AppleがEpic Gamesとの訴訟の判決を不服として控訴、App Storeでサードパーティーの支払いが利用できるタイミングが遅れる可能性

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AppleはEpic Gamesとの訴訟で、「App Storeで提供するアプリにおいて、Appleが提供する支払オプション以外のものも認めるように」という判決を受けました。この判決を不服として、Appleが控訴したことが明らかになっています。

Apple appeals ruling in Epic Games case regarding App Store payments – 9to5Mac
https://9to5mac.com/2021/10/08/apple-appeals-ruling-in-epic-games-case-and-app-store-changes-could-be-delayed/

人気バトルロイヤルゲーム・フォートナイトの開発元であるEpic Gamesは、AppleがiPhone向けの公式アプリストアであるApp Storeで配信されているアプリに対して15~30%を「App Storeでアプリを配信するための手数料」として徴収していることを不服として、2020年8月にAppleを提訴しました。

2021年9月10日、担当裁判官のイボンヌ・ゴンザレス・ロジャース氏が一連の訴訟に関する判決を下し、Appleに対して「App Storeで提供するアプリにおいて、Appleが提供する支払オプション以外のものも認めるように」と命じました。しかし、ロジャース裁判官は「Appleが連邦あるいは州の独占禁止法のもとで独占者にあたると最終的に結論付けることはできません。ですが、今回の裁判においてはAppleがカリフォルニア州の競争法のもとで、反競争的な行為を行っていることが示されました」と述べ、AppleのApp Storeの在り方が独占禁止法に抵触しているわけではないとしています。そのため、多くのメディアは判決について「Appleの勝利に終わった」と報じました。

AppleとEpic Gamesの訴訟で「App StoreはApple以外の支払い方式も認めるように」との判決が下る、一方でAppleの勝利という声も – GIGAZINE


Epic Gamesのティム・スウィーニーCEOも、判決後に「今日の判決は開発者にとっても消費者にとっても勝利とはなりませんでした。Epic Gamesは10億人の消費者を対象に、アプリ内課金方法とアプリストア間の公正な競争を目指して戦っていきます」とツイート。さらに、数日後には正式に控訴しています。

Epic GamesがAppleとの訴訟の判決を不服として控訴 – GIGAZINE


ロジャース裁判官の判決により、Appleはアプリ開発者にApp Storeを介さないサードパーティーの支払いシステムの利用を認める必要があるのですが、Appleが判決を不服として控訴したことで、そのような変更がApp Storeに加えられるのが数年遅れる可能があります。

控訴が認められた場合、裁判が終わるまでApp Storeの支払いシステムに変更が加えられることがなくなる可能性があります。CNBCは「裁判が終わるまで数年かかる可能性もある」と指摘しており、これによりApp Storeでサードパーティーの支払いシステムが使えるようになるのはまだまだ先の話になる可能性が浮上しました。

Appleの控訴は2021年11月に裁判官に審理される予定。なお、裁判所がAppleに対して「App Storeでサードパーティーの支払いシステムを認めるように」とした差し止め命令は、2021年12月9日に発効する予定でした。

Appleは2021年9月に開発者がユーザーをリダイレクトしてApp Store以外のサービスにサインアップできるようになることを発表しましたが、この変更はデジタル雑誌・新聞・書籍・オーディオ・音楽・映像関連のサブスクリプションサービスを提供するアプリにのみ適用されます。一方で、ロジャース裁判官による差し止め命令はすべてのアプリでサードパーティーの支払いシステムが使用できるようになるため、より多くのアプリ開発者が恩恵を受けられます。

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