敵基地攻撃能力は壮大なる無駄 – 猪野 亨

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敵基地攻撃能力を持ちたいと岸田政権は言っていますが、それに疑義を唱えるのが立憲民主党、共産党、賛意を示したのが維新の会に国民民主党というのですから、野党の立ち位置もはっきりしてきました。

「敵基地攻撃能力」野党の差鮮明 立共反対、維国賛成」(産経新聞2022年1月9日)

「立民の泉健太代表は「今の時代は発射台付き車両(TEL)からミサイルを射出するわけで、動かない基地を攻撃したところで抑止できるのか」と問題提起した。その上で「敵基地攻撃で何が防げるかを政権与党は説明しておらず、そういったものは当然、了承できない」と否定的な見解を示した。」

 これ、非常に全うな見解なんです。

 私自身は、効果があるのかどうか以前に敵基地攻撃能力を保有することは憲法9条に反するものなので反対なのですが、憲法論議はさておくとしても敵基地攻撃能力を保持するためには膨大な税金を注ぎ込むことが必要になりますが、しかし、その結果は壮大なる無駄を展開することになります。

 今の日本の国力では到底、できないことをやろうとしているわけです。

2017年12月23日撮影

 さて、敵基地攻撃能力の仮想敵国はどこですか?

 現実問題として、中ロ両国は全くあり得ないんです。

 敵基地攻撃能力というのは、相手の国がミサイルで先制攻撃を仕掛けてくる、防衛のためにはミサイルが飛んできてからでは遅い、だから先に叩くのだ、という発想のもとにあります。これは確かに軍事技術の発展に伴って従前とは違ってきた状況にあることはその通りでしょう。

 とはいえ、実際に東アジアにそのような緊張状態があるのかどうかは別問題です。

 今、中ロ両国から攻撃を仕掛けられる可能性は全くのゼロです。

 本気で中国やロシアが日本にミサイルを撃ち込んでくると思っている人がいるとすればインターネットの下らない情報の見過ぎです。

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