衆院選 野党は絶好のチャンス? – 毒蝮三太夫

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メディアは連日、自民党総裁選の報道ばかりで露出が少ない野党はじれったいだろうね。総裁選なんてのはお決まりの風習みたいなもんだからな。自民党ばかり露出して不公平だなんて言っても、そうそうすぐには変えられないよ。

野党が本気で総裁選に対抗したかったら、相手の力を利用すればいいんじゃないの? 河野太郎さん、岸田文雄さん、高市早苗さん、野田聖子さん、毎日何かしら発言してそれが報道されるわけだよね。だったら野党は、それを受けて夜10時くらいから毎日30分、野党の口達者が4~5人集まって総裁選のことを喋るYouTubeの生配信でもしたらいいんじゃないの?

俺も今年春から「マムちゃんねる」を始めてるけど、おかげさまでたくさんの人が見てくれてる。色んなやり方があるんだなって実感してるよ。

野党の面々がそろって、自民党総裁候補に対してここは変だとか、こんな公約できるわけないとか、ここは共感するだとか、ああだこうだ言いながら、いったい誰が総裁になるか連日予想したらいいんじゃないの? 野党が自民党総裁選を毎日予想するって見てみたいよね。それで野党にも目が向くし、自民と野党の考えもわかって一石二鳥だと思うよ。

自滅で旗色が変わった自民一強

共同通信社

自民党が菅さんをおろして総裁選をやってるのは政権継続に必死だからだよな。第二次安倍政権になってから安倍さんずっと強かったけど、この1~2年、その空気が変わってきた。各地での選挙結果は野党の旗色がいい。

8月の横浜市長選挙なんか立民推薦の山中さんが50万票で、菅さんが支持した小此木さんが32万票。接戦とか言われてたけど大差だった。この結果が菅さんに引導を渡す結果になった。民意は今、野党に傾いてる。

俺は今、野党はチャンスだと思うよ。だけどこれは野党自身が何らかの得点をあげて評価されたというより、与党がオウンゴール連発で自滅して、与党に逆風が吹いてる感じだよな。

野球で言うなら、今の与党はフォアボール連発中で野党はノーアウト満塁のチャンス。きちんと攻めれば点が取れる、そういう状態。だからこそ、ここできちんと自分たちでバットを振って一発打てれば山を動かせるかもしれない。

選挙に導入してほしいアイデア「否定票」

BLOGOS編集部

編集部)それにしても野党の支持率は低迷したままです。9月の読売新聞の緊急世論調査で出た数字ですが、自民党36%、公明党3%、立憲民主党7%、共産党3%、日本維新の会2%などとなっています。

各政党の支持率ってことになると、そんなもんだよ。野党第一党の立憲民主党も相変わらずパッとしない。だけど、横浜市長選の結果を見ると、政党支持の戦いというよりも政党不支持の戦いになっていた。与党自滅は深刻で、横浜市民の心は与党から離れていった。

それって野党に投票したいっていうより、与党にはもう投票したくないって気持ちが高まってるんだと思う。

そこで言いたいのが、これは前々から言ってるアイデアなんだけど、選挙に「否定票」っていう制度があったらいいなって。支持する人を選んで投票するのが選挙の基本だけど、誰にも投票したくないってこともあるよね。そうすると「誰かひとりを選べって言われてもみんなロクなもんじゃないから投票なんか行かないよ」って、選挙に行かず票が無駄になる。

そこで視点を変えて「あいつだけは絶対にイヤだ」っていう人を選べて、それがマイナス一票としてカウントされることになったら、だったら投票しに行ってみるかって人が出てくると思うんだ。いい人は選べないけど、イヤなヤツなら選べるってあるだろ? それが「否定票」だ。一票を無効にせず少しでも有効に掘り起こすアイデアだ。

これを具体的に説明してみると、例えば、有権者が1万人の選挙区があって候補者はAさんとBさんふたりだけだとする。そこで通常の投票が6000票あってAさんに3000票、Bさんに3000票入ったとする。だけどこのままだと同数で決着がつかない・・・。

残り4000票はこれまで通りだったら無関心で選挙に行かず、すべて無効票だ。だけど「否定票」が導入されて、あいつだけは絶対イヤだという選択が可能になり、無関心が関心に変わって投じられた「否定票」がAさんに1000票、Bさんに500票入ったとする。そうすると結果は・・・

・Aさん 賛成3000票―否定1000票=合計2000票
・Bさん 賛成3000票―否定 500票=合計2500票

Bさんの当選になるってことだ。要は、貴重な一票をできるだけ無効にせず、とにかく投票行動につなげて活かす。それが「否定票」の狙いだよ。

まあ、もし横浜市長選にこの「否定票」が導入されてたら、山中さんと小此木さん、さらに大差がついてたかもしれないね(苦笑)。

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