急進的な主張する山本代表の限界 – 猪野 亨

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 れいわ新撰組が3議席を獲得、小選挙区での得票が足りず、比例区の1議席が公明党に行ってしまったということもあり、実質は4議席となりました。

 これを躍進と見ますか。社民党が厳しい結果となっていることと比較してみても大きな躍進ということになるのでしょうか。

 私は、以前かられいわ新撰組は自民党の批判票の受け皿にならないと主張してきました。

 その急進的な政策は確かに実現したらいいなと私個人は思いますが、しかし、それで多数派になるのは極めて困難なものです。

れいわ新撰組山本太郎さんは選挙協力の条件に消費税率5%に固執してはいけない 候補擁立も自重すべき

 大事なことはれいわ新撰組の「躍進」の原動力は自民党批判の受け皿ではなかったという点です。

 選挙結果

 今回、れいわ新撰組は比例区で200万票以上を獲得しましたが、これは決して自民党から来た票ではありません。

 おそらく以前は、共産党には投票できない、立憲民主党に投票してきた層だと思われます。

 単純化するとこのような感じです。

 2017年の立憲票1100万のうち200万がれいわに流れ、以前の希望の党の967万の中から200万が立憲に流れたという感じです。

 れいわ新撰組の存在が自民党批判票を掘り起こしたというものではなく、一部、急進的な層を集めただけのものです。そのため、このれいわ新撰組が多数派になることはありません。現在の国民の多くの声でもありません。しかし、急進的な主張により既存の急進票を集約することができます。だから山本代表は急進的なことばかりを繰り返すのです。一定の支持層を確保するためには極めて有効な手段ですが、最初から限界のあるやり方なので、れいわ新撰組がこれ以上に多くなることはありません。

 何よりも問題なのは小選挙区での野党票を分断しているのがれいわ新撰組だという懸念です。共産党も候補を下ろしているのにれいわが立てるという理由がありません。

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 以前より山本太郎氏、大量の候補を擁立するなどと脅しに使っていました。小選挙区での当選の可能性がないにもかかわらずです。ありうるとすれば山本代表だけですが、それなら1つの野党間の選択肢にはなります。しかし、東京8区の騒動は、れいわ新撰組、山本氏の支持者にとってはあのお騒がせも浮揚のための手段だったのでしょうが、迷惑な話です。結果として東京8区で吉田はるみさんが当選したことは結果オーライですが、やり方は乱暴に過ぎます。

 他方で立憲民主党もこのようなれいわ新撰組の存在も念頭に置き、さらには新自由主義(構造改革)の転換を口にしている岸田政権も念頭に置く必要があります。

 今の対抗軸では極めて弱い、ということを念頭においた上で有権者の理解を得ていく必要があります。

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