COP26 各地で大規模デモが展開 – BBCニュース

BLOGOS

PA Media

世界の気候変動対策を話し合うため国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)が開かれている英スコットランド・グラスゴーで6日、大勢が各国政府や産業界により積極的な行動を求めて行進した。主催者発表では参加者は約10万人。グラスゴーでの抗議行動としては過去最大級の規模となった。この日は世界各地で同様の抗議集会が開かれた。

「気候正義のための地球的行動の日」を掲げてこの日、イギリスのほかケニア、トルコ、フランス、ブラジル、オーストラリア、カナダなど約100カ国で、抗議行動が展開された。ロンドンではデモ隊がイングランド銀行から市内中心部のトラファルガー広場まで行進した。

著名な気候対策活動家グレタ・トゥーンベリさんもこの日、グラスゴーの行進に参加した。ウガンダ出身の気候正義活動家ヴァネッサ・ナカテさんは、政府や企業に「行動を求める」よう市民に呼び掛けた。

市内の緑地グラスゴー・グリーンで開かれた抗議集会では、世界各地の先住民代表が対策を呼び掛けた。北米や南米など各地の先住民の多くは、国連条約の締約国が集まるCOP26で正式な発言の機会を得られていない。

ウガンダの活動家ナカテさんは、「気候と生態系の危機はすでに起きているが、世界中の市民がそのために立ち上がっている。先頭に立って指導するだけの勇気を指導者が持ちあわせていることは、めったにない。だからこそ私や皆さんのような一般市民が立ち上がって、行動を強く求めなくてはならない。私たちが大人数になってまとまって声を上げれば、指導者たちはやっと動き出す」と話した。

トゥーンベリさんはすでに5日に若い活動家に向けて演説をしたため、この日は発言しなかったものと考えられている。トゥーンベリさんは5日、COP26は気候変動対策が不十分すぎるため、すでに失敗だと批判した。

集会とは別に、複数の科学者がお互いを鎖でつなぎ橋を封鎖しようとしたため、グラスゴー警察が21人を逮捕した。さらに、行進中に花火に火をつけた活動家グループの1人を逮捕したという。

ただしそれ以外は、「特にこれといった事案もなかった」と警察は述べた。

COP26に集まった各国代表はこれまでに、森林破壊の阻止、石炭利用やメタン排出の段階的な廃止などについて合意をまとめている。しかし、気候変動による最も甚大な自然災害や海面上昇などを食い止めるのに不可欠な、気温上昇の抑制につながるだけの取り決めにはまだ至っていない。

この日の抗議行動を主催した「COPコアリション」のアサド・レーマン広報担当は、「気候について何も行動しない各国政府を、気候正義に向けて突き動かす」ために各地で集会を開いたと説明。「今回のCOPほど参加しにくい気候サミットは初めてだ。あまりに大勢が会議に出席させてもらえなかったり、そもそも現地にたどりつけなかった。だからこそ今日はそういう人たちが各地で声を上げた」のだと述べた。

COP26の重要ポイント

  • 気候変動は地球が直面する最重要課題のひとつ:地球の温度がこれ以上大幅に上昇しないようにするには、各国政府は今まで以上に大胆にCO2などの温室効果ガスの排出を減らすと約束する必要がある
  • 大国の約束に注目:アメリカや中国など、世界でも特に大量の温室効果ガスを排出する各国が、何を約束するかが重要。同時に、環境破壊による被害が特に大きい発展途上国に、どのような支援が約束されるかにも注目が必要
  • 私たち全員の暮らしが変わるかもしれない:英グラスゴーで開かれているこの会議の結果、私たちの仕事、家の暖房や冷房の仕方、何を食べて、どのように移動するかなど、生活の様々な側面が変化するかもしれない

(英語記事 COP26: Thousands march for Glasgow’s biggest protest