ターミネーター2の弾丸効果は実はCGではなかった、貴重なメイキング映像が公開中

GIGAZINE
2021年11月15日 15時00分
映画



映画とビジュアルエフェクト(VFX)は切っても切れない仲になっており、視聴者が想像する以上に映像中のさまざまなものがコンピューターで生成されています。VFXに慣れてしまった現代では「これもきっとCGだろう」と考えられがちですが、映画「ターミネーター2」では一見CGにしか見えない映像が実はCGではなく実写だったことが明らかになっています。

Those Bullet Effects In Terminator 2 Weren’t CGI | Hackaday
https://hackaday.com/2021/11/14/those-bullet-effects-in-terminator-2-werent-cgi/

ターミネーター2の中で、ロバート・パトリック氏が演じるT-1000には銃がきかないという設定があります。そして銃で撃たれた時、液体金属でできたT-1000の体の上では金属が損傷を受けたような独特の弾痕が発生しました。

以下の動画の40秒あたりから銃撃戦が始まり、T-1000が撃たれた際の損傷を見ることができます。

Terminator 2: Judgment Day – T-1000 Best Scenes – YouTube
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ハリウッド映画のVFXについてのオンラインコースを提供する「Stan Winston School」のInstagramアカウントは、この効果が実はCGではないことを明かしています。

Stan Winston Schoolは、その名の通り、ハリウッドで数多くの特殊メイクを手がけ、ターミネーター2で第64回アカデミー賞の視覚効果賞とメイクアップ賞を受賞したスタン・ウィンストン氏の名前を冠するスクール。ウィンストン氏は2008年に死去していますが、Stan Winston Schoolはウィンストン氏をはじめとするトップアーティストの技術を多く配信しています。

Stan Winston SchoolのInstagramアカウントによると、ウィンストン氏らのチームはT-1000が弾丸を受けた時にどのような効果が発生するかを突き止めるため、まず「泥を銃で撃ちどのようなインパクトが生まれるか」を入念に調査したとのこと。そして、弾痕の形を再現し、鋳型を作ってゴムを流し込み、最終的にゴム製の弾痕を「真空メタライジング」と呼ばれる方法で薄く金属加工しました。真空メタライジングは電気めっきに似た加工法ですが、「加工対象の物体が通電性を持つようにコーティングする」というプロセスが不要である点がポイントだそうです。

さまざまな形状やサイズの「金属加工されたゴム製弾痕」が作成されたのちに、弾痕は容器の中に圧縮され、胸当ての下に収納されました。それぞれの容器はピンとケーブルで封がされた状態で、弾丸が撃たれるタイミングでリモートでケーブルが引っ張られると、ピンが外れるようになっていました。この仕組みにより、液体金属の体が撃たれた時の「金属が破裂し弾痕が残る」という効果を生み出したそうです。

ゴム製弾痕の実物は残ってないそうですが、Stan Winston SchoolのInstagramアカウントは、当時のメイキング映像を公開しています。


まだ何の銃撃も受けていない状態のT-1000。


腹部で金属のようなものがパッと膨らみ……


お椀のように開いた状態に。サイズの小さな弾痕も胸のあたりについていきます。


さらにクローズアップで。まだ胸部には何もありません。


銃撃効果とともに、花のように弾痕が開きます。


完全にぽっかりと穴が空いた状態。


弾痕がついた後に、T-1000は衝撃を受けたかのようによろめきました。


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