維新の躍進 要因は「吉村効果」 – 安倍宏行

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安倍宏行(Japan In-depth編集長・ジャーナリスト)

【まとめ】

・衆院選躍進の要因は「吉村効果」と「立憲が共産と組んだこと」。

・国民民主党とは当面合流はせず、政策毎に連携していく。

・今後は国会改革を進めていきたい。

先の衆院選で41議席を確保し大きく躍進した日本維新の会。片山虎之助共同代表が意識不明の重篤な状態にあることから、急遽共同代表に就任した馬場伸幸前幹事長に話を聞いた。

まず、衆院選での躍進の背景をどう分析しているか尋ねた。これに対し馬場氏は、2つの要因を挙げた。

その1つが「吉村効果」。「吉村副代表が、大阪府知事として、コロナで全国的に知名度上がった。他県からもうちの知事や市長ももっと頑張って欲しいという声があった」と述べた。

2つめとして、「立憲民主党が共産党と組んだこと」を挙げた。「立憲民主党が共産党と組んで、自民党は公明党と組んでいる。左右に分かれて真ん中が空いた。自民党にお灸を据えたいけども、共産党と組んだ立憲民主党には入れたくない。そういう票が今回維新にドカーンと入ったのではないか」と、与党に対する批判票が維新の会に投じられたと分析した。

共同代表に就任しての抱負については「仕事自体は大きく変わったわけではないが、ポジションとしては重いポジションにつかせていただいた。この勢いをキープして、まずは来年の参議院選挙でいかに1議席でも多く確保できるかが最大の目標だ」と述べ、来年夏の参院選に向け、党勢拡大に尽力する考えを示した。

選挙後早速国民民主党は、憲法改正に向けた議論を加速させるよう与党側に働きかけていくことで一致したが、今後国民民主党との合流はあるのか聞いた。

これに対して馬場氏は、「国民民主党とは是々非々で協力できるところはしていく」とした上で、「わが党は法案を単独で出せる21議席は上回ったが、予算がらみの法案は51人以上いないと出せないので、国民民主党と積極的に連携して行きたい」と述べ、「当面は合流せず、最初は一つ一つ協力して、時間をかけてお互いの事を理解する必要がある」と述べ、まずは政策毎に連携していく考えを強調した。

また、開催中の臨時国会で、「トリガー条項の凍結解除の法案、海上保安庁と海上自衛隊法の改正をして備えをスキルアップさせる法案を出し、岸田政権の考えを質す」と述べた。

憲法改正論議については、自民・公明・維新・国民民主が改憲勢力で憲法審査会開催に前向きであることから、立憲民主党にも協力するよう求めていく考えを示した。馬場氏は先日代表選で選ばれた泉健太新代表が馬場氏の事務所に挨拶に来たとき、「審査会を前に進めるよう言ったが反応は鈍かった」と述べ、今後の立憲民主党の出方を見守りたいとした。

▲写真 ⒸJapan In-depth編集部

国会の運営自体については、「一般の企業と比べて国会が1番改革が遅れている。国会の運営や委員会の構成などいろいろなところに無駄がある。9つある特別委員会の中にはほとんど開かれていないところもあり、そういうところはスクラップアンドビルドすべきと従来から言っている。国会改革をして本来国会議員の仕事である立法作業をするための議論ができる国会にしていきたい」と述べた。

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