【衝撃】『タラモサラダ』は「タラコとイモでタラモ」じゃなかった! ギリシャで本物の『タラモ』を食べてみたけど全然違ったァァ!!

ロケットニュース24

日本ではいつ頃から『タラモサラダ』が認知され始めたんだっけ? 記憶が定かじゃないが、少なくとも私が子供の頃はそんなのなかった。ってことは、ここ20年くらいの間で広まったと考えていいだろう。

タラコとジャガイモを混ぜて作るタラモサラダ。つまり「 “タラコ” と “イモ” でタラモ」と思っている人も多いはず……ズバリ私がそうである。しかしながらネットで “ギリシャ料理” と検索すると、すぐに『タラモサラダ』がヒットするではないか。

タラコは日本固有の食材であり、ギリシャで広く食べられているとは到底考えられない。これは一体どういうワケなのか……?

・ギリシャのスーパーへ

そんなわけでギリシャへ到着した私はさっそく近所のスーパーへ。『AB Βασιλόπουλος』はギリシャ国内に広く展開するチェーン店。「エービー」ではなく「アルファヴィータ」と読むらしい。ギリシャ語って本当に難解……。

さて今回のタラモサラダ問題、タネを明かせばギリシャには元々「タラモ」という食材が存在しているのだそうだ。それを日本人が勝手にタラコで代用し、あまつさえ「 “タラコ” と “イモ” でタラモ」みたいな雰囲気を出している……というのが真相なのである。

日本人がカリフォルニアロールを一生バカにできなくなったことは置いておいて、本場のタラモサラダと日本のタラモサラダがあまりにもかけ離れていた場合、ギリシャの方々に申し訳なくなってしまう。本場のタラモサラダをリスペクトしていてくれることを願いたい。

恐る恐る店員さんに「タラモはあるか」と尋ねると、『タラモサラダの完成品』が売られていると教えてくれた。450グラム入りで価格は400円ほど。やはりギリシャの方々は日常的にタラモサラダを食べておられるのだな。

「 “タラモそのもの” はないのか」とも尋ねてみると、「タラモサラダをイチから作るのは大変だ。あなたには難しいと思う」と店員さん。「それでもタラモがほしい」と食い下がったところ、なんとタラモサラダの作り方を英語で解説してくれたぞ。優しすぎるだろギリシャの人!


・全然違ったタラモサラダ

店員さんによれば本場のタラモサラダは、まずパンをミキサーでペースト状にする。そこへタラモや調味料を混ぜ合わせて作る……とのことだ。

日本ではパンをミキサーにかける習慣がないため、イモで代用するレシピを考案したのだろう。

パック入りのタラモサラダは鮮やかなピンク色。ちなみにレストランで出されたタラモサラダはクリーム色をしており、こちらは着色されていると思われる。


あ、おいしい!!


ほのかな生臭さがとてもタラコっぽく、ほどよい酸味がアクセントをきかせている。もっとクセのある味を想像していたが、何のことはない。コリャただの「タラコマヨクリーム」だな。苦手な日本人はあまりいないだろう。


・気になる「タラモ」の正体

スーパーの店員さんいわく「タラモそのもの」を食べる習慣はあまりないようだが、せっかくなのでそのまま食べてみる。

ちなみにタラモはコイやボラの卵を塩漬けにしたもの。

イカの塩辛みたいな匂いを発しているが、お味はどうか……


強烈にショッパい!!!


けどクセになりそう!!!


味は例えるまでもなく『カラスミ』に似ており、とても濃厚かつパンチが効いている。大量には食べられないが、酒のツマミとしてチビチビ舐めるには最高だ。価格も1つ300円ほどと高くなく、タラコよりコスパがいいと言える。


・タラモパスタ作ってみた

しかし酒のツマミとして消費するには数週間かかりそうなので、自己流でアレンジしてみることにした。

バターとタラモを混ぜるだけのお手軽『タラモパスタ』である。

おおぉぉぉ!!!! うまい! 言われなければ気づかないほどタラコパスタに近いぞ! あとは醤油でもあれば完全に「和」。

なんとなく予想はできたが『タラモサラダパスタ』も相当おいしい。こちらは完全にタラコクリームパスタって感じだ。ペースト状のパンにこれほどクリーミーな味わいがあったとは全然知らなかった。日本に帰ったらミキサーを購入しようっと。


結論として日本のタラモサラダは、本物のタラモサラダにかなり近かった。本記事は当初「外国の食文化を勝手に大胆アレンジした日本人、いかがなものか」というテンションで執筆を開始したのだが、最終的に私は「逆に日本のタラモサラダの健闘を称えたい」という気持ちになっている。

考えようによっちゃあ、タラモもタラコも流通していない国の人は永遠にこの味を知ることがないワケで……代用品とはいえ、我々日本人はいつでもタラモサラダを食べることができる。タラモサラダのタラコアレンジを発明した人よ、あなたは素晴らしい。本当にありがとう!

執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.

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