【Hothotレビュー】RDNA 2の末っ子「Radeon RX 6500 XT」。その実力を試す

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Radeon RX 5600 XTを搭載したASRockのRX6500XT PGD 4GO

 AMDの新GPU「Radeon RX 6500 XT」を搭載したビデオカードが、21日11時に国内で発売される。

 今回、発売に先立ってRadeon RX 6500 XT搭載カードを借用できたので、ベンチマークテストで新たなエントリーゲーマー向けGPUの実力をチェックする。

6nmプロセスを採用したエントリー向けGPU「Radeon RX 6500 XT」

 Radeon RX 6500 XTは、従来のRadeon RX 6000シリーズGPUと同じくRDNA2アーキテクチャを採用するGPUだが、製造プロセスが7nmから6nmに変更されている。GPUコアは16基のコンピュートユニットを備えており、1,024基のストリーミングプロセッサや、16基のRay Acceleratorsが利用できるほか、16MBのInfinity Cacheを搭載している。

 VRAMとして18Gbps動作のGDDR6メモリを4GB備えており、GPUとメモリ間は64bitのメモリインターフェイスで接続されている。GDDR6メモリの帯域幅は約144GB/sだが、AMDはInfinity Cache込みの実行メモリ帯域幅(Effective Memory Bandwidth)として231.6GB/sというスペックを公開している。

 バスインターフェイスはPCIe 4.0 x4で、TBP(Total Board Power)は107W。AMDはRadeon RX 6500 XTの想定小売価格を199ドルとしている。

【表1】Radeon RX 6500 XTの主な仕様
GPU Radeon RX 6500 XT Radeon RX 6600
アーキテクチャ RDNA 2 RDNA 2
製造プロセス 6nm 7nm
コンピュートユニット 16基 28基
ストリーミングプロセッサ 1,024基 1,792基
Ray Accelerators 16基 28基
ROPユニット 32基 64基
ゲームクロック(GPU) 2,610MHz 2,044MHz
ブーストクロック(GPU) 2,815MHz 2,491MHz
AMD Infinity Cache 16MB 32MB
メモリ容量 4GB (GDDR6) 8GB (GDDR6)
メモリスピード 18Gbps 14Gbps
メモリインターフェイス 64bit 128bit
メモリ帯域幅 144GB/s 224GB/s
実効メモリ帯域幅(with Infinity Cache) 231.6GB/s 非公開
PCI Express PCIe 4.0 x4 PCIe 4.0 x8
消費電力 (TBP) 107W 132W

比較用GPUとテスト環境

 今回、Radeon RX 6500 XTとベンチマークスコアを比較するのは、RDNAアーキテクチャを採用する前世代のエントリーゲーマー向けGPUである「Radeon RX 5500 XT」で、同GPUをオーバークロックして搭載したビデオカード「ASRock RX5500XT CLD 8GO」を使用する。

Radeon RX 5500 XT搭載ビデオカード「ASRock RX5500XT CLD 8GO」

ASRock RX5500XT CLD 8GOのGPU-Z実行画面

【表2】各ビデオカードの動作仕様
GPU Radeon RX 6500 XT Radeon RX 5500 XT
ビデオカードベンダー ASRock ASRock
製品型番 RX6500XT PGD 4GO RX5500XT CLD 8GO
ベースクロック 不明 1,685MHz
ゲームクロック 不明 1,737MHz
ブーストクロック 不明 1,845MHz
メモリ容量 4GB (GDDR6) 8GB (GDDR6)
メモリスピード 18Gbps 14Gbps
メモリインターフェイス 64bit 128bit
メモリ帯域幅 144GB/s 224GB/s
PCI Express PCIe 4.0 x4 PCIe 4.0 x8
電力リミット 85W (GPU PPT) 132W前後 (GPU ASIC Power)

 ビデオカードを動作させるベース機材には、Ryzen 7 5800Xを搭載したAMD X570環境を用意。テスト時は、両GPUともSmart Access Memory (Resizable BAR)を有効化している。

 グラフィックスドライバについては、Radeon RX 6500 XTはレビュアー向けに配布されたドライバ、Radeon RX 5500 XTはAMDのサイトで配布されている最新版を、それぞれ導入している。その他の条件などについては以下の通り。

【表3】テスト機材一覧
GPU Radeon RX 6500 XT Radeon RX 5500 XT
CPU Ryzen 7 5800X (8コア16スレッド)
CPUパワーリミット PPT:142W、TDC:95A、EDC:140A
CPUクーラー ASUS TUF GAMING LC 240 ARGB (ファンスピード=100%)
マザーボード ASUS TUF GAMING X570-PLUS (WI-FI) [UEFI=4022]
メモリ DDR4-3200 16GB×2 (2ch、22-22-22-52、1.20V)
システム用SSD CORSAIR MP600 1TB (NVMe SSD/PCIe 4.0 x4)
アプリケーション用SSD CSSD-M2B2TPG3VNF 2TB (NVMe SSD/PCIe 4.0 x4)
電源 Thermaltake Toughpower Grand RGB 1050W Platinum (1050W/80PLUS Platinum)
グラフィックスドライバ Adrenaline 22.1.1 (30.0.14023.1007) Adrenaline 22.1.1 (30.0.14023.1009)
Smart Access Memory 有効 有効
OS Windows 11 Pro (Ver 21H2、build 22000.434、VBS有効)
電源プラン バランス
モニタリングソフト HWiNFO64 Pro v7.16
ワットチェッカー ラトックシステム RS-BTWATTCH2
室温 約24℃

ベンチマーク結果

 今回実施したベンチマークテストは、「3DMark」、「VRMark」、「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」、「Forza Horizon 5」、「DIRT 5」、「フォートナイト」、「レインボーシックス シージ」、「Apex Legends」、「オーバーウォッチ」、「バトルフィールド 2042」、「サイバーパンク2077」、「モンスターハンターライズ」、「アサシン クリード ヴァルハラ」、「Microsoft Flight Simulator」、「Blender Benchmark」。

3DMark

 3DMarkでは、DirectX12テスト「Time Spy」、DirectX11テスト「Fire Strike」、Vulkanテスト「Wild Life」、DXR(DirectX Raytracing)テストの「Port Royal」と「DirectX Raytracing feature test」を実行した。

 Radeon RX 6500 XTは、Time Spyで約4%、Fire Strikeで約9%、Wild Lifeで約5%、それぞれRadeon RX 5500 XTを上回ったが、4K解像度で実行されるWild Life Extremeでは逆に約1%下回っている。

 DXRテストであるPort RoyalとDirectX Raytracing feature testについては、レイトレーシング専用コアであるRay Acceleratorsを備えたRadeon RX 6500 XTがスコアを記録できた一方、Radeon RX 5500 XTはテスト自体を実行できなかった。Radeon RX 6500 XTのスコア自体は優秀なものとは言えないが、実行できるか否かの差は大きなものだ。

VRMark

 VRMarkでは、「Orange Room」、「Cyan Room」、「Blue Room」を実行した。

 Radeon RX 6500 XTは、Orange Roomで約18%、Cyan Roomで約5%、それぞれRadeon RX 5500 XTを上回ったが、5K解像度で実行されるBlue Roomでは逆にRadeon RX 5500 XTを約5%下回っている。高解像度になるとメモリ容量やメモリ帯域幅の差が効いてきている印象だ。

【グラフ06】VRMark v1.3.2020「スコア」

【グラフ07】VRMark v1.3.2020「平均フレームレート」

ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク

 ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマークでは、フルHD解像度(1,920×1,080ドット)で3種類の描画設定プリセットをテストした。

 このテストにおいて、Radeon RX 6500 XTはRadeon RX 5500 XTを2~7%下回っている。VRAM速度の差がスコアに反映されやすいテストなだけに、Infinity Cache抜きでは約1.56倍も広いRadeon RX 5500 XTのメモリ帯域幅が効果を発揮したようだ。

【グラフ08】ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク

FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク

 FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークでは、フルHD解像度で3種類の描画設定プリセットをテストした。

 Radeon RX 6500 XTは、高品質でRadeon RX 5500 XTを約2%下回ったものの、軽量品質や標準品質では2~3%上回った。

【グラフ09】FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク v1.3

Forza Horizon 5

 Forza Horizon 5では、ゲーム内ベンチマークモードを利用して、フルHD解像度で6種類の描画設定プリセットをテストした。なお、レイトレーシング専用コアを備えたGPUで描画品質「高」以上を選択すると、レイトレーシング(DXR)が有効化されるため、Radeon RX 6500 XTについてはレイトレーシング無効時の結果も取得した。

 Radeon RX 6500 XTは、「最低」~「中」までの描画品質ではRadeon RX 5500 XTを1~8%ほど上回っているが、「高」以上になるとRadeon RX 5500 XTを下回り、「最高」や「エクストリーム」では大差をつけられている。

 このような結果になったのは、「高」以上の描画品質が4GB以上のVRAMを要求するためだ。6GB以上のVRAMを要求する「最高」や「エクストリーム」では、致命的なメモリ容量不足によって大きくフレームレートが低下したというわけだ。

【グラフ10】Forza Horizon 5 (v1.417.812.0.HV)

DIRT 5

 DIRT 5では、ゲーム内ベンチマークモードを利用して、フルHD解像度で5種類の描画設定プリセットをテストした。なお、レイトレーシングについては無効にしている。

 Radeon RX 6500 XTは、「Ultra Low」でRadeon RX 5500 XTを約8%上回り、「Low」で同程度、「Medium」以上ではRadeon RX 5500 XTに逆転されている。ここでも「Ultra High」などではメモリ容量不足によるものと思われる大幅なパフォーマンス低下が発生している。なお、AMDではこのタイトルでMedium以下の画質設定を推奨しており、High/Ultra Highは推奨していない。

【グラフ11】DIRT 5 (v1.0.276742.503)

フォートナイト

 フォートナイトでは、フルHD解像度で4種類の描画設定プリセットをテストした。グラフィックスAPIは「DirectX 12」で、レイトレーシングは無効。いずれの描画品質でも3D解像度は「100%」に設定している。

 ここでは、Radeon RX 6500 XTが全ての条件でRadeon RX 5500 XTを1割ほど上回った。フレームレート自体も「高」以下でなら平均100fps以上を記録しており、快適にフォートナイトをプレイできる実力を備えている。

【グラフ12】フォートナイト (v19.01)

レインボーシックス シージ

 レインボーシックス シージでは、ゲーム内ベンチマークモードを利用して、フルHD解像度で5種類の描画品質設定をテストした。グラフィックスAPIは「Vulkan」で、レンダリングのスケールは「100%」に設定している。

 フォートナイトとは逆に、Radeon RX 6500 XTはすべての条件でRadeon RX 5500 XTを下回った。特にVRAM使用量が4GBを超える「超高」以上では差が拡大している。フレームレート的にはいずれも100fpsを超えているが、Radeon RX 6500 XTで快適なプレイが望めるのは、描画品質「高」あたりまでだろう。AMDはこのタイトルでもMedium画質以下の設定を推奨していている。

【グラフ13】レインボーシックス シージ (build 8008415)

Apex Legends

 Apex Legendsでは、フルHD解像度で3種類の描画品質設定をテストした。テスト時の上限フレームレートは300fps。

 Radeon RX 6500 XTは、テクスチャストリーミング割り当てを「高(4GB)」にした以外、全てを最高画質に設定した描画品質「高」を含め、全ての条件でRadeon RX 5500 XTを上回った。フレームレート的にも100fps以上を十分に狙えるので、フルHD解像度であればApex Legendsを快適にプレイできるだろう。

【グラフ14】Apex Legends (v3.0.3.60)

オーバーウォッチ

 オーバーウォッチでは、フルHD解像度で5種類の描画設定プリセットをテストした。テスト時の上限フレームレートは400fpsで、すべての描画品質でレンダー・スケールを「100%」に設定している。

 ここでは、条件によって優劣が入れ替わるものの、両GPUがおおむね同程度のパフォーマンスを発揮していると言って差し支えない結果が得られた。Radeon RX 6500 XTは、最高品質設定の「エピック」でも平均120fpsを上回っており、高画質設定でもハイフレームレートを狙うことができる。

【グラフ15】オーバーウォッチ (v1.67.0.0.90774)

バトルフィールド 2042

 バトルフィールド 2042では、フルHD解像度で4種類の描画設定プリセットをテストした。レイトレーシングについては無効にしている。

 Radeon RX 6500 XTは、描画品質「低」と「ノーマル」ではRadeon RX 5500 XTを11~22%上回る一方で、VRAMが不足する「高」以上では逆に大差をつけられている。「ノーマル」以下であれば60fps以上のフレームレートが得られているので、描画品質を追求しなければプレイすること自体は可能だ。

【グラフ16】バトルフィールド 2042 (v0.3.1)

サイバーパンク2077

 サイバーパンク2077では、フルHD解像度で4種類の描画設定プリセットをテストした。レイトレーシングについては無効にしている。

 Radeon RX 6500 XTは、描画品質「中」以下では20%弱、「高」以上では30%前後、Radeon RX 5500 XTを下回った。AMD推奨の「中」以下であれば平均30fpsは上回っているのでプレイすること自体は可能だが、フレームレートを重視するのであればレンダリング解像度の引き下げも検討したい。

【グラフ17】サイバーパンク2077 (v1.31)

モンスターハンターライズ

 モンスターハンターライズでは、フルHD解像度で3種類の描画設定プリセットをテストした。

 Radeon RX 6500 XTは、描画品質「中」以下ではRadeon RX 5500 XTを約5%下回る一方、「高」では逆に13%上回る平均フレームレートを記録した。いずれの設定でも60fpsを余裕で上回っており、「高」でもVRAM使用量が4GB以内におさまっているので、フルHD解像度であればモンスターハンターライズを快適にプレイできるだろう。

【グラフ18】モンスターハンターライズ (v3.6.1.0)

アサシン クリード ヴァルハラ

 アサシン クリード ヴァルハラでは、ゲーム内ベンチマークモードを利用して、フルHD解像度で5種類の描画品質設定をテストした。

 Radeon RX 6500 XTはすべての条件でRadeon RX 5500 XTを下回った。要求VRAM容量が4GB以内の描画品質「中」以下では6~10%下回る程度だが、「高」以上では大差がついている。AMD推奨の「中」以下であれば平均60fpsは上回っているので、画質にこだわらなければ、Radeon RX 6500 XTでもアサシン クリード ヴァルハラをプレイすることは可能だ。

【グラフ19】アサシン クリード ヴァルハラ (v1.4.1.2)

Microsoft Flight Simulator

 Microsoft Flight Simulatorでは、フルHD解像度で4種類の描画設定プリセットをテストした。グラフィックスAPIは「DirectX 11」で、羽田空港から関西国際空港へのルートをエアバスA320neoでAIに飛行させ、離陸から3分間の平均フレームレートを計測している。

 Radeon RX 6500 XTは、描画品質「ハイエンド」以下で12~14%Radeon RX 5500 XTを上回り、「ウルトラ」でも約3%上回っている。

 また、「ハイエンド」以下であれば、Radeon RX 6500 XTは30fpsを超える平均フレームレートを記録している。実際にプレイする場合は、地上付近でもよりフレームレートが出せる「ミドル」以下を選びたいところではあるが、Radeon RX 6500 XTでもフルHD解像度でならMicrosoft Flight Simulatorをプレイできるレベルのパフォーマンスは得られている。

【グラフ20】Microsoft Flight Simulator (v1.21.18.0)

Blender Benchmark

 Blender Benchmarkでは、標準で用意されている6つのシーンのレンダリング時間を測定した。なお、参考までにCPUのRyzen 7 5800Xでレンダリングしたさいの時間も比較に加えている。

 Radeon RX 6500 XTは、もっとも重くVRAM使用量が極めて大きい「Victor」のレンダリングに90分以上の時間を要しており、トータルのレンダリング時間ではRadeon RX 5500 XTに大差をつけられている。VRAM容量の不足に加え、それを補うメインメモリとのデータ転送に用いるバスインターフェイスがPCIe 4.0 x4であることが、Victorでのレンダリング時間が伸びた要因であると考えられる。

 大容量のVRAMを必要とする「Victor」を除いた場合、Radeon RX 6500 XTの合計レンダリング時間は、Radeon RX 5500 XTやRyzen 7 5800Xよりも短い。メモリ不足が生じなければRadeon RX 5500 XTと互角以上のパフォーマンスを発揮できるようだ。

【グラフ21】Blender Benchmark (v2.93.1)「シーン別レンダリング時間」

【グラフ22】Blender Benchmark (v2.93.1)「合計レンダリング時間」

システムの消費電力

 ワットチェッカーを使ってシステムの消費電力を測定し、アイドル時の最小消費電力と、ベンチマーク実行中の平均消費電力および最大消費電力をグラフ化した。

 アイドル時の消費電力は、Radeon RX 6500 XTが66.5Wで、Radeon RX 5500 XTが65.2Wだった。ほぼ同程度であると考えてよい数値だ。

 ベンチマーク実行中の消費電力は、Radeon RX 6500 XTが平均182.9~200.7Wで、最大189.6~231.2W。Radeon RX 5500 XTは平均221.4~235.4W、最大227.9~268.0W。Radeon RX 6500 XTの方が30~40Wほど低い消費電力となっており、電力効率に関してはRadeon RX 5500 XTを明らかに上回っていることが分かる。

【グラフ23】システムの消費電力 (平均/最大)

ベンチマーク実行中のモニタリングデータ

 モニタリングソフトの「HWiNFO64 Pro」を使って、「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク(フルHD/最高品質)」を実行中のRadeon RX 6500 XTのモニタリングデータを取得し、温度やGPUクロックなどのデータをグラフ化した。

 ベンチマーク実行中、Radeon RX 6500 XTは85W前後の電力を消費しながら、2,800~2,900MHzほどのGPUクロックで動作していた。このさい、GPU温度は最高63℃(平均59.9℃)、GPUホットスポット温度は最高88℃(平均79.1℃)に達しており、冷却ファンは終始1,500rpm弱で動作している。

【グラフ24】Radeon RX 6500 XT のモニタリングデータ

「ゲームがプレイできる」ことに価値があるエントリーゲーマー向け低価格GPU

 RDNA2アーキテクチャを採用したRadeon RX 6500 XTだが、その性能はRadeon RX 5500 XT相手に条件次第で優劣が分かれる程度で、VRAM容量も8GBから4GBに削減されている。前世代の500番台から飛躍を感じられるGPUでないことは確かだ。

 もっとも、Radeon RX 6500 XTが担っているのはRadeon RX 5500 XTの後継GPUとしての役割ではない。GeForce GTX 1650やRadeon RX 570といった旧モデルからの買い替え、高画質にこだわらなければ新作ゲームもプレイできるという、エントリーゲーマー向けの低価格GPUという役割だ。

 2021年以来、GPUの価格は高騰したままとなっており、手ごろな価格でゲームがプレイできる低価格帯のGPUについては壊滅的な状況となっている。Radeon RX 6500 XTは、199ドルという価格でそこに投入すべく割り切った仕様を採用したGPUであり、フルHD解像度であれば、FPSやバトルロイヤルゲームをハイフレームレートでプレイしたり、低~中程度の画質設定でAAAタイトルをプレイすることもできる。

 テスト時点では、Radeon RX 6500 XTの国内における販売価格は不明だが、もっとも安価にゲームをプレイできるGPUの1つとして、エントリーゲーマーの選択肢となることを期待したい。


【お知らせ】ライブでRadeon RX 6500 XTを解説! RDNA2最安ビデオカードの性能を見せます!! 1月21日(金)21時配信

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“改造バカ”高橋敏也氏と“KTU”加藤勝明氏が、Radeon RX 6500 XTをライブ配信で解説! インプレスが誇るPC自作バラエティ「本ナマ! 改造バカ」とAMD公式配信「AMD HEROES WORLD」とのコラボ特番として、AMDの配信から日本AMDの佐藤美明さん、そして鈴木咲さんも参戦。2022年のAMD CPUとGPUについても語り合う予定です

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