40代後半といえば中年真っ只中と言える年齢。体に無茶も効かなくなるし、いろんなところが衰えていく。もちろんアイドルやらアニメやらの話をしようものなら、周りから「キモッ!」と思われることもしばしば。
そんな40代後半の私(耕平)は、先日長年推し続けているアイドルの初の武道館ライブに参戦! しかし本来ならば推しの大舞台でテンションMAXのはずが、なぜか武道館までの足取りは重かった……。その理由とは?
・ノリがわからない
2022年2月12日、私は日本武道館に向かうべく、東京メトロ九段下駅に向かった。
ちなみに武道館ライブに最後に行ったのは、28年前の1994年。当編集部の中澤記者の「イングヴェイやってみた」でお馴染み、ギタリスト界のレジェント、イングヴェイ・マルムスティーンのライブだった。
そして今回参戦するライブは、ラウドロックアイドル『PassCode』の武道館公演。ゴリゴリのラウドロックサウンドが売りのグループだ。2年半前に初めてライブに参戦したが推し続けたグループが、とうとう念願の武道館の大舞台に! それだけでも感極まる……が、なぜか直前でテンションはダダ下がり。
駅に着くとファンと思われる気合の入った集団が、全身黒で統一された服装で武道館に向かっていく。
そんな中、40代後半のオッサンがポツリ。ファンの繋がりも無いので、当然1人参戦。その状況で徐々に不安が募ってくる。推しのライブなのに、なぜかアウェイ感が半端じゃないのだ。
「やっぱ帰ろうかな……」
なぜか、そんな感情まで湧き出てきたほど。会場に入ったところで若いファンたちに紛れて、どんなノリで参戦したらいいのか? 不安に駆られながら、重い足取りで武道館に向かう。
・武道館に到着
そして、28年振りの武道館に到着。
正面の入口方面に進んでいくと、ようやく推しの大舞台の実感が湧いてくる……。
しかし感動が押し寄せる反面、先ほどまでの不安は拭えず、微妙なテンションのまま入場の手続きに向かう。ちなみに今回、抽選で運良く当選したのは一番価格帯が高いチケットだったので、専用の入口からの入場となる。
専用の入口に向かって……
コロナ禍のライブのため検温、消毒、本人確認など徹底した感染防止対策を受けて入場。
中に入ると、久々の武道館の広さに驚く。以前、参戦した渋谷にある「TSUTAYA O-EAST(現「Spotify O-EAST」)」とは比べ物にならない広さだ。
・ライブスタート!
普段ライブなどは行かないため、とにかく館内の人の多さに圧倒される。果たして楽しむことができるのか……そして18:00ライブ開始。その瞬間、今までの不安が嘘のように払拭される!
今まで見たことのない、圧倒的なオープニングの演出……会場全体が手拍子に包まれてメンバーが登場! 曲が始まり、自然に腕が上がり体が動き出す。
『PassCode』の曲は、強烈なシャウトが中心となった激しい楽曲が特徴。そのため、アイドルのライブにもかかわらず、ファンの中には過激な人も多い。中でもクラウドサーフ(後ろからダイブしてきた人を、手で持ち上げて頭上からステージまで運ぶ行為)は、『PassCode』ライブの名物と言えるほど。
今回のライブはコロナ感染防止対策のため、声を出すことは禁止になっていた。が、入口で配布された曲調によっていろんな色に発色するリストバンド型ライトが、よりエモーショナルな空間を演出する。
──そして、あっという間に最後の曲に突入。感動のラストに気が付いたら号泣していた。ライブ終了後も出口付近にはライブの余韻が残っているせいなのか、まだ多くのファンが溢れてかえっている。
・気にしすぎだった
2年半前の初ライブ参戦時、私はレビュー記事にて、こう記載していた。
「いったい、何を躊躇(ちゅうちょ)していたんだろう……」と今、振り返ると自分がバカらしくなってきた。
ということで、結論。自分の中の祭り事に参戦するのに、容姿、年齢なんかは関係ないから、雰囲気に流されず、大いに楽しむことをオススメする!
この気持ちが年月の経過とともに風化してしまっていた。そう、結局は自分がいかに楽しめるかが重要。周りは私のことなんか1mmも見ていない。みんな自分が楽しむためにお金と時間を消費して、推しの晴れ舞台を祝いに来ているのだ。
その気持ちを次回こそは忘れず、『PassCode』のさらなる飛躍を、これからも見守っていきたいと思う。