YouTubeの「裁判中継」が検閲か、大手報道機関以外の中継が軒並み配信停止に

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現地時間2021年11月15日、警官の暴力に抗議するデモ参加者3人に発砲して死傷させたとして殺人罪に問われていたカイル・リッテンハウス被告の最終弁論が行われました。リッテンハウス被告にまつわる裁判は全米で注目を大きく集めたことから、最終弁論は大手報道機関だけでなく比較的小さなメディアや個人配信者までもがYouTubeでライブ配信を行いましたが、大手報道機関以外のライブ配信が軒並み配信停止処分を受けたとして話題を呼んでいます。

Deus Flex Machina- flexyoursuccess.comさんはTwitterを使っています 「BREAKING: All independent streams of the Kyle Rittenhouse Trial are being taken down by Youtube over “Policy Violations” @CBSNews’ stream is still running however. https://t.co/UhNwrLZbCU」 / Twitter
https://twitter.com/ReturnOfTheFleX/status/1460295030187438088

事の発端となったのは、2020年8月23日にアメリカのウィスコンシン州ケノーシャで発生した黒人男性であるジェイコブ・ブレークが警察官2名に背後から至近距離で7回撃たれたという事件です。ジェイコブは第3級性的暴行の重罪や、住居侵入および治安紊乱(びんらん)行為の軽罪で訴追されていましたが、事件当時女性2人のケンカを仲裁しようとしていたことや銃撃を受けた際の映像が残されていたことが大きく注目を集めました。

Shooting of Jacob Blake sparks protests in Wisconsin – YouTube
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当時は同年5月に発生したジョージ・フロイドの死に端を発するブラック・ライヴズ・マター(BLM)も記憶に新しい時期であり、ジェイコブ・ブレークへの銃撃事件もBLMに絡められる形でデモを始めとした抗議運動が展開されました。

この抗議運動に関連して発生したのがカイル・リッテンハウス事件です。リッテンハウス被告は2020年8月25日、前述のジェイコブ・ブレークに関連する抗議運動に対して、半自動ライフルを持ち出して男性2人を射殺。1人を負傷させました。事件当時の映像が以下で、発砲シーンが含まれている点に注意してください。


この一件に関する裁判は全米でも高い注目度を誇り、アメリカの大手メディアは各社報道。アメリカではリスクが高いといわれる「殺人罪に問われた被告自身が証言台に立つ」という展開も話題を呼び、結審に向けて報道が過熱しています。

米抗議参加者3人死傷事件の裁判、10代被告側が審理無効を主張 – BBCニュース
https://www.bbc.com/japanese/59244549


そして2021年11月15日、リッテンハウス被告側の最終弁論を迎えるにあたって、大手メディアのみならず小規模のメディアや個人配信者がYouTube上で裁判のライブ配信を行いました。しかし、政治アナリストのReturnOfTheFleX氏によると、CBSを除くライブ配信は「ポリシー違反」として配信停止処分とされてしまったとのこと。


この配信停止処分は最終弁論の直前に解かれたそうですが、なぜ大手であるCBSのライブ配信は停止処分とされなかったのかや、他の配信に下されたポリシー違反という処分理由の詳細については不明という状況。他のTwitterユーザーからは「左派が著作権違反として通報を繰り返している」「公開裁判なのに著作権違反って何なんだよ」という意見が飛び交っています。

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