「iPhoneの画面をPCにミラーリング! これ、テレワークに使えそう」――急遽テレワークを導入した中小企業の顛末記(70)【急遽テレワーク導入!の顛末記】

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無料で、USB接続可能で、時間制限なし、表示もコンパクト。そんなミラーリングソフトありませんか?

 先日はPCの画面をMiracastでプロジェクターに投影したが、どちらかというとこの機能、世間一般的には「スマホの画面をテレビやプロジェクターに投影」するために使われている。写真やゲームなどを大画面で見ることができ、画面からの距離が離れるので目の負担を軽減できるというわけだ。

 ……この記事を書いている時点で、東京都で4回目の緊急事態宣言が発令されてから74日が過ぎた。

 私が勤めている新宿にある中小企業では現在、各スタッフが可能な範囲でリモートによる業務を行っている。その中で、今回はスマホの画面のミラーリング表示を、テレワークに使えないか考えてみた。

【今回のハイライト】

ウィジェット代わりに使えるか?

時間制限があるソフトは微妙…

iPhoneの画面をZoomで配信

【これまでの経緯】

緊急事態宣言が発令された2020年4月、筆者の勤めている会社では何の準備もないまま、在宅勤務を始めることになった。仕事の環境は「デスクトップPC+メール」が普通だったため、データを外付けHDDで持ち運んだり、LINEの個人アカウントを流用したりと大混乱。その後、補助金などでNASやノートPCを導入、徐々にテレワーク環境を整えていく……

【2020年4~8月末までの顛末はこちら】

9月21日(火):ウィジェット代わりにスマホ画面をデスクトップに表示させてみた

Windows 11ではタスクバーのアイコンからウィジェットを表示できる

 最近、Windows 11がインストールされたPCを利用する機会があったのだが、そこで新機能……、というか復活したウィジェット機能の使い勝手を試してみた。天気や最新ニュースを一目で確認できるのは便利そうだが、Windows 7のウィジェットのように、情報をデスクトップへと常に表示させるようにはできていない。

 そこで、「iPhoneの画面をミラーリング表示すれば、同じようなことができるな」と思いついた。この手のアプリでは以前に「ApowerMirror」を使ったことがあるが、久しぶりにインストールしてみたところ、試用版では10分間利用するとiPhoneとの接続が切断されてしまう。以前はこんな制限はなかった気がするのだが……。

ミラーリング表示がはじまると、画面右下に制限時間が表示される

 ほかにもミラーリングに使えそうなフリーソフトを探してみたが、Lightningケーブルでの有線接続に対応していないのが気になった。Wi-Fiで接続するタイプのソフトは表示に遅延が出るので、できれば使いたくない。さて、何か使えそうなソフトはないものだろうか?

9月22日(水):使い勝手の良いフリーソフトを見つけたものの……

 あれから、ApowerMirrorの代わりに使えそうなものを探したところ、「DouWan」というフリーソフトにたどり着いた。有線接続に対応しており、時間制限はなく、表示もシンプルかつコンパクト。ダウンロードしたソフトをPCにインストールしたら、後はiPhoneとPCをLightningケーブルで接続するだけと、操作もかなりシンプルだ。

ソフトを起動したら、あとはLightningケーブルでiPhoneと接続するだけ

iPhoneの画面がデスクトップに表示された。ウィンドウ四隅のドラッグ操作で、サイズの調節もできる

 さっそく、Googleカレンダーを表示したiPhoneの画面を、デスクトップにミラーリング表示させてみる。中央に「DouWan」のウォーターマークがでかでかと表示されてはいるが、これだけの機能をトライアル版で使えるなら、許容範囲といえるだろう。アイコン操作でピン止めすれば、画面を常に最前面に表示させることもできる。

 とはいえ、今更なのだがiPhoneは一定時間が過ぎるとロック画面に切り替わるので、常時表示させておくには向いていないかもしれない。自動ロックの機能をオフにしてもいいのだが、ミラーリングを終了したときに、いちいち設定を戻すのも面倒くさい。NFCタグへのタッチで設定を変更できないかとも考えたのだが、自動ロックの設定はiPhoneの「オートメーション」では操作できなかった。さて、どうしたものか……。

9月24日(金):ビデオ会議にiPhone画面と一緒に登場する!

 テレワークにおけるミラーリングの使い道だが、ビデオ会議中にカメラ映像と一緒にiPhoneの画面を表示させるのはアリかもしれない。

 というのも、ここ最近手掛けているプロジェクトでスマホアプリでの作業が必要になったのだが、その操作方法を同僚に教えるのに手間取った。用意したマニュアルだけでは伝わらない箇所があり、それを電話越しに説明するのに時間がかかる。以前のように同じオフィスにいれば、画面を見せながら操作方法を伝えることができたのだが……。

 しかし、iPhoneの画面をミラーリング表示できれば、話は一気に簡単になる。あとは、そのウィンドウを「OBS Studio」に取り込めば、カメラ映像と一緒にZoomの画面上に表示させることが可能だ。

ソースでWebカメラを選択し、画面上に配置。さらに、DouWanのウィンドウをソースに選択し、カメラ映像の横に配置する

 これで、スマホ上での操作をリアルタイムで、同僚などに見せられるようになった。なお、DouWanでは画面上のアイコンをクリックすることで、iPhoneの画面をPCに直接キャプチャ保存できる。この画像にはウォーターマークが表示されないので、マニュアルの解説図にも使えそう。試用版では2分までだが、動画でのキャプチャもできるようだ。

初期設定ではキャプチャ画像は「ビデオ」フォルダに保存される

 少し回り道をしてしまったが、iPhoneの画面のミラーリングについて、テレワークでの使い道が見えてきた。例えば、スマホで撮影した資料写真を、PCのモニターで順番のチェック。必要なものだけキャプチャしてPCに保存すれば、iPhone=PC間での写真のやり取りが、もっと簡単になるだろう。いろいろと便利な使い方がありそうなので、また何かあればここで紹介したい。

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