで収納できるのが魅力

 画面位置の自由度と省スペース性で、こちらも優劣が分かれる結果となった。とはいえ、Zoomのカメラにスマホを使うなら、どちらもあったらかなり便利なので、まだ持っていない人は購入を検討してみてはいかがだろうか?

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