「無理に幸せにならなくてもいい」とあえて理想から離れて過ごすことでより幸せになる方法

GIGAZINE
2022年01月23日 17時00分
メモ



誰しも自分の理想像を夢見て、そんな自分になりたいという思いを抱くもの。理想と現実がかけ離れていることに恥ずかしさや罪悪感を覚える人も多いはずですが、「『あえてだらけた自分でいること』でより幸せになる可能性がある」とニュースメディア・The Guardianのレベッカ・シール氏は論じ、その方法について説明しています。

Be bad, better – from anger to laziness, how to put your worst habits to good use | New year | The Guardian
https://www.theguardian.com/lifeandstyle/2022/jan/01/be-bad-better-from-anger-to-laziness-how-to-put-your-worst-habits-to-good-use

◆自分の体を中立的にとらえる
昨今、世界的に「ボディ・ポジティブ」という社会運動が活発に行われるようになってきています。これは、「肌が白い」「スリム」といったヨーロッパ化された美の理想像から人々を解放し、体型や肌の色、性別に関係なく全ての体を受け入れることに焦点を当てた運動です。この運動は「ステレオタイプからの脱却が肯定される」という意見がある一方、「自身の見栄えが悪いと感じている人はより心理的にネガティブになる」という指摘があります。

自分の体を肯定するボディ・ポジティブに対し、自分の体を中立的に受け止めることを「ボディ・リベレーション(体の解放)」と言います。ボディ・リベレーションという運動を提唱したクリシー・キング氏は、ボディ・ポジティブについて「何がどうあれ自分を愛するという考えは、少し太った程度の白人女性に取り上げられているものであり、『自分は理想から遠い』と感じている人々にとっては取っつきやすいものではありません」と主張。「黒人やトランスジェンダー、体に障がいを抱えた人は、心から自分を愛することはできても、だからといって社会的な抑圧に直面しないわけではありません。問題は自分の体を愛し、受容し、そしてその抑圧を解放するために行動できるかどうかです」とキング氏は示しました。

自分の見た目に関してはついつい理想が高くなってしまうものですが、シール氏はキング氏の考え方を踏まえたうえで、過度なダイエットをしたり、逆に無理に自分の体を肯定したりするでもなく、「中立的に捉えること」を推奨しています。


◆否定的な感情を否定しないこと
次に、シール氏は「否定的な感情を愛することを学ぶこと」が「否定的な感情を愛することを学ぶこと」が大切だと提唱。1つの感情を抑制してしまうとほかの全ての感情をも抑制してしまうので、1つ1つの感情を受け入れ、幾度も起こりうるネガティブなイベントに上手に付き合っていくことが大切だと述べています。

◆整理整頓が必ずしも大事なわけではない
適度にだらけた環境を作り上げることも大事。「きちんと整理され高度に組織化されたもの」はしばしば理想像として取り上げられますが、このようなシステムを維持するにはお金や時間の不必要な浪費につながります。アルベルト・アインシュタインの机がひどく散らかっていたように、まとまりがない空間を作り上げても構わないとのこと。

また、人間は所有物に物理特性をはるかに超えた価値、つまり愛情を注ぎ込むことでも知られているため、所有物の処理に感情的なコストがかかることは当然です。ミニマリスト的生活を目指さなくても、たくさんのものに囲まれた散らかった空間にいてよいのだとシール氏は記しています。


ほかにも、子どもの頃に「授業中にぼーっとするな」などと言われた人は休息に罪悪感を覚えてしまうことがあるという説をシール氏は紹介し、休息に罪悪感を覚えなくてもよく、アロマキャンドルやスパを利用するといった「理想の休息」を試す必要もなく、自由に休めばいいと説明。自身の内面を認識して言語化できる読書を行うことも良いと述べました。

シール氏は「自己嫌悪は自身を駆り立てるエンジンのようなものですが、本当に大事なのは自分に優しくすることができるかどうかです。『自分が傷付いてもいい』と言うのは簡単ですが、『自分が大切だ』と言うのは難しいもの。新しい過ごし方を学ぶことは難しいかもしれませんが、美しく、楽しく、エキサイティングな経験になるかもしれません」と締めくくりました。

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