変異株を「オミクロン」と命名 – BBCニュース

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Reuters

世界保健機関は26日、南アフリカで検出された新型コロナウイルスの新たな変異株「B.1.1.529」を「懸念される変異株」(VOC)に指定し、「オミクロン」と名付けた。

WHOは声明で、変異株「オミクロン」には「多数の変異がみられ、その中には懸念すべきものもある」とし、初期段階の証拠では再感染リスクの増加が示唆されていると説明した。

南アフリカのほぼ全ての州で感染が増加しているようだという。

「11月9日に採取された検体から、B.1.1.529の感染が初めて確認された」ことも明らかにした。

科学者はオミクロン株にどれほどの感染力があるのか調べている。WHOはこの変異株の影響を把握するには、数週間かかるだろうとしている。

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オミクロンの存在は24日に世界で初めて、南アフリカからWHOに報告が届いた。ボツワナ、ベルギー、香港、イスラエルでも確認されている。

現在多くの国が、アフリカ南部への往来を禁止あるいは制限することを決めている。

イギリスの場合、南アフリカ、ナミビア、ジンバブエ、ボツワナ、レソト、エスワティニからの渡航者は、イギリスかアイルランドの国民、あるいはイギリスの居住者でなければ入国できなくなった

欧州連合(EU)加盟国はアフリカの一部からの入国制限を相次いで発表している。アメリカ政府も同様に、29日から南アフリカ、ボツワナ、ジンバブエ、ナミビア、レソト、エスワティニ、モザンビーク、マラウイからの渡航を禁止する。

ウイルスが時間の経過とともに変化あるいは変異するのは、珍しいことではない。その変異が、伝染性や毒性、ワクチンの効果などに影響を及ぼす可能性がある場合には、「懸念される変異株」に指定される。

「悪い知らせだがこの世の終わりではない

英保健当局幹部は、現在の新型ウイルスワクチンの効果がオミクロン株に対して低下するのは「ほぼ確実」だろうと警告した。

しかし、英オックスフォード大学の構造生物学者、ジェイムズ・ネイスミス教授は「悪い知らせだが、この世の終わりではない」と付け加えた。

教授は、オミクロン株によって、感染がこれまでより急速に拡大するかの制覇あるとしつつ、「伝播性(でんぱせい)」とは、「このアミノ酸の影響はこうだ」という単純なものではなく、複数の変異がどのように合わさって働くかで決まると説明した。

オミクロン株の拡大が加速すれば、イギリスへの到達は避けられないとも、ネイスミス教授は述べた。

こうした中、アメリカの感染症対策トップのアンソニー・ファウチ博士は、オミクロン株についての報告は「危険信号」だとしつつ、ワクチンには依然として重症化を防ぐ効果があるかもしれないと述べた。

ファウチ博士は、「適切な検査が行われるまでは、(中略)ウイルスから私たちを守ってくれる抗体を、この変異株が回避してしまうのかどうか、まだ分からない」と米CNNに述べた。

渡航制限めぐる反応

WHOは、各国が性急に渡航制限を実施していることをけん制し、「リスクに基づいた科学的アプローチ」を検討すべきだとしている。

しかし、イギリスやアメリカに加えて、欧州連合(EU)やスイスもアフリカ南部の一部との往来を一時的に停止している。

欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は、「いま重要なのは、欧州のすべての人々が非常に迅速に、断固として、団結して行動することだ」と述べた。

南アフリカのジョー・ファハラ保健相は記者団に対し、渡航禁止措置は「不当」だと述べた。

「渡航禁止などの措置を取った一部の国の反応は、世界保健機関が示す規範と基準に完全に反している」

南アフリカ医師会のアンジェリーク・クッツェー会長もBBCに対し、南アフリカに対する渡航制限は時期尚早だと語った。

「現時点では、コップの中の嵐に過ぎない」

経済への影響を懸念する声が投資家の間で広がり、世界各国の株式市場は26日に大きく下落した。

英ロンドン証券取引所の株価指数FTSEは3.7%、ドイツ、フランス、アメリカの主要株価指標も落ち込んだ。

航空会社や旅行会社は大きな打撃を受けた。英ブリティッシュ・エアウェイズを傘下に持つインターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)やウィズエアーの株価は15%、TUIの株価は10%下落した。

(英語記事 New variant classed ‘of concern’ and named Omicron

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