アフガンへの空自派遣は判断ミス – 小宮山洋子

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イスラム原理主義組織タリバンが実権を握ったアフガニスタンから邦人などを退避させる自衛隊の任務は、日本人1人とアフガン人14人のわずか15人を輸送し、事実上終了した、と報じられています。

イギリスは1万人超、ドイツが5300人、韓国も400人を退避させる中、日本は1人の日本人と、米国から依頼されたアフガン人14人の退避しかできませんでした。

空港は、連日タリバンの統治を恐れる市民が出国を求めて殺到し、タリバンと対立するイスラム国(IS)の自爆テロで多数の死者が出るなど、日に日に情勢が悪化しています。

各国が早めに退避のための派遣をする中、日本は、航空自衛隊輸送機派遣を決めたのは23日で、翌日から輸送機3機と政府専用機を投入しました。

しかし、米軍撤退の期限が月末に迫る中、これ以上の活動は無理なようです。
そもそも情勢判断を誤っている、との批判が防衛省・自衛隊から出ているとのこと。

「現地情勢がろくに分からないのに、安全だと言って派遣し、政治の判断ミスは明らかだ」としています。混乱の中、空港まで自力で来るように、ということが誰が考えても無理があります。

当初は、残っている日本人と、大使館やNGOなどで活動していたアフガン人職員とその家族400~500人の退避を目指していた、ということです。

しかし、日本大使館の職員の安全は重要ですが、職員は英軍機で他国に逃れていて、現地で指揮する人がいず、後になって政府が、外務・防衛了承から情報収集チームを現地に送っていて、整合性がとれないと思います。

コロナ対応だけでなく、今回のアフガンへの対応をみても、この国は大丈夫だろうかと思わざるを得ません。

現地には出国を求めなかった少数の日本人と、多くの日本のために働いてきたアフガン人を家族がいます。命の危険があるのですから、何とか退避できる方策をとってもらいたいと思います。

また、武力行使が禁止されている自衛隊の邦人等の退避、保護のあり方も、しっかりと検証する必要があると思います。

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