探査機「パーサヴィアランス」の火星着陸映像がすごすぎるから見てくれ!!!!!

GIZMODO

2021年2月25日の記事を編集して再掲載しています。

すごすぎて何度見ても鳥肌立つッ!

2021年2月18日、人類史上5機目となるローバー型探査機「パーサヴィアランス(Perseverance)」が見事に火星に着陸を果たしました。

その歴史的なランディングの様子を複数のカメラが捉えた映像をNASAが公開しましたので、地球から783億km離れた惑星で立派に働くパーサヴィアランスの勇姿をぜひご覧ください。感動のあまりにゾクゾクしっぱなしかも!

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Video: NASA/YouTube

NASAのプレス会議では、この迫力満点の映像を捉えた「突入・降下・着陸(EDL)システム」を担当開発したジェット推進研究所のDave Gruelさんの話も伺えました。Gruelさんのチームは、この歴史的な瞬間をあますことなく捉えつつも、ローバー本体と「スカイクレーン」と呼ばれている降下装置に支障が出ないようにとカメラの設置には細心の注意を払ったそうです。結果として、パーサヴィアランスが火星の大地に降り立つまで実に2万3000枚、データ量にしておよそ30ギガバイト分の貴重な資料が手に入ることとなりました。

スカイクレーンには3台のカメラが取り付けられており、そのうちの1台はパラシュートが開いた時点で残念ながらお釈迦に。でもパーサヴィアランスにもカメラが2台、上向きのものと下向きのものが取り付けられていたので、降下するスカイクレーンの様子なども捉えることができました。パーサヴィアランスにはマイクも取り付けられていたのですが、こちらは降下時にはうまく作動しなかったもよう。しかし、ランディングしてからはバッチリ録音に成功していて、以下がその音源です。

火星の大地を吹き抜ける風の音がかすかに聞こえてますね…! ちゃんとしたマイクで拾った音源としては史上初なんだそうです。

映像はまず超音速パラシュートの展開から始まります。時速2万100kmの猛スピードで火星の大気圏に突入したパーサヴィアランスは、直径21.5mもある巨大パラシュートの展開によって時速1,600kmぐらいまで一気に減速。「パラシュートの展開がどのぐらい激しかったかが映像から伝わってきます」とパーサヴィアランスのランディングを総括したジェット推進研究所のAl Chenさんはプレス会議で語っています。パラシュートが開くのにかかった時間はたったの0.7秒。絡まるなどのトラブルは一切なかったそうです。

さらに映像が進むと、大気圏突入の際にパーサヴィアランスを守ってくれた耐熱シールドが分離されます。この際、シールドをローバー本体からなるべく遠くへ押し出すためのバネがひとつ抜けてしまうという想定外のことが起こったらしいのですが、大勢に影響はなかったとChenさんは話しています。

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Image: NASA/JPL via Gizmodo US
火星を周回中のマーズ・リコネッサンス・オービターが捉えた画像。着陸したパーサヴィアランス、排出された断熱シールド、パラシュート、そしてスカイクレーンの残骸が見て取れる。

降下を続けるパーサヴィアランスは、パラシュートにぶら下がって前後にゆらゆらと揺れているのが確認できます。そして火星の地表から20mほどの高さに到達すると、さらに速度を落とすための「スカイクレーン」作戦が発動します。

スカイクレーンはロケットを逆噴射しながらパーサヴィアランスの速度を徐々に落としていく仕組みだったのですが、ロケットから煙が上がることはありません。これはスカイクレーンが推進剤としてヒドラジンを使っているからで、透明な窒素と水素ガスを噴出しているため見えないのだそうです。

いよいよ最終段階に入ると、スカイクレーンから伸びる3本のケーブルに吊るされたパーサヴィアランスが粉塵を巻き上げながら地上までゆっくりと降りていきます。無事に着陸したところでケーブルは切断され、スカイクレーンは少し離れたところに墜落し、ひっそりと任務を終えました。

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Image: NASA/JPL via Gizmodo US
ナビゲーションカメラが捉えたパーサヴィアランスのセルフィー写真。

「見るたびに鳥肌が立つよ」とGruelさんは話しています。そうですよね、ゾクゾクしますよね!!

パーサヴィアランス計画に携わる科学者のKen Willifordさんも興奮冷めやらずといったかんじで、EDLカメラが捉えた画像と映像から火星の「美しい地層」が垣間見れたと語っています。

NASAのプレス会議ではパーサヴィアランスの動向についても新情報が入ってきました。パーサヴィアランスの画像装置を担当するJustin Makiさんによれば、パーサヴィアランスに搭載されているリモートセンシング用のアンテナ塔を無事展開できたそうで、今後ナビゲーションに使う左右のカメラもここに配備されているだけあって一安心です。

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Image: NASA/JPL via Gizmodo US
360度のパノラマ画像。美しい!

さっそくそれらのナビゲーションカメラを使って撮影したのがこちら。驚くほど高画質なカラー画像からは計り知れない可能性が感じられます。画像は着陸地点を写したもので、ランディングの際に舞い上がった塵をうっすらとかぶったデッキ、そしてローバーのホイールも見えています。今回新しく搭載された「Mastcam-Z」のテストも行なわれ、デッキ上の目標にピントが合っている画像も確認できました。

NASAはこちらのサイトで継続的に「Mars 2020」ミッションの原画像が公開していくそうなので、時々覗いてみるのもいいかもしれません。

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Image: NASA/JPL via Gizmodo US
Mastcam-Zが捉えた画像。ピントもバッチリ。

地上ミッションを担当するJessica Samuelsさんによれば、パーサヴィアランスの状態は「いたって健康」で、あらかじめ計画したとおりに作業が進んでいるそうです。これまでパーサヴィアランスに送られて実行されたコマンドは5,000にも上り、高利得アンテナシステムが展開されたことにより今後さらに多くのコマンドを送れる体制が整ったそうです。

現在パーサヴィアランスのお腹の下に格納されている小型探査ヘリ「インジェニュイティ(Ingenuity)との交信も良好とのこと。NASAによれば、ヘリ本体と、ヘリの動きを追跡するベースステーションのどちらも正常に作動していて、バッテリーの充電も問題なく行なわれたそうです。このインジェニュイティを送りだすことがパーサヴィアランスの初任務となる予定で、30日から60日後には決行される見通しです。見逃せませーん!

パーサヴィアランスが火星に到着してからまだ1週間も経っていないのに、すでに現地からこんなにたくさんの贈り物を届けてきてくれているなんて、なんかものすごくエモい…。今後が楽しみでしかないです。

パーサヴィアランスのミッションをまとめた動画:

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Video: ギズモード・ジャパン/YouTube

Reference: NASA

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