責任回避のために第6波を警戒せよと言う愚かな学者と愚かなメディア

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愚かな学者と愚かなメディア

テレビを見ていると、ウイルスのゲノムの修復ができないので、ウイルスが死滅したとの馬鹿げた説が流されていた。ここまでおかしな説が出ると笑いたくなる。

yongyuan/iStock

感染した患者さんの体内では、億単位どころか、兆単位でウイルスが生み出されている。日々、万単位で感染陽性者がいると、ウイルスの総数は京単位、垓単位(10の20乗レベル)となる。そのウイルスが一気に核酸修復異常で消滅するのか?体内で情報交換して、連絡を取り合って一気に死滅するというのは、あまりにもリテラシーがなさすぎる。人の細胞と同じで分裂回数に限界があるなら別だが?

緊急事態宣言が解除されて1か月以上経っているが、専門家が言っていた人流が増えると感染が拡大する可能性は見事に外れた。ワクチン接種が進んでいない国でも、激減傾向は続いている。世間では抗体価だけが話題になっているが、細胞免疫はどうなのだ。

そして、米国では経口治療薬も承認となり、世の中が変わる。自分たちの責任回避のために第6波を警戒せよと言うが、どうして激減したのかの科学的検証もできずに、何ができるのだ。確かにデルタプラスには警戒が必要だが、感染者数が増えても、重症患者は少ない。デルタ2プラスや、さらなる変異株の出現の注視、そして水際対策が重要だが、日本はPCR検査、ウイルスゲノム解析などへの準備ができていない。経済対策はウイルスを抑え込んで初めて成功する。こんな愚かな国に誰がしたのか?

新庄・日本ハム新監督が言っていたが、彼が返ってきたのでコロナがなくなることを信じよう。


編集部より:この記事は、医学者、中村祐輔氏のブログ「中村祐輔のこれでいいのか日本の医療」2021年11月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。

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