ロシア通貨ルーブルが過去最安値 – BBCニュース

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ロシアのウクライナ侵攻に対する西側諸国の経済制裁を受け、ロシアの通貨ルーブル28日、対米ドルで過去最安値に落ち込んだ。

欧州連合(EU)とアメリカ、および同盟諸国は26日(日本時間27日朝)、ロシアの複数銀行を国際決済システム「SWIFT」から切り離すことで合意した。これは、ウクライナ侵攻に対する対応としては最も厳しい措置で、ロシア中央銀行の資産が凍結されるほか、同国の外貨準備へのアクセスも制限されることとなる。

共同声明には、欧州委員会、フランス、ドイツ、イタリア、イギリス、カナダ、アメリカの首脳が署名。「ロシアを国際金融システムからさらに孤立させる」ことが狙いだとしている。ロシアは同国経済を支える原油やガスの輸出でSWIFTシステムに大きく依存している。

こうした措置を受け、ルーブルは米ドルに対して約30%下落した。

ロシア中央銀行は27日、国民による取り付け騒ぎを懸念し、冷静さを保つよう求めた。

そして、「金融の安定性を維持し、金融セクターの業務継続性を確保するために必要な資源と手段はある」とした。

緊張が高まる中、北海ブレント原油先物は28日、再び一時1バレル100ドル台を突破した。

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ブロックチェーン分析会社「TRM Labs」のアリ・レッドボード氏はBBCに対し、「ロシア中央銀行と、すでにコルレスバンク(外貨送金の中継地点となる金融機関)から切り離されているロシアの大手銀行が国際金融システムに届く代替手段を見つけない限り、ロシアはイランや北朝鮮のように世界経済から孤立することになる」と指摘した。

レッドボード氏はかつて、米財務省のテロ・金融情報担当次官のシニアアドバイザーを務めていた。

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が27日に、戦略的核抑止部隊に「特別警戒」を命じたことを受け、投資家も警戒を強めている。

豪シドニーのムーディーズ・アナリティックスのエコノミスト、カトリナ・エル氏は、「金融市場はウクライナでの展開に導かれることになる」と述べた。

「制裁や軍事行動に関する発表は、今週も市場を動かすだろう」

「ジャンク債」への格下げ検討

ムーディーズは先週、ロシア国債の「ジャンク債」への格下げを検討していると発表していた。格下げとなった場合、ロシアは通常より多くの借入金を支払わなければならない可能性がある。格付け会社S&Pはすでに、25日にロシアをジャンクに格下げしている。

SMBCプライベート・ウェルスの投資責任者、アレクサンドル・ムーティン氏は、「取り付け騒ぎはすでに進行中で、今後数日で激しさを増す可能性はかなり高い」としている。

「軍事衝突は(ロシアの)プーチン氏の予想以上に長引き、西側や国際社会からの反応もプーチンの予想以上に(ロシアにとって)害のあるものになるかもしれない」

欧州中央銀行(ECB)は28日、ズベルバンク・ロシアの複数の欧州子会社が、ウクライナ侵攻により破綻あるいは破綻しそうだと発表した。ロシアはズベルバンク・ロシアの過半を保有している。

ズベルバンク・ヨーロッパの昨年末時点の総資産額は約136億ユーロ(約1兆7500億円)。ECBによると、同社とクロアチア、スロベニア部門ではこの数日間で急速に預金が流出しており、債務支払いが不可能になるおそれがあるという。

(英語記事 Russian rouble plunges 30% amid Ukraine conflict

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