「越後屋、おぬしも悪よのぅ」「いえいえ、お代官様ほどでは…」「いーっひっひっひ」
最近ではめっきり聞かなくなった……いや実際には一度も聞いたことがないが、強烈に「知っている」感がある悪代官と悪徳商人の悪だくみシーン。欠かせない小道具といえば「山吹色のお菓子」こと賄賂(わいろ)である。
そんな犯罪アイテムをカプセルトイ化した「山吹色のお菓子マスコット」に、なんと第4弾が登場! どれだけ人気なんだ。
・「山吹色のお菓子マスコット4」(300円)
まずはお代官様、ほんの気持ちですが、市中で話題の銘菓「華最中(もなか)」でございます。甘味がお好きだとお聞きしましてな……。
むむ、最中(もなか)は大好物じゃ。見事な菊の文様であるな。風流である。
はて、このスキマは……
ピカーッ!
なるほど、なるほど。なんとも旨そうな菓子である。この礼はいつかしよう。しかし越後屋、おぬしも悪よのぅ……
なんの邪気もない手土産に見せかけて、実は自分に便宜を図ってもらうための賄賂(わいろ)! 小判の黄金色が「山吹色のお菓子」の語源だという。
似た言葉に「袖の下」があるが、やはり和装の時代に、人目を忍んで袖の下から出したり隠したりしたことが由来だとか。そんなに汚職が根づいているのか、日本……! しかもどうやら、時代劇の世界の話とは限らないようだ。
こちらの「大福」にいたっては……
祝い事に贈られる、よくある縁起物の紅白大福かと思いきや
札束であるー!!
「就任祝いの菓子かと思ったら……」ってどこかで聞いたな。汚職、ダメ、ゼッタイ。
実物にお目にかかる機会はあまりないが、札束って意外に薄い。これだけの厚みだと400万はありそうだ。菓子箱ひとつで1000万円以上……!
札束には帯封(おびふう)が巻いてあり、側面には紙の重なりを示すスジがあるなど芸が細かいが、やはり小判のインパクトにはかなわない。ガチャを回すなら、ぜひ小判バージョンを狙っていただきたい! 重みのある素材で、輝きっぷりも申し分ない。
今回の第4弾は「ようかん」「もなか」「まんじゅう」「だいふく」「きんつば」の全5種。中身は小判と紙幣の2パターンに分かれる。
お菓子部分はミニチュアではなくプリントなのが少し残念だが、その分 実在のお菓子のようでリアルに見える。
過去シリーズには千両箱タイプや、カモフラージュ用(?)のお歳暮風ジュースもあったという。第4弾にはない「どらやき」「焼きまんじゅう」「抹茶大福」などなど、たくさん集めたら和菓子屋を開けそう。
日本の繊細な食文化の極み「和菓子」と、ちょっとした用件でも手土産を包んで訪問するという心配り……そこにさりげなく金銭を隠すという、奥ゆかしいんだか、あくどいんだかよくわからない習慣だが、まさか第5弾もあるんじゃなかろうな。
次はぜひシークレットで風呂敷を入れたり、重箱バージョンを作るというのはいかがだろう? 全国の悪代官待望である。
執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.