安倍氏への忖度がすぎる岸田首相 – 猪野 亨

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 アベノマスクの送料で10億円なる試算が出されています。
アベノマスク配送料10億円?廃棄なら6千万円 政府試算」(西日本新聞2022年2月2日)

 もともと安倍氏の顔色をみて廃棄できず、それが保管料が莫大になると会計検査院から指摘され大きな批判を浴び、その結果、廃棄するということになりましたが、それが二転三転。
 欲しい人にあげるなどと言い出し、そこまでは良いとして何故か送料を国が負担するなどとやってしまい、しかも対象を施設などに限定しないものだから希望が「殺到」したというものです。
 安倍氏は2億8000万枚の希望があったということではしゃいでるそうです。もっと早くやれば良かっただとか。
「アベノマスク」に2億8千万枚分の応募 在庫は8千万枚、配布検討」(朝日新聞2022年1月31日)

 安倍氏って、何て図々しい人なんでしょう。図々しすぎです。
 無償でまとめて配る、しかも送料持ちでとなれば一定の「需要」はあります。
 しかし、これをもって安倍氏の行った愚策が免罪されるものではありません。

 あくまで国費を使うこととして愚策なんです。その意味ではアベノマスクに需要などこれっぽっちもないです。
 そこを自覚できずにはしゃいでいる安倍氏に品性はありません。
 廃棄処分がもったいないというわけではないんです。
 使えるものは使うという一般論も意味がありません。送料というのはお金が掛かるというだけでなく、その輸送にも大きなエネルギーを使うことになるからです。
 何よりも無償でもらったものを本当に有効活用されているのかどうかも疑問です。何せ無償だからが動機なんですから、本当に必要性があって欲しいと言っている人はどれくらいいるのでしょうか。
 無償だからもらっておくかという人は決して少なくありません。
 だからこのアベノマスクを無償で送料負担で配るというのは何重の意味でも無駄でしかありません。

 岸田総理のこの二転三転している姿勢はすべて安倍氏の意向に従ったから。
 これで一国の総理と言えますか。


2018年5月3日撮影

 これだけでなく、佐渡金山の世界遺産登録問題では、やはり安倍氏ら右翼勢力に押し切られました。
 韓国側が反対していることについて、その点の理解を得るための努力をするということを全くしないまま、安倍氏らに言われたくらいで方針を急転換するなんて、信頼を失う典型です。
佐渡金山、世界遺産に推薦 見送り一転、首相表明」(沖縄タイムス2022年1月28日)

 もともと佐渡金山には韓国側が指摘するように問題の歴史があったのも事実であり、そこを正面から向き合うことなく、江戸時代の~なんて言ってみても世界に向けては全く説得力がありません。
 こうした韓国側との問題が解決していないのは、過去の歴史をわい曲してしまう安倍氏ら右派勢力が未だに蒸し返す行為を繰り返しているからであり、何よりも日本政府がそれを黙認していることがあります。
 大事なのは、右派勢力が好き勝手言っていることではなく、それを政府が黙認していること、ここが一番の問題なのです。どの国にも「え~?」と思うような右派思想の人たちはいます。あのドイツだってナチス信奉者は未だにいたり、ホロコーストはでっち上げだとか信じている人がいるわけで、そうした人たち、特に議員たちが問題発言をしたとき、時の政権が何も言わないというのは黙認したとしかいえない、その政権が発したのと同じ意味になるわけです。
 しかも日本の右派勢力の歴史をわい曲する問題発言は一度や二度ではないのですから、政権側が敢えて黙認しているとしか評価されないわけで、いくら政府見解とは違うと言っても説得力はありません。

 岸田総理は、安倍氏ら右派に振り回される自分が情けないとは思わないんでしょうか。

アベノマスクの廃棄処分で終わりではない 忖度政治が行政を歪める

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