2022年のアップル、新ジャンルは登場するか–Appleニュース一気読み

CNET Japan

 Appleニュース一気読み、本年もよろしくお願いいたします。

 さて2022年最初のニュースは、Appleが米国の上場企業として初めて、時価総額が3兆ドルを突破した話題からだ。Appleの株価は米国時間1月3日午前、182.86ドルに到達し、発行株数の164億ドルをかけると時価総額3兆ドルに到達した。

 Appleは2018年に時価総額1兆ドル(1トリリオンドル、1T)に到達。2兆ドルに到達したのはコロナ禍の2020年だった。テクノロジー企業としては、AmazonやGoogle、Microsoftといった他の企業が、こうした大台に一番乗りすると目されていたが、結果としてAppleがこれらのタイトルを奪取している。

 Appleの勝因は、いうまでもなくウェアラブル部門とサービス部門だ。AppleがiPhone、iPad、Macといった人気ハードウェアのみでビジネスをしているうちは、おそらくトリリオンのタイトルを3度も勝ち得ることはなかっただろう。

 しかし現在のAppleは、ハードウェアの革新に対してソフトウェアへの投資を緩めず、体験の統合を行ってきた。加えて、Apple WatchとAirPodsという超小型の難しいデバイスでアドバンテージを作り、また(例え人気と言えなくとも)Apple TV+やApple Music、Fitness+といったサービス部門の強化と、App Storeでのサブスクリプションモデル強化によって、よりモダンなアプリビジネスによる成長の手法を取り入れた。

 ただし、今回のAppleの3兆円到達以降、2番乗りは遠いかもしれない。

 昨今のオミクロン株の急速な拡大など、新型コロナウイルスの影響が続いている点で、経済の回復の遅れが指摘される。しかしパンデミックはむしろ、巨大テクノロジー企業の株価を押し上げ続ける加速器のような作用をしてきた。

 より重要な環境変化は、米国の金融引き締めだ。すでに市場では年4回の利上げを織り込んでおり、株式市場からの資金の流出による株安が予測され、株価を押し下げる要因として反応している。

 同時に当面のドル高傾向も予測され、この点も米国外での売上やその計上に影響を及ぼすことも考えられる。Appleの世界経済に対する先読みと折り込みは非常に精密に行われているため、Appleにとっての課題はサプライチェーンが落ち着きを取り戻すかどうかだろう。


アップル時価総額、一時3兆ドルを突破(1/4)

次なる一手はスマートグラス?

 Appleが取り組む次なる分野もウェアラブルになりそうだ。AirPodsシリーズで大成功し、Apple Watchも引き続き成長を続けているウェアラブル部門。「iPhoneと組み合わせて利用する」スタイルを確立したと言える。

 そこで現在注目されているのが、ARやVRを楽しむためのスマートグラスの分野だ。ただし、Appleは基本的に後から最適化解を登場させる戦略であることから、先陣を切って先進的な製品を登場させることはない。この点は繰り返し、役員も強調してきた点だ。

 その中での課題は、デバイスとiPhoneの間でどのようにデータを転送するかだ。現在のAirPodsやApple WatchはBluetoothを用いている。非常に省電力性が高まり、ゆえにAirPodsを実現させている一方で、Bluetoothの転送速度の問題から、現在のAirPods ProやAirPods Maxはより大きなオーディオデータを扱うロスレスオーディオに対応していない。

 技術的には、現在のAirPodsシリーズがサポートしているBluetooth 5.0を、Bluetooth 5.2にアップデートすることが最適解となるだろう。

 このバージョンは、今までのBluetoothオーディオとは別に策定された新しいLE Audioをサポートしており、マルチストリームオーディオを用いてAppleロスレスの転送を実現すると考えられる。

 スマートグラスとなると、さらに映像の転送というより大きな帯域が求められる。遅延の少なさや解像度の問題など、既存のデバイスを眺めてみても、まだまだ課題は大きい。

 さらにその映像を映し出すディスプレイについても、より高精細でなければドットが見えてしまい、これまでRetinaディスプレイを展開してきたAppleの品質に追いつかない。

 こうした要素技術の進展を睨みながらの実現となっていくが、おそらく「これだ」という技術が登場する時、Appleがその採用一番手として一気に数を確保し展開するのではないだろうか。


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