【光Ethernetの歴史と発展】400・200Gb/sのサポートなど、2021年7月ミーティングへの投票は可決が多数【ネット新技術】

INTERNET Watch

 Ethernetというか10GBASE-Tに関しては、2017年から【10GBASE-T、ついに普及?】と題し、全11回と番外編2回をお届けした。だが、ツイストペアによる銅配線のEthernetは10GBASE-Tまでで、25/64GBASE-Tはまだまだ実用化には至っていない。

 【アクセス回線10Gbpsへの道】とも一部は被るかもしれないが、ここでは光ファイバーを利用する“光Ethernet”を紹介していこう。

「光Ethernetの歴史と発展」記事一覧

可決が多数を占めた2021年7月ミーティングへの投票結果

 2021年7月のミーティングでは、ほかにも「200GEL(200G Electrical Lane)」のCopper Cableや、200G per LaneのKR/CRの電気的特性などの提案も行われたが、こちらは光Ethernetとは関係ないので今回は割愛したい。

 そこで、8月のミーティングに話を移す前に、7月ミーティングの投票結果について紹介していきたい。

【Straw Poll #1】以下の各項目を支持するか?

  1. 200Gb/sのMAC層をサポート
  2. Chip-to-ChipおよびChip-to-Module向けに1レーンで200Gbのアタッチメントユニットをオプションでサポート
  3. 1対のSMFで到達距離500m以上の、200Gb/sの物理層をサポート
  4. 1対のSMFで到達距離2km以上の、200Gb/sの物理層をサポート
  • Yes:98票
  • No:3票
  • もっと情報が必要:5票
  • 棄権:10票

【Straw Poll #2】以下の各項目を支持するか?

  1. 400Gb/sのMAC層をサポート
  2. Chip-to-ChipおよびChip-to-Module向けに2レーンで200Gbのアタッチメントユニットをオプションでサポート
  3. 1対のSMFで到達距離500m以上の、200Gb/sの物理層をサポート
  • Yes:88票
  • No:4票
  • もっと情報が必要:7票
  • 棄権:7票

【Straw Poll #3】Chip-to-ChipおよびChip-to-Module向けに、16レーンで1.6Tb/sのオプションを追加すべきか

  • Yes:83票
  • No:4票
  • もっと情報が必要:8票
  • 棄権:16票

【Straw Poll #4】800Gb/sのCRについて

1)8対の2軸ケーブルで2mの到達距離をサポートすべきか

  • Yes:44票
  • No:3票
  • もっと情報が必要:13票
  • 棄権:9票

2)4対の2軸ケーブルで1mの到達距離をサポートすべきか

  • Yes:33票
  • No:7票
  • もっと情報が必要:21票
  • 棄権:8票

【Straw Poll #5】200Gb/s・400Gb/s・1.6Tb/sのCRについて

1)1.6Tb/sを8対の2軸ケーブルで1mの到達距離でサポートすべきか。

  • Yes:33票
  • No:10票
  • もっと情報が必要:21票
  • 棄権:9票

2)200Gb/sを1対の2軸ケーブルで1mの到達距離でサポートすべきか。

  • Yes:33票
  • No:8票
  • もっと情報が必要:23票
  • 棄権:9票

3)400Gb/sを1対の2軸ケーブルで1mの到達距離でサポートすべきか。

  • Yes:33票
  • No:10票
  • もっと情報が必要:21票
  • 棄権:9票

【Motion #1】IEEE 802.3 Working Group は、IEEE 802.3 Beyond 400 Gb/s Ethernet Study Groupの再結成を要請

  • 参加者の返事で可決

【Motion #2】以下の項目を仕様として含める(75%)

  1. 200Gb/sのMAC層をサポート
  2. Chip-to-ChipおよびChip-to-Module向けに1レーンで200Gbのアタッチメントユニットをオプションでサポート
  3. 1対のSMFで到達距離500m以上の、200Gb/sの物理層をサポート
  4. 1対のSMFで到達距離2km以上の、200Gb/sの物理層をサポート
  • 賛成:106票
  • 反対:4票
  • 棄権:5票
  • →動議は可決

【Motion #3】以下の項目を仕様として含める(75%)

  1. 400Gb/sのMAC層をサポート
  2. Chip-to-ChipおよびChip-to-Module向けに2レーンで200Gbのアタッチメントユニットをオプションでサポート
  3. 1対のSMFで到達距離500m以上の、200Gb/sの物理層をサポート
  • 賛成:92票
  • 反対:2票
  • 棄権:8票
  • →動議は可決

【Motion #4】Chip-to-ChipおよびChip-to-Module向けに16レーンで1.6Tb/sのオプションを追加すべきか(75%)

  • 全員参加で可決

【Motion #5】OIFおよびITU-T向けのIEEE P802.3cwの提示するドラフトに関してのコメントは、議長に編集権限を付けて一任することを決議

  • 全員参加で可決

 Motion #1と#5には少し説明が必要だろう。この2つは、Study Groupでの検討内容には直接には無関係な話である。

 Motion #1は、OIFおよびITF-Uから1つずつリエゾンが来ており、これへの返答を議長らが作成、メンバーに開示している。これに異論があればメンバーから異議を申し立てられるがどうか? という問いかけであり、全メンバーとも特に異論もなく、議長らの作成した返答を承認したという話である。

 Motion #5は、IEEE P802.3cw 400 Gb/s over DWDM Systems Task Forceが、OIFおよびITU-T向けにリアゾン(or リアゾンの返事:どちらかは判別できず)を発行するにあたり、関連規格であるこのStudy Groupもコメントが必要になっているようで、そのコメントを行う権限を議長に一任する、という動議であり、こちらも全員賛成で可決している。

 実を言えば、このIEEE P802.3cw Task ForceはIEEE P802.3ct Task Forceと統合しているのだが、これらの議長はBeyond 400G Study Groupと同じHuaweiのJohn D’Ambrosiaであり、その意味では図らずしも連動しているというべきか。ただ、一応両者は別の組織なので、一応きちんと分けることにしたという話である。

 それにしても、Straw Poll #1→Motion #2、Straw Poll #2→Motion #3、Straw Poll #3→Motion #4がそのまま全部通過しているのが興味深い。さすがにStraw Pall #4/#5はまだ反対ないし様子見、というメンバーが多数ということもあって、Motionには至っていないようだ。これらは8月以降のミーティングでの課題となった格好だ。

「10GBASE-T、ついに普及へ?」記事一覧

【アクセス回線10Gbpsへの道】記事一覧

Source

タイトルとURLをコピーしました