スマニューやSmartHRが評価額を大きく伸ばした2021年–資金調達・評価額ランキング

CNET Japan

 フォースタートアップスは1月12日、成長産業領域に特化した情報プラットフォーム「STARTUP DB」において、2021年1月から12月までを対象とした「国内スタートアップ資金調達金額ランキング」を発表した。

 それによると、前回の2021年1月から11月までを対象としたランキングと比べ、順位は変動したものの顔ぶれに変更はなく、2021年の年間トップは約394億円のSpiberとなった。

 19位から9位へとランクアップしたSODAは、スニーカーフリマ「SNKRDUNK」を提供するスタートアップ。12月2日にシリーズDラウンドにおいて、SoftBank Vision Fund 2から第三者割当増資を実施。これにより同社は、評価額が約380億円にまで上昇している。

 また、トップ20にランクインしている企業のうち、累計資金調達金額が100億円を超えている企業は、Spiber、スマートニュース、TBM、Mobility Technologies、ヘイ、SmartHR、リキッドグループ、アストロスケールホールディングス、SODA、INFORICH、ispace、ディーカレット、ビットキーの13社だった。

 2022年1月4日時点で、2021年12月における資金調達金額の中央値は1億6300円、平均値は4億3500万円、資金調達金額合計金額は434億5900万円となっている(一部融資や社債での資金調達を含む)。

 なお、今回の資金調達ランキングには含まれていないが、2021年12月中に行われた資金調達で最も金額が大きかったのは、アソビューの調達になるという。アソビューは、シリーズEラウンドにて、Fidelity International、グローバル・ブレイン、三井不動産が共同で運営する「31VENTURES−グローバル・ブレイン−グロースI事業」から、12月23日に総額30億円の資金調達を完了している。

 今回の調達によって、遊び予約サイト「アソビュー!」の認知拡大に加え、観光・レジャー産業向けのバーティカルSaaSによるDX支援を実施する予定。加えて、それらに伴うプロダクト開発やインフラ面の整備、人材採用に充当する方針だという。

スマニューやSmartHRが評価額を大きく伸ばした2021年

 同社では、2022年1月4日時点での「国内スタートアップ評価額ランキング」も発表している。同ランキングは、登記簿情報に記載されている発行済みの顕在株、潜在株をもとに算出。また、子会社やINCJ主導で設立した企業は除外されている。

 それによると、こちらも前回発表した国内スタートアップ評価額ランキング最新版(2021年12月)から順位に変動はなかった。

 昨年度に発表した「国内スタートアップ想定時価総額ランキング最新版(2021年1月)」と比較すると、スマートニュースが評価額を1242億円から2017億円と大幅に増加。320億円でランキング外だったSmartHRは、評価額を1731億円に伸ばして3位にランクインした。また、10位のGVEは評価額を558億円から1117億円へと2倍近く上昇させている。加えて、評価額が1,000億円以上の企業数は1年間で7社から11社へと増加している。

 評価額ランキングにランクインした企業の累計資金調達金額も同様に、2021年12月のランキングからの変動はなかった。ランクイン企業のうち、累計資金調達金額が100億円以上の企業は13社。資金調達額が大きい順にSpiberが1060億円、Mobility Technologiesが470億円、スマートニュースが441億円となっている。

 その一方で、評価額1000億円以上の11社のうち、累計資金調達金額が40億円未満のスタートアップはTRIPLE-1、クリーンプラネット、GVEの3社。他の8社がこれまでに100億円を超える資金調達を行っている中で、比較的少ない金額となっていることがわかった。

Source