木星のオーロラ、火星の大地、超新星爆発の瞬間…神秘的で美しい宇宙の写真まとめ

GIZMODO

Amazon創業者のジェフ・ベゾス氏やヴァージン・グループ創業者のリチャード・ブランソン氏、ZOZO創業者の前澤友作氏と、世界の富豪たちがこぞって宇宙旅行に出かけた2021年。ギズモードでも数々の宇宙関連のニュースが掲載されました。

今回はギズモード・ジャパンで今年話題になった宇宙ニュースのなかから、いまままで見たことがないような素晴らしい写真、驚きの写真の数々をご紹介します。

ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた銀河がこの世のものとは思えないほど美しい

NASAのハッブル宇宙望遠鏡が捉えたこの美しい渦巻銀河は「NGC 2336」。エルンスト・ヴィルヘルム・テンペルというドイツの天文学者が、口径がたった28cmしかない望遠鏡でNGC 2336を発見したのは1876年のことでした。それから100年以上経った今、主鏡の口径が2.4mあるハッブルが捉えたこの写真は、テンペルの時代には想像もつかなかったほどのディテールと輝きに満ちあふれています。

木星で発見された、まったく新しいタイプのオーロラ

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Image: NASA, ESA, and J. Nichols (University of Leicester)

NASAの木星探査機ジュノーが紫外分光器を使って観測したデータからは、オーロラの環が北極からものすごいスピードで広がっている様子が確認されました。一体なにがそうさせているか、詳しいことはまだわかっていないそうです。

赤外線で見た木星、怖すぎぃ

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Image: International Gemini Observatory/NOIRLab/NSF/AURA/NASA/ESA, M.H. Wong and I. de Pater (UC Berkeley) et al.

こちらは、マウナケア山頂にあるジェミニ天文台のジェミニ・ノース望遠鏡が撮影した木星の赤外線画像です。赤外線画像だと大赤斑は黒く潰れ、白い雲は暗くなり、通常は深紅色のガス層は火の帯のようになるのです。まるで地獄のようだ……。

見えるはずのない金星の大陸が見えた?

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Image: NASA/Johns Hopkins APL/Naval Research Laboratory/Guillermo Stenborg and Brendan Gallagher via Gizmodo US

2018年に打ち上げられたNASAの太陽探査機「パーカー・ソーラー・プローブ」が、太陽ではなく金星の意外な姿を捉えました。左端に写る金星の中央付近に黒い影が見えますが、それはアフロディーテ大陸と呼ばれる大地なのだそう。本来は分厚い硫酸の雲に覆われて見えないはずなんですが、パーカー・ソーラー・プローブに搭載されている広視野カメラが可視光線だけではなく金星の表面からの熱放射をとらえたのだそうです。

パーサヴィアランスが送ってきた、数々の素晴らしい写真

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Image: NASA

3月に火星に到達した探査車パーサヴィアランス。これまでの約10カ月で数々の写真を送ってきてくれました。まずは着陸の瞬間をおさめた写真。ちょっとわかりづらいですが、写真の右端にパーサヴィアランスの車輪が写っています。これは歴史的な写真ですね。

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Image: NASA/JPL/Gizmodo US

着陸の瞬間は、映像でもおさめられていました。すごい迫力ですね!

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Image: NASA

こちらはパーサヴィアランスに搭載された 「SuperCam」 がとらえた火星の岩石のドアップの写真です。「SuperCam」はカメラ、レーザー、分光計とマイクを駆使して火星の地質学的分析を行うための機器です。目の前にあるように鮮明に撮影できるものなんですね……。見ただけではどんな岩石かはわかりませんが、この岩石に「SuperCam」でレーザーを放射して瞬時に粉砕し、気化した岩石の成分を分析することで微生物の痕跡や人間にとって有害な物質が含まれていないかを調べるそうです。

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Image: NASA/JPL-Caltech/ASU

パーサヴィアランスに搭載された23台のカメラのうちの1台、Mastcam-Zカメラで撮影された写真がこちらです。 火星に降り立って地平線を見渡した気持ちになれる1枚ですね。降り立った地域がゴツゴツして岩が多く、周囲に山が多いことがわかります。

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Image: NASA/JPL-Caltech

ジェゼロ・クレーターの俯瞰図もなんとも幻想的です。この地域は数十億年前、水を湛え急流が注ぎ込まれていたといわれています。

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Image: ESA/Roscosmos/CaSSIS; acknowledgement A. Valantinas

突然のクイズです!この写真の中にパーサヴィアランスが写っています、いったいどこでしょう? 正解は以下のページにてご確認ください。

キュリオシティだって負けてないぞ!とにかく美しい火星の写真

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Image: NASA/JPL-Caltech

こちらの写真は2012年から活躍しているNASAの火星探査機・キュリオシティから送られてきた画像で、実は合成着色されているそうです。NASAのプレスリリースによれば、火星の壮大な景観に心を動かされたキュリオシティミッションチームによる「芸術的解釈」の賜物で、

異なる時間に撮られたモノクロ写真2枚を合成し、対照的な照明条件によって地形のディテールをより際立たせています

ということのようで、肉眼で見る景色とは違う可能性が高いそうです。

毎年恒例! 火星ののろし

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Image: ESA/GCP/UPV/EHU Bilbao

AMEC:Arsia Mons Elongated Cloud(アルシア山狭長雲)」と名付けられたこのふしぎな雲は、アルシア山が火山であることから火山活動によるものか?と言われていましたが、実際は凍った水滴が集まってできたもの。アルシア山の風下の斜面から発生し、風に吹かれて長ーくたなびくその姿は、毎年火星の南半球が夏至を迎える頃にみられる現象だそうです。

木星に隕石が衝突した決定的瞬間

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こちらは、アメリカ・テキサス州在住のアマチュア天文家が木星の上層大気に隕石のようなものが衝突した瞬間をとらえたとされる画像です。アマチュア天文家のEthan Chappelさんが天体望遠鏡を木星に向けたままでしばらく録画し続けていて、その映像データを自動解析ソフトに入力してみたところ、閃光が検出されたというアラートが。Chappelさんがあらためて映像を確認すると、木星の南赤道ベルト(SEB)と呼ばれる茶色の帯の東側あたりに、ほんの一瞬ではありますがまぎれもない閃光が見られました。閃光は隕石の衝突によって起こったものと見られています。

なんだこれ? 中国の月面探査機が月の裏側で見つけた「神秘小屋」

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Image: Twitter

中国の月面探査機「嫦娥四号」に積まれて来たローバー「玉兔2号」が、月の裏側で謎の四角い物体を発見しました。「フォン・カルマン」クレーターを超えた80m向こうの地平線に見えるソレは、「神秘小屋」と名付けられました。これが一体なんなのか、判明するのは 判明するのは2022年2月頃といわれてます。

死にゆく星の様子をおさめた決定的瞬間

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Image: NASA, ESA, Ryan Foley (UC Santa Cruz), Joseph DePasquale (STScI)

この超新星爆発に与えられた名は「SN 2020fqv」。SN 2020fqvが爆発する様子をカリフォルニア州サンディエゴにあるパロマー天文台の光学観測装置「ZTF(Zwicky Transient Facility)」と、NASAのトランジット系外惑星探索衛星(TESS)がたまたまリアルタイムで観測しており、最終的にはハッブル宇宙望遠鏡を含めた複数の望遠鏡が地上と宇宙から見守りました。

いくつもの独立した視点から超新星爆発の前、爆発そのもの、そしてその後を観測できたのはこれが初めてで、このデータは超新星爆発の過程について理解を深める上で重要になってきますし、超新星爆発がいつ起こるかを予測するのにも役立ちそうです

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