北京オリンピックで銀メダルを獲得したカーリング女子日本代表「ロコ・ソラーレ」。「氷上のチェス」とも称される同競技だが、大会期間中、彼女たちに熱い視線を注いでいたのは「野球好き」だった。
ツイッター上では、テレビの試合中継に合わせて野球ファンたちが実況ツイートを投稿。ワンプレーごとに野球用語が飛び交った。プロからアマチュアまで野球が盛んな日本。有識者は、カーリングと野球には多くの共通点があるとした上で「カーリングが今後、日本で長く親しまれる競技になる可能性はある」と期待を寄せる。
「守護神藤澤見事抑えた!」「阪神のクローザーにならないかい?」
野球は表・裏の9イニング制、カーリングは先攻・後攻がある10エンド制を敷いている。得点が刻まれた横長のスコアボードは瓜二つだ。試合時間も、ともに2時間30分~3時間程度と比較的長い。
そんな2競技の親和性の高さを示したのが、日本が世界ランク2位の強豪・スイスに8-6で勝利した2022年2月18日の準決勝だ。試合はスキップの藤澤五月選手(30)が獅子奮迅の活躍。第5エンド、最終投で相手のストーンを2つ弾き出す「ダブルテークアウト」を決め4点を奪った。このとき、ツイッター上では「満塁ホームランや!」「グラスラ(グランドスラム)や!グラスラ!」「主砲藤澤いけるやん!!!」と興奮するユーザーが相次いでいた。
さらに、大量失点のピンチを招いた第9エンド、再びダブルテークアウトで1失点に抑えると「火消しの藤澤キタ━━━(゚∀゚).━━━!!!」「藤澤選手みたいなリリーフがオリックスにも欲しい」などの声が。最終10エンド、ラストストーンが得点となり勝利を決めると「守護神藤澤見事抑えた!」「阪神のクローザーにならないかい?」と盛り上がった。
大量得点を生み、失点を最小限に抑える藤澤選手の姿を、エンゼルス・大谷翔平選手になぞらえ、カーリング界の「二刀流」と評する声もあった。 試合後には、読売新聞オンラインが「藤沢五月のスーパーショット連発に『満塁ホームラン』『阪神に来ないか』…野球ファンも興奮の大活躍」と、ネット上の野球ファンがカーリングに夢中になった様子を伝えている。
データも、野球ファンの熱中ぶりを示している。J-CASTニュースはSNS分析ツール「ソーシャルインサイト」で、五輪でカーリング女子の試合が行われた2月10日~20日にツイッター上で投稿された「カーリング」を含むツイートを分析(対象投稿はサンプリングデータ)。このとき、投稿ユーザーのプロフィールに含まれていたワードの中で最も多かったのが「野球」だった。