【欧米】スペインの市場で「寿司にできる魚はありますか?」と聞いてみた結果 → 意外すぎる反応が返ってきた

ロケットニュース24

現在スペインに滞在中の私は、ワケあって寿司の材料を探している。米やら醤油は意外と簡単に入手することができたが、唯一にして最大の難関が「寿司ネタ」だ。

寿司ネタというからにはナマの魚が必要不可欠。しかしほとんどの外国では、基本的に生魚を食べる習慣がないはずだ。スーパーへ行っても当然「刺身用」などの表示はない。新鮮でさえあれば欧米の魚でも生食は可能だろうが……とりあえず早朝の市場へ行ってみるしかないか。

・スペイン人に聞いてみた

やってきたのはバレンシア市民の台所『バレンシア中央市場』……と、その前に私はスペイン人の友人パブロに「市場での立ち回り方を教えてほしい」と依頼。協議の結果、本日は “スペイン語のメモを市場の人に見せよう作戦” でいくこととなった。


「 ¿ Tienes pescado para hacer Sushi ? 」


これは「寿司に使える魚はありますか?」という意味のスペイン語らしい。「Sushi」という単語がそのまんま通じるのか疑問だが、まぁスペイン人が言うんだから大丈夫だろう。


・バレンシア最大の市場

さてバレンシア中央市場は建物だけでも必見の価値がある。アール・ヌーヴォーの壮大な天井を見上げると今にも神が降りてきそうな雰囲気。

ヨーロッパでも最大級の広さだという市場内には様々なお店がビッシリだ。

野菜……

お肉……

チーズに……

雑貨……

お惣菜や……

エスカルゴ専門店!

生ハム屋は20店舗ほどもある。さすがスペイン。

市場内にはちょっとしたバーのほか、サッとつまめる軽食やカットフルーツを売る店も多い。

市場めぐりに疲れたらフレッシュジュース(1.5ユーロ / 約194円)を飲みながらひと休み……ク〜ッ! 市場めぐりサイコ〜!


・とかやってる場合じゃなかった

おっと! つい楽しくなってしまったが、目的は寿司ネタだったんでした。

市場内で鮮魚売り場は少し離れた場所にある。教えてもらったスペイン語のメモを握りしめ、まずはいかにもフレッシュそうなエビやカニを取り揃えるお店へ。

しかしオズオズとメモを差し出すと……首を横に振る店主。どうやら意味は通じているようなのだが、「ウチの商品は寿司には適さない」ということらしい。マジで? こんなにピチピチなのに?

失礼を承知で申し上げると、外国の方ってもっとこう「寿司? たぶんオッケーさ!」的なノリをお持ちのイメージがあった。しかしその後も数軒の魚屋で「SUSHI? 無理無理!」と断られたところをみると、食の衛生にはかなり厳しいようだ。誤解してすみませんでした。

さらに数軒をハシゴすると「サーモンならOKよ」というお店が登場したので購入。サーモンは外国人が好きな寿司ネタNo.1だ。価格もリーズナブルで200グラムの大きな切り身が4ユーロ(約518円)。

その後「ホタテがイケるわよ」というお店も発見。超大ぶりの貝柱が3つで10.5ユーロ(約1360円)。おっ、隣に並べられているのは珍味で知られるカメノテじゃあないか! スペインの人もカメノテ食べるのかァ〜。


・ついに本命登場

しばし鮮魚ゾーンを練り歩いた私は、ついに気になるビジュアルの魚を発見してしまった。


アレはマグロではないのか……!?


おまけにアイツ、なんとなく生で食べられそうなツラをしていないか? 日本人としてのカンがそう訴えているぞ。



確認したところ、やはり生食用マグロ(赤身とトロ)に間違いなかったらしい。薄〜く切り分けてもらい、ついでにタコの足とエビも購入。合わせて21ユーロのところを20ユーロ(約2591円)にまけてもらった。バレンシア中央市場は義理と人情にあふれています!

この日入手した計5つの寿司ネタを大急ぎで持ち帰り……

冷凍庫で24時間寝かせる。これはアニサキスによる食中毒を予防するための処置。厚生労働省によると生食用の魚介類は「-20℃で24時間以上の冷凍」を行うのが効果的なのだ。(EUでも同様)


・さぁお待ちかね

凍らせたものは時間をかけて冷蔵庫で解凍するのがおいしさをキープするコツ。それではオールスペインで入手した寿司ネタが……こちらになります!


完全にSASHIMI



美しい。


あのマグロ、そこそこ「いいやつ」だったとみえて回らない寿司屋の味がする。ウマイ。この味がスペインで食べられるなら、もうしばらく日本が恋しくなることはないだろう。お母さん、次にお会いするのはもう少し先になりそうです。

今回の調査により、ヨーロッパでもいい魚屋さえ見つければ新鮮な寿司ネタをゲットできることが判明した。おそらく探せばまた別の魚もあるはず……続報を待たれよ。

参考リンク:厚生労働省
執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.

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