「プレイする映画」が「プレイしなくてもいいゲーム」になった。映画『アンチャーテッド』レビュー

GIZMODO

面白かった!

映画『アンチャーテッド』、もうご覧になりましたか? 私は先週行ってきたんですが、見て大成功でした。『アンチャーテッド』を夢中でプレイしていた時代を思い出して懐かしいやら、興奮するやら。一つ隣に座っていた男性も元プレイヤーなのか、「あーそうくるか〜!」なんて呟いていて、私もこっそり頷いたりして、ちょっとした連帯感を持って充実した時間を過ごしました。

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というわけで、元『アンチャ』プレイヤーの私が、プレイしなくてもいい『アンチャ』の魅力を語りますね。

ゲームの前日譚

映画『アンチャーテッド』は、ソニー・インタラクティブエンタテイメントのゲーム『アンチャーテッド』シリーズ第一弾、『アンチャーテッド エル・ドラドの秘宝』(2007年)の前日譚にあたります。

若き日のネイサン・ドレイク(トム・ホランド)が、相棒のヴィクター・サリバン(マーク・ウォルバーグ)や、トレジャーハンターのクロエ・フレイザー(ソフィア・アリ)とどのようにして出会うのかが描かれています。

3人が狙うのは、消えた船につまれた50億ドルの財宝。鍵となるアイテムを集め、謎を解き、敵と戦いながら目的に近づいていく流れはゲームさながらでした。

キャラクターを操作する必要がないゲーム

『サイレントヒル』、『バイオハザード』、『トゥームレイダー』、『モンスターハンター』など、ゲームを原作とした映画は少なくありません。しかし、こういった作品は、ゲームのストーリーや設定を映画用に改変している場合が一般的です。

『アンチャーテッド』の場合、キャラクターを操作する必要がないゲームのような仕上がりになっています。というのも、そもそもゲーム版『アンチャーテッド』シリーズは「プレイする映画」と言われていて、PS3の美麗な映像、シームレスなフィールド、ムービーシーンとプレイ画面のスムーズな切り替わり、作り込まれたシナリオを売りにしているんですよね。映画のようなカメラワークであったり、さまざまな映画の小ネタを挟んできたりして、ゲームと映画の境界線を曖昧にした作品なのです。

だからでしょうか。映画版『アンチャーテッド』は、ゲームを強く意識していると感じられました。たとえば、謎解きのシーンがあっけなく終わりますが、ゲーム版も謎解きは比較的簡単だったのでデジャビュでした。そのため、要所で「『アンチャ』はこうだったな」とか「こういったシーンでネイトを操るのは楽しかったな」など、プレイ体験を思い出すことができるほどでした。

ゲームが原作の映画を見て、ゲームプレイ体験を思い出したのは『サイレントヒル』の三角頭登場シーンくらいかもしれません(恐怖体験が思い出された)。

アドベンチャー映画としても秀逸

では、『アンチャーテッド』はゲーム版の焼き直しのような作品なのか?といえば、そんなことはありません。アドベンチャー映画としても秀逸です。

トム・ホランドによるパルクールっぽいアクションは、ゲームのそれよりもスピード感があってダイナミックですし、宝の輸送シーンなんかは、これぞ大作映画と言わんばかりの迫力でした。ゲームの良さもありつつ、映画化の意義も理解させる。ゲーム原作の正当な映画化とは、まさにこのことかも。

いろいろとゲームと絡めて書いてしまいましたが、『アンチャーテッド』はゲーム未プレイの人でもしっかり楽しめます。ぜひ、多くの方にリラックスした気持ちで鑑賞してほしいです。

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