コンデナスト を いかに ハリウッド へ売り込むか?:同社 A・チュー氏、H・エスタブルック氏

DIGIDAY

コンデナスト・エンターテイメント(Condé Nast Entertainment:以下、CNE)は、テレビや映画業界において決して新参者ではない。2011年に設立されたこの部門は、コンデナスト社のコンテンツを番組や映画化することに手を貸してきた。たとえば、GQの記事がNetflixのドキュメンタリーシリーズ『ラストチャンスU(Last Chance U)』や、ザ・ニューヨーカー(The New Yorker)の短編小説を映画化した、ロバート・レッドフォード主演の『さらば愛しきアウトロー(The Old Man and the Gun)』などがそうだ。そんなCNEはいま、ハリウッドでさらに大きな役割を果たそうとしている。

「いままで我々がしたことのない方法で、真剣に、そして意図的に、我々のブランドを積極的に活用することを目指している」と、ディズニー+(Disney+)の元エグゼクティブで2020年9月にCNEのプレジデントに就任したアグネス・チュー氏は述べた。

これまでCNEは、チュー氏による指揮のもとハリウッドの経験豊かなリーダーたちを雇い、その知名度を高めてきた。そのなかには、アカデミー賞ノミネート経験のあるプロデューサー、ヘレン・エスタブルック氏も含まれている。同氏は、2021年3月に、映画とテレビ部門のグローバル責任者としてCNEに加わった人物だ。

エスタブルック氏の任務は、CNEが映画やテレビ企画に利用できるような記事、短編、ポッドキャストを見つけるために、コンデナストの各メディアブランドとの関係を構築することだ。

エスタブルック氏は、「どのように物語を見つけるか、それらの物語をどのような形で伝えるか、各メディアブランドそれぞれが個々にシステムを持っており、それに沿った形でCNEが一緒に取り組めるような、新たな仕組みを作っている」と述べる。「コンデナストは現在、ひとつの大きな制作会社ではあるが、内部にはGQスタジオ、ニューヨーカー・スタジオ、ヴァニティフェア(Vanity Fair)スタジオ、といった具合に、複数の制作会社が存在する状況だ」。

今回の米DIGIDAYのポッドキャストでは、チュー氏とエスタブルック氏のインタビューをお届けする。以下は、そのハイライトだ。

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メディアブランドとの関わり方

チュー氏:以前は、メディアブランドと映像プロジェクトチームのスケジュールが分離しており、相互調整することもしなかった。しかしいまは違う。パートナーシップやコラボレーションを促進し、優れた映画やテレビ番組になる可能性のある優れたIPを早期に見つけるために、両者のスケジュールを調整することが非常に重要になっている。ヘレンとそのチームはこうしたプロセスを通じて、IPを早期に見つけてパッケージ化し、以前にはできなかった方法でコンテンツを展開している。

記事公開と同時並行で映像も発表

エスタブルック氏:ワイヤード(Wired)の特集記事、「A People’s History of Black Twitter(ブラックツイッターの人々の歴史)」では、記事が公開されたのと同じ日に映像化を発表した

※Black Twitter:アフリカ系アメリカ人ユーザーで主に構成される非公式のTwitterコミュニティ

コミュニケーションのあり方

エスタブルック氏:映画業界やテレビ業界は、自分たちを「何となく」特別な存在にしておきたいので、不透明さを好む傾向がある。しかし、それは時代遅れなやり方だと思う。業界はいま、さまざまな点で複雑な時期にあるが、それを切り抜ける唯一の方法は計画を明確にすることだ。それこそが注力していることだ。プロジェクトに関わる全員が理解できるように、計画はこうで、これらの点が実現することを期待しており、もしうまくいかなければ、次のような計画があり、次のステップはこれだ、とコミュニケーションを取っている。

「機敏性」をもって動く

チュー氏:延々と交渉に時間をかけることほど、企画を駄目にしてしまう確実な方法はない。我々はこの1年で、過去2年間に結んだ契約よりも多くを締結した。ビジネスチームが映画やテレビのために成し遂げた業績は、急速に変化する業界へのアプローチにおける、当社の迅速さを物語っている。我々はとても機敏で、とにかく良い仕事をしたいと思っている。

[原文:How Agnes Chu and Helen Estabrook are breaking Condé Nast Entertainment further into Hollywood

TIM PETERSON(翻訳:塚本 紺、編集:村上莞)

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