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今年のサイバーウィークは低い割引率がマイナス要因のひとつに
1年で最大の売上を記録する週であるにもかかわらず、今年のブラックフライデー(11月26日)は、米国の小売業界にとって厳しいものとなった。
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ブラックフライデーにおける店頭の人出は、昨年よりも増加したが、2019年に比べて減少した。小売分析会社のセンサーマティックソリューションズの調べによると、2019年の同時期と比較して、感謝祭(11月25日)では90%、ブラックフライデーでは28%減少した。アドビアナリティクスよると、オンラインショッピングの売上高は、過去最高だった昨年の90億ドル(約1兆200億円)から89億ドル(約1兆80億円)へと減少した(ただし、2019年の74.3億[約8400億円]ドルと比較すると20%増)。
サプライチェーンの遅延を考慮し、各ブランドや小売業者が早めのホリデーショッピングを推進したことや、例年に比べて割引率が低かったことも盛り上がりに欠ける要因となった。また今年は、ブラックフライデー前の盛り上がりを狙って感謝祭を利用する小売業者が減ったことも大きい。2019年は、ウォルマート(Walmart)やターゲット(Target)などの小売業者が、翌日のブラックフライデーセールの話題性を高めるために、感謝祭の日にも開業していたが、2020年には、一時的なパンデミック対策を理由に、感謝祭の日に休業。現在、米国では全国的な労働力不足のもと、この方針が恒久的なものになりつつあり、今年はウォルマートやベストバイ(Best Buy)、ターゲット、コールズ(Kohl’s)、メイシーズ(Macy’s)などが休業した。
サイバーマンデー(11月29日)も同様、例年に比べて割引率が低く、オンラインでの売上高は前年比1.4%減の107億ドル(約1兆2150億円)となり、史上初のマイナスとなった。
一方、D2Cのスタートアップ企業にとっては、それがまったく別の話になりそうだ。米モダンリテールがD2Cスタートアップの4人の経営者に取材したところ、昨年、過去最高のeコマース売上を記録したD2Cスタートアップの多くがサイバーウィークにおいて、過去と比較してより多くの収益を上げた。
今年のブラックフライデーでは、平均して割引率が若干低くなっているが、D2Cスタートアップの多くは、過去18カ月間に獲得した膨大な数の新規顧客に後押しされ、今年はこれまで以上に大きな割引を実施できた。また、いくつかのブランド(特に欧米で製品を製造しているブランド)では、大手小売企業のように在庫の遅延の影響を受けなかったことがプラス要因だという。サイバーマンデーに過去最高の売上を達成する予定だというD2Cブランドも見られた。ーー[参照:The days of lining up at stores for Black Friday deals may be over(Maile McCann)/DTC Briefing: Why some startups saw big gains on Black Friday and Cyber Monday(Anna Hensel)](翻訳・編集:戸田美子)
MR Newsレビュー
速報系ニュースを振り返る「MR Newsレビュー」。今回は11月26日(金)〜12月2日(木)にモダンリテール[日本版]のTwitterでご紹介したニュースをまとめました。
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Edited by 戸田美子