ドコモとUR都市機構、団地内をロボットが自動配送–スマート技術活用の実証実験

CNET Japan

 NTTドコモとUR都市機構は10月22日、横浜市金沢区の金沢シーサイドタウン並木一丁目第二団地において、自動配送、遠隔操作ロボットを活用した配送実証実験を実施すると発表した。

自動配送ロボットのイメージ
自動配送ロボットのイメージ

 実証実験期間は10月27〜28日。将来的にUR賃貸住宅から離れた商店での買い物が必要になるシーンを想定し、人々が実際に生活する団地空間において、自動配送ロボットが日用品などの商品を、団地入口から住棟まで配達し、UR賃貸住宅に住む人のロボットに対するニーズ、機能、安全面などを確認する。

 実証実験では、ロボットの自律走行、遠隔監視、操作のために、通信手段として5G(5Gエリア外はLTE)を利用。5Gの低遅延、高セキュリティを図る「ドコモオープンイノベーションクラウド」による伝送と、誤差数センチメートルの位置補正情報を提供する「docomo IoT高精度GNSS位置情報サービス」により、ロボットの高精度な自律走行を可能としている。

 運行管理者向けの機能として、自動配送ロボットの遠隔監視、操作のために、映像や操作信号の伝送、映像のエッジ処理(モザイク処理)、映像データからロボットの自律制御が可能な「エッジAI対応5Gデバイス」を活用。さらに、オンデマンド型公共交通システム「AI運行バス」の基盤を活用し、住民のリクエストに応じて自動配送ロボットを配車する。

 ユーザー向けの機能として、荷物受け渡し時の本人確認のために、ドコモ画像認識プラットフォームに搭載されたAI顔認証「SAFR」を活用。荷物受け渡し時のコミュニケーションの見える化として、配送案内や到着案内を音声で行う際に、通話相手の音声をリアルタイムで文字に変換する「みえる電話」を活用する。

 自動配送、遠隔操作ロボットは、テムザック製の屋外用の電動車いす「RODEM(ロデム)」をベース車体として、安全走行に必要な自律制御機能や遠隔地からの監視機能などを新たに備えたもの。荷物の配送に使用しない時間は人の移動にも利用できるよう、人の移動モードと配送モードの切り替え(換装)が可能だ。

人の移動モード
人の移動モード
配送モード
配送モード

 今回の実証実験は、2020年12月8日にドコモとUR都市機構が開始した、UR賃貸住宅におけるスマート技術の実装化に向けた共同研究の中の取り組みの一つ。本共同研究を進めるにあたり、共同研究実証フィールドに5Gの通信環境を整備し、5Gを利用したWi-Fiによる通信環境を団地屋外に構築している。

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