【中銀カプセルタワービルの中の人】中銀一カオスなカプセルを持つコスプレDJの声さん

ロケットニュース24

中銀カプセルタワービル。建築家・黒川紀章が設計したその独特な建物に、虜になる国内外ファンは後を絶たない。来年には解体予定という哀しい現実のなか、私は個性溢れるカプセル住民の方々と交流を続けながら、今なお住み続けている

「中銀カプセルタワービルの中の人」第2弾は、第1弾のセカンドオフィスとうってかわって趣味の部屋に振り切っているコスプレDJの声さん「中銀カプセルのカオス」と私は呼んでいるその部屋と、魅力溢れる声さんを是非とも紹介したい。

声さんは広島出身の1979年生まれ。大阪美術専門学校卒業後にまんだらけ梅田店に入り、コスプレで社員になり、東京本社に転勤。ロフトプラスワン、ブティック竹の子などを経てフリーへ。現在、2児の母親でコスプレでアニソンDJをしている。

・レゴでできた中銀カプセルタワービルとの再会

中銀カプセルタワービルとの出会いは上京したての2001年。高速道路の車から見て衝撃を受けるが、場所も名前もわからないまま時は過ぎ、2018年5月名古屋のレゴランドにてレゴでできた中銀カプセルタワービルとの再会を果たす。

「あの建物だ!」とすぐにネットで検索。すると賃貸と分譲が1部屋ずつあり、即座に購入を検討。分譲の購入手前までいったが、契約書を交わす寸前に地主が建物の老朽化を理由にカプセルの売買を禁止したため、購入できなくなってしまう。悲しみに暮れていたところ、保存・再生プロジェクトの前田さんにマンスリーでの賃貸があると勧められ、カプセルを借り始める。

・読書部屋の第1カプセル

2019年2月から最初に借りたのは、オープンリールや壁面収納がついている施工当初の名残があるカプセル。ベッドもあったので、時々子供たちと一緒にお泊まりをしたり、育児の合間に来て読書をしていた。

・飲み部屋の第2のカプセル

2019年5月からは、クラウドファンディングのリターンで借りた2番目のカプセルへ。ベッドや収納がなく広かったので、友達を呼び飲み会などをしていたが、大きな雨漏りをするようになり、他の部屋が空くのを待つことに。

・趣味部屋の第3のカプセル

2019年10月から現在のカプセルを賃貸。1番上に位置していることで屋根の修理ができ、雨漏りを完全に防止できたため、趣味のターンテーブルを持ち込みDJの練習をはじめた。まもなく2年目となる。

・カプセルからのDJ配信

自宅やイベントではDJをしていた声さん。カプセルで始めたのは現カプセルから。アニメ・特撮の曲が主で、7インチのレコードを買い揃えたらどんどん増えていき、今やカプセルはレコードの宝庫。練習風景をツイキャスでライブ配信することで、中銀カプセルタワービルの中側から発信ができ、アニソン好きの人とつながることができたのもこのカプセルのおかげ。

・3タイプのカプセルを体験

当初の目的である購入はできなかったが、結果的にはマンスリーで3タイプのカプセルを体験することができた声さん。ただ家族もいるので、住むことができなかったのが残念とのこと。

声「一人暮らしだったらがっつり住んで、どんな不便でも体験したかったけど、行ったり来たりの生活にはなるので、そこはちゃんと住めてる人が羨ましい」

・カプセルに捧ぐ愛

中銀カプセルタワービルの刺繍入りの特攻服や、カプセル柄のセーターを作るほどカプセル愛が強力すぎる声さん。来年頭の解体予定について胸の内を聞いてみた。

声「カプセルがなくなってしまうのは、淋しすぎてまだイメージできない。ただ中銀カプセルタワービルがそのままの形で存続できなかったとしても、カプセルを取り外して違う場所に移動したり、新たな形のメタボリズムとなって生き続けることをカプセルファンとして追いかけ続けたい

声さんなら本当に何処までも追っていくだろう。ちなみに声さんは中銀カプセルタワービルでの記録を、写真を中心にまとめたZINEを今年の4月に発売している。その名も「中銀カプセルタワービルデイズ1」。全3巻の予定で、現在2巻目を絶賛編集中。都内の書店やネットで購入することができるので、気になる方は是非チェックして欲しい。


参考リンク:コスプレ声さんのTwitterアカウント @cosplaykoechan
執筆:千絵ノムラ
Photo:RocketNews24.

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