ターナー・スポーツは、なぜ NFT ゲームを開発したのか?:担当SV、ヤン・アディヤ氏に訊く

DIGIDAY

ターナー・スポーツ(Turner Sports)は、ブロックチェーン分野で動きがひときわ早いメディア企業のひとつで、2018年に初めてNFTプロジェクトの立ち上げに一丸となって取り組んでいる。

スポーツメディア企業であるターナー・スポーツにとって、これは多くの意味を持つものだった。スポーツファンは、暗号通貨やNFTコレクション、メタバースでのプレイにも興味を持つであろう、かなりの特性を備えている。たとえば、大勢がファンタジースポーツに参加する一方で、レアなトレーディングカードやサイン入り野球ボールの収集が好きな者も多く、相応の金を使いシーズンチケットやジャージを購入して、チームを支えようとする者はもっと多い。

これらはすべて、ブロックチェーン化が可能なため、NFTを利用して現実世界の価値を高めるオンラインゴルフゲーム「ブロックリート(Blocklete)」をリリースして、ターナー・スポーツは一歩先んじることができた。

ターナー・スポーツでデジタルリーグ事業運営および成長、イノベーション担当シニアバイスプレジデントを務めるヤン・アディヤ氏が、自社へのブロックチェーンの適用について考え始めたとき、ゲームと収集のギャップを埋める機会を見いだし、ブロックリート──すなわちブロックチェーン・アスリート(Blockchain Athletes)をリリースした。

米DIGIDAYポッドキャストの最新エピソードで、アディヤ氏は、12月にモバイル版をリリース予定のNFTゲームの開発と、NFTのような新しい未知の概念のゲーム化が、暗号資産に関係ないネイティブオーディエンスの取り込みに役立つ理由について話した。

以下は、読みやすさを考慮して若干の編集を加えたインタビューのハイライトだ。

NFTエコノミーのゲーム化

「(プレイヤーは)NFT(この場合、ゴルファー)を購入でき、そのゴルファーは、NFTにより、特定のスキルを備えている。ゴルファーにはパワーと精度(の指標)があり、ゲーム内でのプレイによって、スコアが伸びたり、より遠くに飛ばしたりできるようになることで、選手の属性を向上させて価値を高めることができる。こうした努力によって、NFTの価値が上がる。NFTであり、適切な所有権があるため、ユーザーは現実世界の価値(本物のドルの価値)をそれに付与できる。それが、暗号通貨の興味深い点のひとつだ。それによって、ユーザーは試合やスポーツに関わりながらも、それに価値を持たせることができる」。

投資意欲があるオーディエンスの見極め

「(開発に)時間がかかったので、早めにスタートしてよかった。ゲームを開発することについて、誰かが金を稼げるゲームがあるのを知って、飛びつきたくなるだろうと考えた。技術とその応用をどう理解しているかについて、オーディエンスとその理解度の違いを理解するまでに、ある程度の時間がかかった」。

「確かに、暗号通貨に精通しているユーザーがまず参加したが、より一般的なオーディエンス、つまり、ギャンブルをしたり、自由にゲームをするスポーツファンと話し、それをより理解するのにも、時間がかかった。スポーツゲームをプレイしたスポーツファンは、ゲームとスポーツの関わりを通じ、時間の経過とともにデジタル資産が増えるというコンセプトと、我々がやろうとしていることを理解してくれたこともわかった。こうしたことを理解することで、この分野が成長し、やがて、一般に受け入れられるようになるにつれて、最初にアプローチすべきオーディエンスをより良く理解することができた」。

オーディエンスがブロックチェーンに参加する適切なニッチ製品の発見

「2018年には、妙な話だが、(暗号通貨でバーチャルなネコを購入して育てられるビデオゲーム「クリプトキティーズ[CryptoKitties]」に似た)競馬ゲームを開発したいと思った。だが、知ってのとおり、当社は競馬の企業ではない。そうしたゲームは、最高の結果をもたらせる分野ではなかった。それですぐに、アスリートやスポーツにシフトした。そこで重要だったのは、何がすばやく軌道に乗り、その分野について真に学べるやり方でテストを始められるのかということだった」。

「取り組みたいゲームとしてゴルフに目を付けたのは、同時のゲームプレイが不要で、ほかの誰かのスコアカードと対戦できるからだ。プレイヤー間の衝突があまりなかったので、やり取りの点では比較的容易だった。そして、2019年は、ゴルフベースのゲームを開発し、それを利用して、NFTで何ができるのかを考え始めた年だった」。

[原文:Why Yang Adija gamified NFTs to encourage Turner Sports’ audience to embrace the blockchain

Kayleigh Barber(翻訳:矢倉美登里/ガリレオ、編集:猿渡さとみ)

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