はー、死ぬまでに京都観光してぇなぁ……と、都内の駅で「そうだ 京都、行こう。」のポスターを見るたびにもう何年も思い続けていた筆者。
JR東海の誇る、恐らくは世界で最も優れたキャッチコピーのうちの一つだろう。マジで行きたい気分にさせられるからな。
行きてぇ行きてぇと思っていたら、コロナが落ち着いていたころにJR東海から京都への招待状が。2022年1月7日から3月13日まで実施予定の「禅と湯 ととのう京都」というキャンペーンを、PRのため体験させてくれるらしい。
これぞまさに渡りに船。アラフォーにして初めて京都を観光した筆者の、正直な感想をお伝えしよう。
・禅と湯
ということで、まずは体験させて頂いた「禅と湯 ととのう京都」キャンペーンの概要について。その名の通り「禅」と「湯」を通じ、”ととのう” 体験をしようというものだ。
しかし「禅」はともかく、京都で「湯」だと? 嵐山温泉のことかな? と思っていたら、京都は古くから銭湯のメッカだったらしい。コロナ禍で若干減った可能性はあるらしいが、それでも京都には100件以上の銭湯があるという。
今回初めて把握したが、京都駅は駅前にヨドバシカメラがあり、四条や五条(京阪の祇園四条や清水五条まで含め)などのエリアはデカい商業施設や服屋、飲食店などが並んでいる。観光客は無関係に、現地民だけで十分賑わうガチめな繁華街だ。
東京で似たような雰囲気・用途のエリアと言えば丸の内や銀座のようなもの。渋谷や原宿も似てるかもしれない。そんなエリアから徒歩圏内に銭湯が豊富にあるというのは興味深い。
それでは本題に入っていこうと思うのだが、その前に一つ。本記事で紹介する場所に行ってみようという方は、キャンペーン公式HPをチェックし、JR東海が販売している「ととのうセット(2000円)」をゲットしていただくのが早いだろう。
「ととのうセット」には京都府浴場組合加盟店の入浴券および、キャンペーン対象寺院の参拝整理券が1か所分ついてくる。そして、それらの銭湯や寺院、そして食事処をまとめた地図が同封される。
あと、マジで質がいい今治タオルも入っている。「そうだ 京都、行こう。」のロゴ付きだ。
京都に来たら寺院は絶対に参拝するはず。その上で銭湯にも入るなら、セットを買った方がお得だ! 京都駅の新幹線中央口にもある、JR東海ツアーズの支店などで買えるぞ。
・船岡温泉
ということで、最初にやってきたのは船岡温泉。温泉とついているが、天然温泉ではない。これは伝統的な風呂屋にありがちな屋号だそうだ。
市内の他の銭湯と比べ京都駅から少し離れるが、ここはめちゃくちゃ有名なのだそう。ググってみたらGoogleのレビューは807件で、星4.3(2022年1月15日時点)! オイオイ、有名な老舗の温泉旅館をも食う勢いの高評価じゃねぇか! 京都の銭湯パネェな。
しかし、中に入ればその評価も納得だった。ちなみにスケジュールの都合上入浴はしていないのだが、オープン前に中を隅々まで見せて頂いた。
こじんまりしたフロントからの外観(建物は登録有形文化財)に反し、中は結構広い。
サウナもある。
洗い場はこんな感じ。そばには檜風呂も。
鯉が泳ぐ池のある中庭的なエリアの先には
メチャクチャ雰囲気のある露天風呂も。龍が口からお湯吐いてんぞ!? 銭湯ってレベルじゃねぇぇええええええ!!!!
東京ならサウナは別料金でトータル1000円ほどしそうな風格だが、船岡温泉の利用料金は大人450円、小学生150円、未就学・乳幼児60円と死ぬほどリーズナブルで、23時半(2022年1月時)までやっている。大人が毎日入っても31日間で1万3950円。嘘やろ!? 風呂でしか使ってない筆者の今月のガス代より安いじゃねぇか!
シャンプーなども昭和の駄菓子屋みたいな価格設定で販売している。タオルと小銭だけ持ってフラッと行っても平気だ。詳しくは公式HPを見て欲しい。近所にあったらマジで毎日通うだろこんなの……。
・さらさ西陣
船岡温泉に訪れたなら、あわせて訪れておくべきカフェがある。それが さらさ西陣。船岡温泉の前の道を東に1ブロックほど歩いたところにある。
解説の方からは、元は古い銭湯「藤の森温泉」をリノベーションし……と色々教わり
店内に残る銭湯だったころの名残(天井や、マジョリカタイルの壁など)を関心しながら眺めていたのだが……
あれ、この店知ってるぞ? 初めて来たはずなのに見覚えがある……あっ、ここアニメ「けいおん!」の聖地じゃねーか! 毎度コミケの記事を担当しオタクを名乗っていながら気付かずにいたら、モグリ認定されるところだった。
クラシカルな雰囲気漂う店内にはサイン色紙が複数。マジョリカタイルを背景に店内で撮影されたと思しき、綾瀬はるかさんのカレンダーも飾られていた。きっと色々な撮影のロケ地として使われているのだろう。
ちなみにおススメのメニューは「トルコライス(1300円)」だそう。
メニューはこんな感じ。
カフェでゆっくりし、お腹を満たしてからの船岡温泉。なるほど、これは “ととのう” 度も高いのでは。ここから徒歩圏内には泣く子も黙る金閣寺や、別の記事で紹介する予定の今宮神社など、ビッグな寺院もある。それらの参拝帰りに寄ると良さそう。
・京都観光と銭湯
この後プライベートで清水五条に素泊まりのホテルをとり、数日ほど京都に滞在した筆者。それとなく「ととのうセット」に同封の地図に載っている銭湯を利用してみたのだが、実によかった。
昼は各観光地を巡り、夜は祇園四条の繁華街で適当にメシを食って、近くの手頃な銭湯で風呂をエンジョイし、ホテルに帰って寝る。メシ以降のルーチンを全て徒歩でやれたのが強い。
京都観光というと、ぶっちゃけ有名な寺院の参拝しかイメージできていなかった(それでも凄まじいボリュームがあるが)。初心者が普通にプランを組んでも、まず銭湯は思いつかないと思う。
宿泊する場所にもよるが、京都駅周辺から四条通くらいまでであれば、自分で建てたプランから何かを切り捨てることなく、自然に銭湯を組み込める。滞在時の充実度がマジで上がるぞ!
JR東海も目を付けどころが いぶし銀だ。伊達に「そうだ 京都、行こう。」を30年近くやっているわけではないということか。キャンペーン期間は3月半ばまで。感染状況が落ち着いたタイミングで、是非とも京都でととのってみてくれ!
さて、「禅と湯 ととのう京都」における「湯」はこんな感じ。続いては「禅」パートをレビューするぞ。