この気持ちは「保護観察官が不良少年を見守る気持ち」とでも言うべきだろうか? 黒帯ペヤンガーを自負する私、P.K.サンジュンはいま「ペヤング、よく頑張ってるな」と肩の一つでも叩いてやりたい気分である。
そう、ここ最近のペヤングは明らかに変化の兆しを見せ始めている──。ちょっと前までは札付きのワルだった “ペヤング少年” は、話題より味で勝負する正統派へ生まれ変わろうとしているのかもしれない。
・不良少年、ペヤング
ここ数年、カップ麺業界を震撼させ続けた不良少年と言えば「ペヤング」以外に思い当たらない。鬼ほど辛い「獄激辛」を筆頭に「アップルパイやきそば」や「なんちゃって蕎麦」など、味よりも話題を先行させ続けてきたと言っていいだろう。
もちろん、獄激辛など一部の商品を除き「食べられない」「まずい」ということは無かったものの、商品展開の早さの割りに売れ残っていることもまた事実。結果的に「新商品がどこにも売っていない問題」はペヤンガーにとって深刻な問題となっていた。
・変化の兆し
そのペヤングに変化の兆しが見えたのが、2021年9月中旬に発売された「たっぷりメンマやきそば」から。正直にいえば「激ウマ級」には達していないものの、少なくとも奇をてらった商品ではない。
その後の2作「マヨ酸辣やきそば」と「にんにく納豆やきそば」もパンチの効いた商品名とは裏腹に、素直に「ウマい!」と言えるクオリティ。これはワルだったペヤング少年が生まれ変わろうとしているのではあるまいか?
それは最新作『きのこMAXやきそば』で確信に変わった。2021年10月4日からセブンイレブンで先行発売中の『きのこMAXやきそば』を食べてみたところ、今回も完全に味で勝負していた。よくぞここまで……! まさに冒頭で申し上げた保護観察官の気持ちである。
・きのこMAXやきそばもウマい
で、肝心の『きのこMAXやきそば』についてだが「和風スパゲティ味」が最もわかりやすい表現だろう。和風だしとしょう油味がベースとなっているため、苦手な人があまりいない万人受けする味わいだ。
加えて きのこの風味もかなり生きている。具のしめじ・しいたけ・まいたけの量はカップやきそばの限界に迫るほど多くは無いが、風味はかなり強い。キノコ王「松茸」の香りも相まって、なかなか高貴な仕上がりとなっていた。
ここ数年は少なくとも2回に1回はオラついていたペヤング少年であるが『きのこMAXやきそば』で、4回連続真面目に仕事をしたことになる。もうこれは「完全に更生した」と言ってイイでしょう! よく頑張ったな、ペヤング──。
とか言いながら、そろそろ「獄激辛」が登場しそうな予感もするが、それでも比率を考えれば「更生しようとしている」とは言えるのではないだろうか? 真面目にウマい『きのこMAXやきそば』はメーカー希望小売価格税別205円で発売中だ。