地べたに落ちた「専門家」の威厳と信用

アゴラ 言論プラットフォーム

(仮説修正)ピークアウトにワクチンは関係していないが、現在の陽性率2.9%という昨年6/24以来の低さには関係している。

地べたに落ちた「専門家」の威厳と信用

日本には

1 コロナをすべてにおいて最優先にすべきでほかはどうでもよい
2 コロナは社会的脅威ではあるがしっかりデータを見て使えるものは使って元の生活に戻そう
3 コロナは脅威でも何でもない風邪だからワクチンも対策もなにもしなくてよい

の3種類の考え方があり、わたしは2です。1とも3とも相容れませんが、我々が多数派になってきて安心しています。

で、世の中のテレビに出てくる専門家と称する人たちは1のようで、いまだに「ワクチン接種しても解除は4ヶ月掛けて、もちろんマスクして」とかいい、持論である「感染の収束は人流制限しかない」という主張をけっして曲げないのでいまや世論から逸脱してしまっています。

岩田プロから岩田ど素人に格下げになった岩田先生はかつて

「このウイルスは何もせずに減少することはない」
岩田名言録より

と、ドヤ顔でおっしゃっていまして五輪にも猛烈に反対されていましたが、五輪を開催してもしゅんとコロナはピークアウトしてしまったのにそれを撤回しないため、めちゃくちゃ苦しそうに見えます。テレビに出てくる専門家たちも「収束するわけがないからデータがおかしい」「マスクをきちんとつけるようになったから」「ワクチン未接種が出歩かなくなった」とか支離滅裂の言い訳で失笑を買っている。

で、苦し紛れに「ピークアウトはワクチン接種率が上がったからだ」という方もたくさんいて、こちらで全否定させていただきました。

山火事理論について
ワクチン接種率が上がったのでピークアウトしたという主張を叩きのめす山火事理論について(永江説昇華版) ピークアウトの理由が言えないのに適当なことをいう専門家たち
全員ではありません。 しっかりと分からないものは分からないという…

新規陽性者の内訳でもっとも減少率が大きいのは20代。しかしその20代は東京都の実効再生算数が最高だった、つまりピーク時は


接種率たったの3%でピークアウトがワクチンのおかげの訳ない!!
で、一蹴できるわけです。

しかし、いまのゼロコロナもどきについては・・・・?!

しかしそのあと、とんでもない勢いで新規陽性は減少していています。ほぼ人口1億2000万の日本ではゼロコロナみたいなものです。

底も底。大底です。

気づいてない人も多いのですが、現在の東京の陽性率は2.9%


この陽性率の低さは昨年の第1波のあとの6/24以来の低さです。第2波以降はどんなに下がっても3%を割ることは無かったのにあっさりと切ってきました。陰謀論で検査を絞ったからだと自慢気にいうのがまだいますが、だったら菅さんが辞める前にそうしたはずだし、w 検査絞ったら陽性率は爆上げすることが分からない割り算ができない皆さんです。

この、いまがかつてないほどの低陽性率になってる原因としてはワクチンを挙げられると思うのです。

こちらで現在の東京都のワクチン接種率です。


都民全体は22% → 57.3%

第5波のピークアウト時より

20歳未満 1.0%→ 33.6% 
20代 3.0%→  42.5%
30代 4.0%→ 47.9%
40代 6.6% → 57.8%
50代 11.0% → 68.5%

と、まるで別の国くらいになりました。第5波ではワクチン接種の進んだ高齢者に新規陽性が非常に少なかったですよね。

他国の例を見てもコロナのワクチンは2回接種した後はいったん新規陽性はめちゃくちゃ減少します。反ワクの憩いの殿堂、イスラエルは


ワクチン接種率が50%超えたあたり、つまりいまの日本と同じくらいの状況でいったんはゼロコロナに近くなり、3ヶ月経過したあたりで高齢者から抗体価が落ちてきて再拡大しました。つまりこれと同じ状況であれば

日本も第6波は年末か正月から

ということになります。それを見越してそろそろ半年が過ぎる医療従事者と高齢者にブースター接種が11月あたりより開始されると第6波の波は小さく抑えられるはずですし、別に感染拡大しても重症者、中等症が増えなければ緊急事態宣言はでず、普通の生活ができることになります。ちなみに抗体価が落ちやすいのは高齢者、喫煙者、毎日酒を飲む層とわかっていて、そうでない場合は比較的長持ちしそうです。専門家でもまともな予想ができるかたはいます。

ワクチン効果、高齢・喫煙で減 毎日の飲酒も影響―60~70代は20代の半分

ちょっと特異なシンガポールのケース

わたしと同じ立ち位置だと思うのでチェックしているコロナ禍検証プロジェクト主宰の弁護士の楊井人文さん。同じ疑問を投げかけられていました。わたしも実はいまのゼロコロナもどきはワクチン効果である可能性に気づいたのは昨日のブログを書いていた時だったので、ww レスしたところ、シンガポールはどうなのかという風に仰いました。

実はシンガポールってすごく特殊だと思うんですよ。
シンガポールは日本の第5波のピークあたりのワクチン接種率だったのが5月末です。

現在は確かに2回接種が80%ととんでもなく高いのですが6月~7月で急激に接種率を上げました。

しかし、去年の9月から今年の7月まで

抑え込みに成功してほぼゼロコロナ

だったわけですよ。こういう自然感染による免疫がないケースでは
オーストラリアも同様に着火するとその延焼ぶりは手が付けられなくなります。

山火事理論で言う「カラッカラに乾いた木ばかりの状態」なわけですね。
免疫は「自然感染+ワクチン」がもっとも強力なわけで、ワクチンだけでは弱い。
オーストラリアも実は42.8%と日本の第5波のピークよりも接種率は高くなりましたがそれでも全く止まりません。

元自衛隊の防疫の専門家の中村先生とわたしの山火事理論では、人間を山の木にたとえて

●ファクターXなどの要素で守られている燃えにくい木
●自然感染で守られている燃えにくい木
●ワクチンで守られている燃えにくい木
●自然感染とワクチンで守られているさらに燃えにくい木
○カラッカラに乾ききったすぐに着火する木

と、人間には罹りやすさにムラがあることを前提にします。だから第5波までのピークアウトが説明できるわけですが、全ての人間が均等に罹患するという西浦シミュレーションでは説明できないのです。

ということでいまから3ヶ月ほどは思いっきり遊べます。フェスもスポーツイベントも飲み会もすべてOK。年末になって新規陽性が増えても重症者が増えなければ平気です。シンガポールも重症者は人口を合わせると東京の1/6程度で死者も全く増えていませんよ。

コンサルティングの世界では仮説を立てるのはごく普通の方法です。この本とかでもわかります。素人用に仮説の立て方の本でも書こうかな。

kazuma seki/iStock


編集部より:この記事は永江一石氏のブログ「More Access,More Fun!」2021年10月1の記事より転載させていただきました。

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