手足3本失った僕が発信を続ける理由 「これで間違いないんだ」小学生の言葉に流れた涙

J-CASTニュース

   20歳の時に事故で手足を3本失った山田千紘さん(29)は、YouTubeやSNSなどで障害に関する情報を発信している。先日、小学生の息子を持つインスタグラムのフォロワーから、山田さんの著書「線路は続くよどこまでも」(廣済堂出版)を読んで書いた読書感想文が送られてきたという。

   自身の半生をつづった同著は2021年7月に刊行。心の支えとなった人との出会いや、事故前後で悩み、苦しみ、前を向くありのままの姿をつづった。そんな同著を読んで書かれた読書感想文は、山田さんに特別な思いを抱かせたという。情報発信を通じて、山田さんが「子どもたちに伝えたいこと」とは何なのか。本人が語った。

【連載】山田千紘の「プラスを数える」~手足3本失った僕が気づいたこと~ (この連載では、身体障害の当事者である山田千紘さんが社会や日常の中で気づいたことなどを、自身の視点から述べています。)

  • 山田千紘さん

    山田千紘さん

  • 山田さんのフォロワーの息子さんが書いた読書感想文

    山田さんのフォロワーの息子さんが書いた読書感想文

  • 山田さんが出会った「そうちゃん」(2018年撮影)

    山田さんが出会った「そうちゃん」(2018年撮影)

  • 山田さんが出会った「まさとくん」(2019年撮影)

    山田さんが出会った「まさとくん」(2019年撮影)

自分の発信が確実に子どもたちにも届いている

   インスタグラムのフォロワーさんに、小学校6年生の息子さんがいるお母さんがいて、読書感想文を書くのに僕の本を選んでくれました。お母さんが勧めて、息子さんも読んで良い本だと感じてくれたそうです。その読書感想文を送ってくれて、読ませてもらいました。

   本当に嬉しくなりました。「ぼくもこんなポジティブな考えで、自分のたてた目標を達成していきたい」といったように、本を読んで前向きなことを受け取ってくれて、それを自分の言葉で書いていたからです。「僕がしたいことってこういうことなんだ」と涙が出ました。

   多様性について考えてみてほしいし、自分がどれだけ恵まれているかという周囲への感謝の気持ちも持てるようになってくれたら嬉しい。そんな思いを込めて書いた本でした。それが伝わったのだなと思いました。

   その子のお母さんに「ありがとうございます」と返信したら、「息子が飛び跳ねるように喜んでいる」と教えてくれました。「明日校長先生に自慢する」と言っていたというので、それなら僕も何かしたいと思って、感謝を伝える1分間のビデオメッセージを撮って送らせてもらいました。せっかく書いて読ませてくれた感想文。「自分がされて嬉しいことをしよう」と思いました。

   僕はSNSなどで日々発信していますが、子どもから直接感想を聞くことはなかなかありません。今回の読書感想文は、自分の発信が確実に子どもたちにも届いていて、やってきたことに間違いはないんだと実感させてくれる出来事でした。

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