現実化した改憲論議に正当性無し – 猪野 亨

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日米安全保障条約は何のための条約?

 本来、日本は憲法9条により他国に対して武力攻撃などは明らかに禁止されています。唯一正当化できるのは、「専守防衛」ののためだけです。

 「専守防衛」とは日本国民の生命・安全を守るため、その攻撃に対し、「自衛権」を発動するというものです。

 自民党政権のいう専守防衛も自衛権も胡散臭いものばかりですが、安倍政権以前は、これを国是として憲法解釈の原則としていました。

 しかし、ご承知のとおり安倍政権のもとで、解釈改憲という違憲行為が行われ、集団的自衛権行使の容認に踏み込みました。もっともこの場合も日本の国の存立危機に関わるという基準を用いて従来の憲法解釈の延長線上にあるということは意識されていました。

 だから何故、ホルムズ海峡への自衛艦派兵が正当化されるのかということが問題にもなったわけです。

自衛隊の海外派兵は戦闘行為 存立危機状態とは自存自衛のための戦争のためのキーワード!

 ところが、中台が武力衝突になったとき、それは日本の国の存立の危機と言えるでしょうか。言えるわけがありません。

 しかし、日米安保体制のもと、自衛隊が米軍との対中一体化が進んでいます。

対中、日米の一体化鮮明「かつてなく統合」 台湾有事に現実的危機感」(朝日新聞2022年1月7日)

「共同発表では「ルールに基づく秩序を損なう中国による現在進行中の取り組み」に懸念を表明。日米で「地域における安定を損なう行動を抑止し、必要であれば対処するために協力することを決意した」と強い姿勢が示された。昨年3月の2プラス2での共同発表は、中国の「安定を損なう行動に反対することを確認した」としていた。今回、日米がともに行動を起こすと踏み込んだ形だ。」

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