岸田氏はバランス感覚ある人格者 – 柴山昌彦

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昨日29日実施された自民党総裁選で、岸田文雄候補が第27代総裁に選出されました。

 前回のこの欄で私は、「必要なのは、予測不可能な新しい時代に未来を切り拓くことのできるリーダーです。過去の言動が色々取り上げられますが、無論それは判断材料として重要なものの、これからの仕事と必ずしも一致するとは言えません。過去から学び、バージョンアップできるリーダーこそが求められているのではないでしょうか」と書かせていただきました。そして、色々言動が物議を醸しながらも問題点を先送りしない姿勢を明らかにし、ワクチン接種担当大臣としても実績を上げた河野太郎候補を応援させていただきました。

 昨日の総裁選での党員票で、党所属国会議員数382票に合わせて換算された全国の党員投票における河野候補への投票は169票。首都圏1都2県では河野候補の得票はほぼ5割、神奈川県では7割近くです。

 また、決選投票では各都道府県における多数投票を得た候補に1票が与えられますが、河野候補39票、岸田候補が8票です。特筆すべきは、原発立地県である福井県や新潟県でも脱原発依存を訴える河野候補が1位となっていることです。

 批判を色々受けながらここまで河野候補が支持を集めたのは、やはり政治が変わらなければいけないという危機感を多くの党員を含む国民が共有していることの現れではないでしょうか。

 岸田候補は政調会長時代、私も政調会長代理としてお仕えしてきました。また、外相時代には私は安全保障担当首相補佐官として、首相官邸における国家安全保障会議での議論をご一緒してきました。バランス感覚があり、敵を作らない人格者であって、心から尊敬している政治家の一人です。総裁選後は総選挙も間近に迫り、高市候補や野田候補、そしてそれぞれの候補を応援された議員や党員の方々と一丸となって、国民の皆様にご支援いただけるよう全力を尽くすべきです。

 しかし新総裁には是非上記した党員、ひいては国民の思いをしっかり受け止めていただき、今後の改革にまい進していただくことを切望しております。

[制限解除は段階的に]

 皆様のご尽力により、8月の半ば過ぎに2万5千人を超えていた全国の新規感染者数は、昨日は1986人となりました。病床利用率は全ての都道府県において50%を下回り、重症者は9月初めをピークに減少傾向にあります。一時は全国で13万人を超えた自宅療養者も3万人となり、なお減り続けています。

 こうした状況を踏まえ、政府において19都道府県の緊急事態宣言及び8県のまん延防止等重点措置の全てを9月30日で解除し、飲食などの制限を段階的に緩和することが決定されました。ワクチン接種と中和抗体薬の投与が進んでおり、今後は一定の感染が生じても、安定的に医療を提供できるようになりつつあります。

 7月以降、病床、ホテルの追加に加えて、臨時の医療施設、酸素ステーションが全国で約80施設設置され、現在も増設が進められています。再び感染が拡大しても、すぐに使える病床や医療人材を確保できるように体制整備が進められます。ワクチンについては、全国民の7割が1回、6割が2回の接種を終え、アメリカの接種率を抜きました。高齢者の接種率は9割に達し、今回の感染拡大では、高齢者の感染者を10万人、死亡者を8千人減らすことができたとの厚労省の試算もあります。今後、10月から11月のできるだけ早い時期に、希望する全ての国民が2回接種を終えられる見込みです。

 ただ、急速な緩和で第6波をもたらすことは避けなければいけません。10月1日以降、当面は、アクリル板の設置や換気などの対策をとり、認証を受けた飲食店において、都道府県の判断で、酒類を提供し、営業時間は21時までとすることも可能とされます。この欄で紹介したとおり、ワクチンの接種証明や検査結果も活用したさらなる措置の検討を進めて欲しいと思います。

 イベントの再開・基準緩和や、学校での感染防止と学びや行事の確保も、皆様のご協力を得ながらしっかり進めていきたいと思います。今後ともよろしくお願い致します。

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