【年末調整】「生命保険料控除証明書」を紛失してしまったら…ネットや電話で再発行してみた手順を紹介 2021年(令和3年分)年末調整の書き方<番外編>

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「生命保険料控除証明書」を紛失してしまったら…ネットや電話で再発行してみた手順を紹介

 サラリーマンの秋~年末の風物詩、「年末調整」がピークを迎える時期だ。今シーズンは3枚の申告書の書き方を3つの記事に分けて紹介してきた。

 この記事は番外編として、生命保険会社から送られてくる保険料控除の証明書を紛失した際に、どうやって再発行=リカバリーをするかを紹介したい。実際に筆者は知り合いから証明書の再発行をした話を聞いたことはない。今まさに直面している人は100人に1人、1000人に1人かもしれないが、誰しもいつかその日が来るかもしれない。普通に郵送で再発行を依頼すると2~7日ほどかかるが、控除証明書を保険会社のウェブサイトからダウンロードすれば30分ほどで再発行が完了する。ただし、サイトにアクセスするためのID・パスワード、登録番号など必要情報が各社異なるため、事前に準備しておかないとダウンロードができない。備えあれば憂いなし。「今日が提出期限、でも控除証明書がない」ときに役立つ情報として、年末調整を提出した人もご一読いただきたい。

控除証明書を紛失……まずは他の控除証明書でリカバリー

 年末調整の提出時期は、企業により10月下旬から12月上旬と差がある。生命保険の控除証明書は10月前半に届くことが多く、年末調整が10月下旬の人は証明書を受け取ってすぐ提出となるが、12月に提出する人は2カ月後となるため紛失する人がいるかもしれない。さてどうする。

 生命保険は契約した時期で「旧制度」「新制度」に分かれている。さらに旧制度は「一般生命保険」(医療保険を含む)と「個人年金保険」の2種類、新制度は「一般生命保険」「個人年金保険」に「介護医療保険」を加えた3種類で、新旧合わせて5種類に分類されている。

生命保険料控除の新制度・旧制度の計5種類の分類

生命保険は「旧制度」「新制度」があり、旧制度は「一般生命保険」「個人年金保険」、新制度は「一般生命保険」「介護医療保険」「個人年金保険」、計5つに分類されている

 もし複数の生命保険に加入している人は、手元に残っている控除証明書が紛失した控除証明書と同じ分類であれば再発行しなくてもリカバリーができるかもしれない。一般、介護医療など同じ分類の控除の合計額が、旧制度なら10万円、新制度なら8万円にならないかを確認しよう。

 例えば新制度の一般生命保険料控除の証明書が支払額8万円を超えているので、毎年その1枚を使用して年末調整をしていたとしよう。その控除証明書が見あたらない場合、子どもの学資保険の支払い額が8万円を超えていれば、それを使用することで控除額は同じとなる。同じ分類であれば3万円と6万円の控除証明書を合算してもよい。

控除証明書を再発行する方法は4つ

 他の保険でリカバリーができない場合は控除証明書の再発行の手続きが必要となる。「○○保険 生命保険料控除証明書 再発行」と検索すると各保険会社の再発行ページが表示される。実際に再発行するには、その保険会社に加入している必要があるため、今回は筆者が加入している第一生命、ソニー生命、アフラック生命の3社の再発行を試してみた(※2021年11月現在の情報で、各社の方式が変更される可能性あり)。他の保険会社も概ね似たような方法で再発行ができると思われる。

 再発行の方法は大きく分けると「電話」と「インターネット」の2つ。電話は「コールセンターのオペレーターにつなぐ方法」と「自動音声を利用する方法」がある。インターネットも「郵送で再発行する方法」と「電子データをダウンロードする方法」があり、多くの保険会社がこれら4つの選択肢を用意していると思われる。

 再発行に“あった方がいい”のは証券番号。インターネットの手続きは保険会社によってやや異なり、ID・パスワード、ウェブサービス登録番号などが必要となるケースがある。手元に保険会社のインターネットの手続きに必要な情報があれば30分で控除証明書の再発行が完了するが、それが分からないと郵送されるのを待つこととなる。

証券番号はどこに記載されている?

 “あった方がいい”証券番号は保険料控除証明書に記載されている。「ってそれがないから困っているんですけど」……そのとおりだ。他に証券番号が記載されているのは、保険に加入した際に受け取った「保険証券」。正直、他の郵便物に紛れて見あたらないかもしれない控除証明書より保険証券は見つけるのが困難かもしれない。ちなみに筆者の一番古い生命保険契約は1987年=34年前だ。どこかにあると思うが、探そうと思ったことはない。

証券番号は控除証明書に記載されている。先々紛失が懸念される人はコピーを取って(撮って)おくといいかも。余談だが上が一番古い第一生命で1987年契約。下が一番新しいアフラックで、記事で使う新制度・介護医療保険用の証明書が欲しく2013年に契約した

 自力で証券番号を調べる最後の砦は、毎年送られてくる「契約内容のお知らせ」だ。筆者は3社の未開封の封書をすぐに見つけることができた。「毎年同じだから開封していない」というズボラな筆者のような人は少ないと思うが、保険会社によっては封書の中にインターネットで手続きする際に必要な情報が記載されているので、内容を毎年確認しなくても(確認しましょう)保存しておこう。

アフラックはアフラックメール、ソニー生命はSony Life Letter、第一生命はご契約内容のお知らせが毎年送られてくる

コールセンターのオペレーターに電話して再発行

 控除証明書が見あたらない、保険証券は記憶にない、毎年届く契約内容のお知らせは捨てた、よって証券番号を調べる方法がないという人はコールセンターに電話しよう。

 第一生命はコンタクトセンター、ソニー生命はカスタマーセンター、アフラック生命はコールセンター、いずれもフリーダイヤル0120で始まる番号が用意されている。

 各社のコールセンターに電話してみた。オペレーターに住所、名前、生年月日などを伝え本人確認ができれば、証券番号が分からなくても控除証明書の再発行が可能だ。基本は登録済みの住所への再送となるが、同時に住所変更をすれば現住所へ送付することもできる。もし登録の住所が実家で、東京などに住んでいる場合は保険会社→実家→現住所と郵送するよりは直送してもらうと早く入手できるし、住所変更しておけば来年以降は実家から転送する手間を省くこともできる。

自動音声による再発行依頼

 オペレーターとの通話は概ね夕方までとなるが、証券番号が分かる人は自動音声による再発行依頼が可能だ。第一生命とアフラック生命は24時間、ソニー生命は平日は9時~24時など遅い時間帯でも控除証明書の再発行を依頼することができるので、帰宅後に再発行依頼をすることも容易だ。実際に試してみると第一生命は電話番号と証券番号、アフラック生命は証券番号と生年月日、ソニー生命は証券番号、生年月日、電話番号、郵便番号をキー入力すると登録の住所へ発送してくれる。

インターネットによる控除証明書の再発行(郵送で受け取る)

 インターネットで控除証明書を再発行する方法は「郵送で受け取る」と「電子データをダウンロードする」の2つがある。これから3社それぞれの手順を紹介するが、他の保険会社に加入されている方は手順を見ても参考にならないと思われるので、雰囲気だけ感じていただければいいだろう。では、3社の郵送で受け取る手順から見ていこう。

第一生命

 証券番号を用意し、第一生命の生命保険料控除証明書の(再)発行のページを開く。「インターネットからお手続きされるお客さま」の「①郵送で控除証明書を受け取る」を見ると24時間受付で、翌営業日に発送と書かれている。[再発行のお手続きをする]をクリックし証券番号、氏名、生年月日、電話番号を入力し[送信]をクリック。確認画面が表示されるので[続行する]をクリックすると操作は完了となる。証券番号さえ分かっていればあっと言う間だ。

「生命保険料控除証明書の(再)発行」のページを開き、「インターネットからお手続きされるお客さま」「①郵送で控除証明書を受け取る」の[再発行のお手続きをする]をクリック

証券番号、氏名、生年月日、電話番号を入力し[送信]をクリック

確認画面が表示されたら[続行する]をクリック

インターネットによる控除証明書の再発行(電子データのダウンロード)

 これまで紹介したのは控除証明書の紙の再発行・郵送だ。これから紹介するのは電子データのダウンロード。郵送と異なるのは、サービス時間内であれば即データが入手できることだ。ログインする情報が準備できていれば、年末調整の提出日当日でも控除証明書の再発行が可能となる。

 ダウンロードした電子データは、お勤めの会社が対応していればデータのまま提出できるが、会社が非対応の場合は国税庁のサービスを利用してPDF化したものを印刷して提出する。実際に電子データに対応している企業はまだまだ少数派のようで、筆者の知り合いは全て紙での提出、ある経理担当者は「税理士さんに相談しないと分かりませんが紙の方が助かります」とのことだった。テレビCMなどでご存じの人も多いと思われるSmartHRでも控除証明書の電子データのインポートには未対応、現状は原本提出が必要のようだ。年末調整ではないが、e-Taxで確定申告をする人は申告時にこの電子データをオンラインで送信することが可能だ。

控除証明書等の電子的交付のイメージ(出展:国税庁「控除証明書等の電子的交付について」)

 3社とも電子データのダウンロードが利用できるデバイスはPCのみで、スマホ/タブレットではダウンロードできない。実際にスマホで操作するとダウンロードボタンが表示されないなどPCでの操作が必須となる。

スマホで控除証明書の再発行の操作はできるが……

ダウンロードはPCのみ。スマホではダウンロードボタンが表示されない

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