Amazon従業員が「1年で最も忙しい日」を狙い撃つストライキを計画中

GIGAZINE


by Bossi

Amazonにとって1年で最も忙しい日になるというブラックフライデーを狙い撃ったストライキ計画が進行中だと報じられました。この計画では、ブラックフライデー当日にEUやアメリカなどの十数カ所でデモ活動が行われる予定です。

#MakeAmazonPay | Make Amazon Pay
https://makeamazonpay.com/ja/

Amazon workers plan global Black Friday protests for better wages, tax accountability
https://techxplore.com/news/2021-11-amazon-workers-global-black-friday.html

ブラックフライデーを狙い撃ちにしたストライキを計画しているのは、Amazonに対して労働環境改善などを求める労働者団体のMake Amazon Payです。Make Amazon Payは「コロナ禍にもかかわらずAmazonは1兆ドル(約115兆円)規模の企業となり、ジェフ・ベゾス取締役会長の個人資産は世界初の2000億ドル(約23兆円)を記録したものの、Amazonの倉庫労働者はエッセンシャル・ワーカー(生活に必要不可欠な労働者)として命を危険にさらしたにもかかわらずわずかな賃上げにとどまった」と主張。さらに「Amazonは納税義務を怠った上に二酸化炭素排出量増加に寄与している」と指摘し、従業員に対する公平な賃金、環境破壊に対する代償、そしてしかるべき税金を支払わせるためにブラックフライデー当日にストライキを計画しているとのこと。

Make Amazon Payの主張は、以下で公式日本語訳版をダウンロードできます。

アマゾン社は公正な経費の支払いを!
(PDFファイル)https://cloud.progressive.international/s/Gs7scG9i8GfFmtA/download?path=/&files=JA_Amazon%20Common%20Demands.pdf


Make Amazon Payの要求は大まかに以下の通り。

・労働面
Amazonの利益増に応じた賃金の引き上げや労災・繁忙期におけるボーナスの支給、厳格な生産監視体制の撤廃、有給病気休暇の延長、不安定雇用や契約社員制度の全廃、組合潰し行為の撤回、現場従業員によって構成される安全監視委員会の構築認可、各施設における新型コロナウイルスの感染者数・死者数の公開など。

・環境面
2030年までの温室効果ガス排出量ゼロの達成や化石燃料企業に対するAWSサービスの打ち切り、気候変動を否定する活動に対する資金援助の取りやめなど。

・社会面
タックスヘイブンを利用した脱税の廃止や市場独占につながるような反競争的行為の取りやめ、EchoなどのAmazonが製造・販売するIoTデバイスにおけるユーザーデータの透明性確保およびプライバシーの保証、顔認証・生体監視ソフトウェアをはじめとする大量監視体制に寄与しうるデバイス・ソフトウェアの開発・配備・販売の中止など。

こうしたMake Amazon Payの主張に対して、Amazonの広報担当者はすでに2040年までに炭素排出量をゼロにするという誓約を行っており、地域によっては最低時給を18ドル(約2080円)に設定していると述べた上で、「当社はどの分野においても完璧だとはいえませんが、役割と影響を非常に真摯に受け止めています」と回答。従業員の安全と健康を守るために新たな方法を模索していると語りました。

Amazonは2021年11月26日(金)9時から12月2日(木)23時59分までブラックフライデーセールを開催予定。「自分へのご褒美」として人気の高いファッションや食品、美容グッズなどの毎日の生活をちょっと豊かにするプチ贅沢商品ならびに、Amazonデバイス、家電、ホーム・オフィス用品、PC周辺機器など数十万点を特別価格で提供する予定です。

7日間のビッグセール: Amazon ブラックフライデー 2021
https://www.amazon.co.jp/blackfriday


今回のMake Amazon Payの活動が2021年度のブラックフライデーセールにどのような影響を与えるかについて、同社の広報担当者は回答を避けたとのことです。

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