自作PCのように全てのパーツが交換可能で、そのため好きなタイミングでパーツのアップグレードができたり修理の際に自分ですぐにパーツを交換したりすることができるノートPCが「Framework Laptop」です。Framework Laptopは2021年7月に出荷が開始されており、早速どんな使い勝手なのかを小説家のコリイ・ドクトロウさんがレビューしています。
Framework | Framework Laptop pre-orders are now open
https://frame.work/
The Framework is the most exciting laptop I’ve ever used | by Cory Doctorow | Sep, 2021 | Medium
https://doctorow.medium.com/the-framework-is-the-most-exciting-laptop-ive-ever-used-5415da0a46e5
ドクトロウさんはもともとThinkpadユーザーで、毎年のように新しいThinkPadを購入していたとのこと。かつてThinkPadにはIBMの手厚い保証サービスがあり、年に約150ドル(約1万7000円)支払うだけで技術者が24時間以内に修理に来てくれることが保証されていたそうです。
さらに、ドクトロウさんはOSとしてUbuntuをインストールすることで、ハードウェアとソフトウェアの両方の面からトラブルへの対応力が非常に高くなっており、例えばムンバイにいるときにRAMが故障した時でも24時間以内に復旧できたり、ソフトウェアが不安定になった際に利用可能な回復用のツールが他のOSよりもはるかに優れていたりしたとのこと。
しかし、IBMがThinkPadをLenovoに売却した後は、だんだんとUbuntuのインストールを難しくする独自のシステムが追加されていったり、キーボードの交換でさえ不可能になっていったりと使い勝手が悪くなっていったそうです。
そんな中で、ドクトロウさんはiFixitによるFramework Laptopの分解記事に出会い、早速購入に踏み切ったとのこと。Framework LaptopはMacBookのような見た目ですが、テープや接着剤が使われておらず、ネジも完全には抜けずにケース内にとどまるという脱落防止ネジが採用されており、そのネジを数本外すだけで全てのパーツを簡単に交換できるというノートPCです。全てのパーツにQRコードが貼ってあり、スマートフォンで読み取ることで取り付け、取り外し、交換の手順が記載されたマニュアルを確認可能で、さらにPC本体に交換に使うためのドライバーも一緒に梱包されているなど、自分でPC内部のパーツにアクセスしたい人には最高の製品だといえます。
ドクトロウさんの購入した「DIYエディション」の場合、Framework Laptopは分解された状態で出荷されるため、最初にRAMやSSD、Wi-Fiカードを取り付ける必要があります。ドクトロウさんはWi-Fiカードの取り付け方法が難解で理解できずに困ったそうですが、そのことをツイートするとすぐに開発元からムービー付きの応答が返ってきたとのこと。
ドクトロウさんはThinkPadのトラックポイントやハードウェア的に分離されている3つのマウスボタンが非常に好みだったそうで、そうした個人の好みにもドライバー1本で簡単に対応できるのがFramework Laptopの強み。パフォーマンスは2019年のThinkPadと同等以上というレベルですが、高価な独自のドックではなく、安価なUSB-C接続の外付けドックを通して全ての周辺機器やモニターに接続できるというメリットも存在しています。Ubuntuのインストールも簡単に行えたとのこと。
ドクトロウさんはFramework Laptopを1カ月利用しており、「間違いなくお勧めできる」と高い評価を下しています。これまでは毎年のように新しいノートPCを購入していましたが、Framework Laptopは個別のパーツごとに交換できるため、今後はCPUやディスプレイ、RAMを購入することはあっても全体を新品にすることはないだろうとドクトロウさんは述べています。
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