ガジェッティーにも程があるぞ…!フルキーボードを隠し持つスマホ「Astro Slide 5G Transformer」を触ってみた

GIZMODO

スマホはもう進化しつくした、なーんて思っていたら。

いましたよ、とんでもない進化を遂げようとしてるヤツが!

その名は「Astro Slide 5G Transformer」。従来のスマホ機能は全部載せで、もちろん5G対応。コンパクトながらもQWERTYキーボードが格納されており、ご覧のとおりワンアクションでサッと開けられます。しかもAndroid 11 OSとLinuxをデュアルインストールしていろいろ自分好みにカスタマイズできちゃうという、ハード面でもソフト面でも変態さ際立つスマホなのです…!

Astro Slide 5G Transformerのプロトタイプを両手に持ってニッコリのヤンコ博士

「Astro Slide 5G Transformer」はアメリカのクラウドファンディングサイト「Indiegogo」に続き、ただいま日本の「Makuake」でも絶賛資金調達中。

Astro Slideの生みの親であるPlanet Computers社のCEO・ヤンコ博士(Dr. Janko Mrsic-Flogel)にその魅力をアツく語っていただきました!

パソコンがわりになるスマホ

まずは気になるスペックを見ていきましょう。

サイズは高さ172.4mm×幅76.5mm×厚さ17.8mmで、重量は約300g。

比較対象としてわかりやすいのはiPhone 13 Pro Max(高さ160.8mm×幅78.1mm×厚さ7.65mm、重量238g)でしょうか。キーボードの分だけ厚さと重量が増しているので、スマホ界では確実にデカい部類に入ると思います。

持つとこんなかんじ。片手だとちょい重めだけど、サイズ的には違和感ないですね。

6.39インチAMOLED(有機EL)タッチスクリーンは、解像度2340×1080でゴリラガラス3。鮮明でキレイです。

Planet Computers社がこれ以前に開発してきたGEMINI PDACosmo Communicatorはランドスケープモード(横長表示)にのみ対応していましたが、今回のAstro Slideはポートレートモード(縦長表示)でも使えるようになりました。しかも、設定すればボタンひとつで縦横をシームレスに切り替えができちゃうという便利さ!(スマートボタン機能で設定できて、ほかのオプションは上画像に写っています)。

キーボードはスクリーンの下に格納されています。慣れないうちは落下を防ぐために、テーブルの上などで両手を使って開けることがオススメだそうです。

Planet Computers社独自の「Rock Upテクノロジー」がスクリーンを見やすい角度に固定。

こうなるともうまるで小さなパソコンです。

スクリーンをスライドさせている最中の「ジャッ」、最後に磁石で固定するときの「カション!」という音がいかにもガジェッティーで満足度高い…!

「スマホはタイピングしづらい」というこれまでの概念を覆すフルメカニカルキーボードは、ちっさいながらも両手を使ってタイピングできます。慣れてしまえばわざわざノートパソコンを持ち歩かずとも、出先で長文メールを打ったり、なんなら急ぎの文書作成なんかもちゃっちゃとこなせるレベルです。

キーボードはかなキーを含む全24種類のレイアウトから選択可能になるそうで、お好みに合わせたキーボードマッピングも自在とのこと。

極めつけはこれ、キーボードのバックライト。実際に部屋を真っ暗にしても余裕でタイピングできる明るさでした。会議中のメモ取りなんかにも便利そうですし、いつでもどこでも使える仕様になっているのだなあと納得させられましたよ。

スマホに欲しい機能全部載せ

タッチスクリーンとキーボード以外についてもご紹介。

ソニー製の48メガピクセルカメラをメインに、13メガピクセルのインカメも搭載しています。

NFC対応で10WのQiワイヤレス充電も可能。ステレオスピーカー、マイク、3.5mmオーディオジャック、USB-Cポートはふたつ付いています(1つは映像出力に特化)。

指紋認証ボタンで即時にロック解除できるほかにも、「スマートボタン」というユーザーの好みに操作をカスタマイズできる物理的なボタンも。これ、実はユーザーの声を反映して開発したものだそうで、「クリック」、「ダブルクリック」、「ロングクリック」の三つのアクションに対して様々な機能を割り振れるそう。

たとえばですが、スクリーンをワンタッチでポートレートモードからランドスケープモードに瞬時に切り替えたり、スクリーンショットを撮ったり、任意のアプリを起動したり、起動中のアプリの中をサイクルしたりと、なにかと自分好みにカスタマイズできちゃうそうなんですね。

ハードウェアに関しては、8コアのMediaTekのDimensity 800チップを搭載しており、最高速度は下り2.39GB/s。 8GM RAM、128GBメモリの他にもマイクロSDカードのスロットがあるのはめちゃ便利。

上の画像でもお分かりのように、ながーーーいSIMカードトレーにnanoSIMカード2枚、内部にeSIM1枚の合計3枚が収まる仕様となっています(SIMの同時使用はeSIM含めて2枚まで、ただしどのeSIMを使うかは専用アプリで管理/切り替えできます)。

Linuxのデュアルインストールもできますよ

ここからは腕に覚えのある方々の領域になりますが、Linuxシステムを導入することも可能です。

パソコンと同じようにストレージをパーティションすれば、Kali、Debian、Ubuntuなどの代表的なLinuxディストリビューションを導入し、SailfishやPostmarketなどのモバイルOSを走らせることもできます。

ギークを唸らせた秀逸カスタムアプリとは?

プライバシー重視の観点から、Planet Computers社が独自で開発したアプリも提供されています。

たとえば「Backup」は、Googleのクラウド上に情報を上げることなく自分でスマホの中身をバックアップできるそう。Gemini PDAかCosmo CommunicatorからAstro Slideに乗り換える時も、簡単に情報を移し替えられるわけですね。

そのほかも、SNSのタイムラインみたいなレイアウトになっているメールアプリ「AirMail」や、ガントチャートな表示もできるカレンダーアプリ「Agenda」(ギズモード編集部のリチャードも悶絶!)、Spotlightライクなスマホ丸ごと検索エンジン「OneSearch」などなど、ギークなココロをくすぐるカスタムアプリ満載です。

ついキーボードに目を奪われてしまいがちですけど、Astro Slide 5G Transformerは中身までとってもユニークでした。(ちなみにキーボードをリマッピングするためのアプリ「Mapper」もあることをさらっと言われてリチャードが吹いていました)。

「とにかく使いやすいデバイスを作りたい」

そもそもPlanet Computers社がキーボード付きスマホにこだわる理由は?

CEOのヤンコ博士曰く、

仕事をするためにいちいちノートパソコンを持ち歩かなくてはならないのが苦でした。もっと効率の良いコミュニケーションツールはないものかと、タイピングしやすく、ポケットに収まるスマホを求めていました。

以前はPsion Series 3、NOKIA Communicator、Erikssonなど、キーボード付きのデバイスがいろいろありましたよね。しかし、iPhoneが登場して以来、タッチスクリーンスマホがどんどん主流になってきました。そこで、自分たちで作ってしまおう!と。

ヤンコ博士が仲間たちとPlanet Computers社を立ち上げたのが2016年。翌年Indiegogoにてローンチした「Gemini PDA」は、スマホというよりは電話機能を備えたポケットサイズコンピューターでした。それから4年かけて開発された「Astro Slide」は、まさにコンピューター同様の機能を備えたスマートフォンに進化しつつあります。

リチャードも悶絶するほど魅力満載なAstro Slide 5G Transformer。お値段と発売予定日ですが、クラウドファンディングサイトで随時発表されるので気になる方はこちらを要チェックです!

Reference: Planet Computers, Indiegogo
Images: 山田ちとら

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