松田聖子 愛娘急逝で紅白辞退か – 渡邉裕二

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年の瀬に痛ましい事故となった。

俳優・神田正輝と歌手・松田聖子の一人娘で、ミュージカル女優として活躍していた神田沙也加さん(35)が18日、滞在中だった北海道・札幌市内のホテルで転落死した。札幌在住の芸能関係者によると、

「ホテル最上階の22階から転落したようです。14階部分にある野外スペースで倒れているのが見つかり、市内の病院に救急搬送されましたが意識は戻らず死亡が確認されたと言います」

沙也加さんの所属事務所の発表では、死亡時間は18日21時40分だった。

実は、筆者に今回の沙也加さんの事故の情報が入ったのは同日23時30分過ぎのことで、

「札幌のホテルで転落して怪我を負ったようだ」

と言うものだった。

その後、日が変わり19日0時18分になって、スポニチが「神田沙也加が重体 札幌のホテル高層階から転落」と第一報を配信。だがすでに筆者の元には「死亡したようだ」との情報が入っており、スポーツ報知も1時24分に「神田沙也加さん急死、札幌のホテル高層階から転落」とニュースを配信した。

スポーツ紙は系列紙である読売新聞や毎日新聞が北海道警から得た情報を元に取材したのだろう。しかし、さすがに筆者の限られた情報網では情報を集めることは出来なかった。前出の芸能関係者は言う。

「土曜日の出来事ですからね。新聞社の芸能担当者も働き方改革で動きが鈍くなっているのが実情です。事件慣れもしていませんから、東京からの応援記者が中心になって動くことになるでしょう」

今回の沙也加さんの転落死で、図らずも地方記者の実情が浮き彫りになってしまったのかもしれない。

「SNSの発達もあるのだと思います。何とも情けない話ですが、ネット頼りの記者も増え、取材力劣化は著しいものがありますね。もちろんコロナ禍で取材が制限されてきた部分もあると思いますが」

ミュージカル公演中に何が

それにしても今回の事件には謎が多い。

沙也加さんは札幌文化芸術劇場で開催中だった主演ミュージカル「マイ・フェア・レディ」(札幌公演)のために札幌を訪れていた。この日は、正午開演の昼の部に出演を予定していたが、予定の集合時間を過ぎても会場に現れず連絡も途絶えていた。このため、ダブルキャストだった元宝塚宙組のトップスター、朝夏まなとが急きょ代役を務めた。

その後、午後になって沙也加さん転落の情報はスタッフや共演者に伝えられたが、公演中の思わぬ出来事に現場の混乱は凄まじかったに違いない。

沙也加さんは1986年10月1日に神田正輝と松田聖子の長女として生まれた。その時、正輝は「目と眉はカミさんに似ていてよかった。僕に似るとゴッツイ顔になっていた」などと話していたのを思い出す。

それから11年後の1997年、正輝と聖子は離婚した。

その際、親権は聖子となったが、姓については「学校などの手続上の問題もあって神田姓を変更しなかった」(関係者)

聖子と沙也加さんとの関係性はよく、年始は毎年のようにハワイに行っていた。

「ハワイの空港では取材する記者にも紹介するほどでした」(スポーツ紙の芸能記者)

沙也加さんは1999年に「ALICE」のペンネームで聖子の曲を初作詞し、まずは作家としてデビュー、2001年には江崎グリコ「アイスの実」でCMに「SAYAKA」の芸名で出演し、その翌年(02年)には「ever since」を発売し歌手デビューもした。

その後は女優の方向へと突き進むようになっていく。

キッカケは宮本亜門の演出するミュージカル「INTO THE WOODS」に、約20倍のオーディションを勝ち抜いて出演したことだった(04年)

それから1年半、芸能活動を停止し海外生活などを送ったが、06年12月に大地真央の主演舞台「紫式部ものがたり」(日生劇場)へ出演したことで「舞台女優に目覚めたと言います」(芸能記者)

この時を境に、聖子のつけた芸名「SAYAKA」を本名の「神田沙也加」に変えている。周囲からも「大地の元で、いろいろと教え込まれ学んだ。そのあたりから母親離れが進んだ」と言われた。

そうした中で聖子と袂を分かつことになり、ミュージカルなど舞台女優として評価を高め、14年のディズニー映画「アナと雪の女王」では日本語吹き替え版での王女・アナ役に抜擢され一躍注目された。同年末の「紅白」では、ニューヨークからの中継でイディナ・メンゼルとデュエットもしている。

ミュージカル「マイ・フェア・レディ」は18年に主演のイライザ役に抜擢され演じてきた。今回の公演は、11月14日の東京・帝国劇場を皮切りに来年1月28日の福岡・博多座での千秋楽まで全国各地を巡るものだった。

札幌公演では18日と20日に出演する予定だったが、製作する東宝は19日に「公演に関する重要なお知らせ」として文書を掲載。札幌公演の中止を発表した。沙也加さんが亡くなったことを伝えた上で、

「広く日本のエンタテインメント界に多大な功績を残された神田沙也加さんに敬意を表し、心からの哀悼の意を捧げます」

と数々のミュージカル、舞台で活躍した功績を讃えた。

母・松田聖子「現実を受け止めることが出来ない状態」

沙也加さんが逝去したことに松田聖子の所属事務所は「松田は、未だこの現実を受け止めることが出来ない状態です」とコメントを発表、19日に東京のグランドプリンスホテル新高輪で予定していたディナーショーを中止にした。

今後については流動的な部分もあるが、聖子にとって気になるのは大晦日の「第72回NHK紅白歌合戦」への出場だ。現時点では「まだ10日間ありますからね」(NHK関係者)としているが、

「一人娘が亡くなったのですからね。年末の大舞台と言っても精神的にステージに立って歌えるのか不安はあります。場合によっては『紅白』出場辞退と言うこともあり得るのではないでしょうか」(前出の音楽関係者)

ちなみに、12月21日は神田正輝の71歳の誕生日である。

厚生労働省のホームページで紹介している主な悩み相談窓口

▼いのちの電話 0570-783-556(午前10時~午後10時)、0120-783-556(午後4時~同9時、毎月10日は午前8時~翌日午前8時)

▼こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556(対応の曜日・時間は都道府県により異なる)

▼よりそいホットライン 0120-279-338(24時間対応) 岩手、宮城、福島各県からは0120-279-226(24時間対応)

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