無料Wi-Fiはホームレスの命綱 – マイナビニュース

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女優の芳根京子が、フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00~ ※関東ローカル)のナレーション収録に臨んだ。担当したのは、あす12日に放送される『スマホとホームレス ~無料Wi-Fiに集う若者たち~』。無料Wi-Fiを求めて都会の街をさまよう職や家を失った若者たちの姿から、現代の貧困の風景を追った作品だ。

こうした現実について、まず「知れて良かったと思います」という芳根。そして、家族や周囲の人間とのつながりの大切を、改めて感じたという――。

『ザ・ノンフィクション』のナレーションを担当した芳根京子

■“まず知る”ということが、次の第一歩に

電話料金が払えず、使えなくなったスマートフォンでも、無料Wi-Fiでインターネットに接続すれば、炊き出し場所の検索、安価なネットカフェの予約、支援相談窓口への相談もできる。彼らにとって通話のできなくなったスマホは、生きていく上でのまさに“最後の命綱”なのだ。

「無料Wi-Fiって、街を歩いてたりすると知らぬ間につながってるもの…みたいな感覚でしかなかったんです。あれに回数制限があることも知らなかったので、それを頼りに生活している人がいるというのを知れて良かったと思います」と語る芳根。

情報化社会が進み、普通に生活している身でも“スマホがなかったら生きていけない”と言ってしまいがちだが、そんな言葉を冗談でも口に出せなくなるような衝撃で、「私も今回でこの現実を知った人間なので、同じように番組を見て知るという方が増えてくれたらいいなと思います。“まず知る”ということが、次の第一歩になると思うので」と願った。

無料Wi-Fiを利用するホームレスの若者 (C)フジテレビ

■改めて感じる“つながり”の大切さ

そんな若者たちを救おうと闘っているのが、都内で生活困窮者の支援を続ける佐々木大志郎さん(42)。毎日のようにSOSが舞い込み、支援していた人と急に連絡が取れなくなることも多々起きるそうだが、それでも活動を続ける姿に、「純粋にすごいなと思いました。空振りしても動き続ける佐々木さんの一番の原動力というのは何なのだろう」と感心しきり。

貧困に苦しむ若者たちに共通して見えるのは、家族や周囲の人間とのつながりを絶たれてしまった状況。「私は家族が楽しんで作品を見てくれることが、仕事のやりがいに感じているんです。家族の支えがなかったら、ここまで頑張れなかったと思います」と言うほど、芳根にとって大切な存在であるだけに、今回の番組を通して家族とのつながりの大切さも一層感じたそうだ。

炊き出し会場での「無料Wi-Fi使えます」の掲示 (C)フジテレビ

厳しい現実を突きつけられるシーンの連続だが、最後には希望を感じる場面も。わずかな収入ながら、仕事を得て前向きになる人の姿に「彼の『諦めなければなんとかなる』という言葉は、まさにその通りだなあと思いました。私も、諦めずに希望があれば何かがこじ開くんじゃないかと思いながらやってきたので、そこにはすごく説得力があるなと思いました」と受け止めた。

その上で、「私は今何をすべきか、今の自分に足りていないものは何か、自分がどういう行動を次に起こすべきか、どうすれば未来につながるか、というのを考えなから仕事に向き合っているので、やはり“行動”というのは大事なんだなと思います。何もしなければ本当に何も始まらないですからね」と改めて実感。「大変な中でも希望を感じながら生きている方々から本当に勇気をもらったので、私も頑張らなきゃと思います」と話した。

『ザ・ノンフィクション』のナレーションを担当するのは、これで4回目。「やっと序盤から落ち着いて読めるようになったかなと思います」といい、「普通に人生を送っていたら見られない景色をたくさん見せてもらえるので、人間としての質をいつも上げてもらっているなと思います」と、毎回大きなものを得ているようだ。

●芳根京子1997年生まれ、東京都出身。13年に『ラスト・シンデレラ』で女優デビュー。14年にNHK連続テレビ小説『花子とアン』で注目を集め、15年『表参道高校合唱部!』でドラマ初主演。16年にはNHK連続テレビ小説『べっぴんさん』でヒロインを務め、以降もドラマ『海月姫』『チャンネルはそのまま!』『コタキ兄弟と四苦八苦』『君と世界が終わる日に』『コントが始まる』『半径5メートル』、映画『累 -かさね-』『居眠り磐音』『記憶屋 あなたを忘れない』『Arc アーク』などに出演する。現在放送中のドラマ『真犯人フラグ』(日本テレビ)、公開中の映画『ボス・ベイビー ファミリー・ミッション』に出演し、来年は映画『峠 最後のサムライ』の公開が控える。

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