消費者の期待に応えきれていない–情報提供体制から見直すべき顧客体験の勘所

CNET Japan

 コンタクトセンター向けシステムを提供するナイスジャパンは7月27日、オンライン記者会見を開催。顧客体験(CX)に関する意識調査の結果と9月リリース予定のクラウド型コンタクトセンターサービス「CXone」の特徴を説明した。

ナイスジャパン 社長 安藤竜一氏
ナイスジャパン 社長 安藤竜一氏

 CXoneはもともと5月に開催した事業戦略説明会で8月のリリースを表明していた。ナイスジャパン 社長 安藤竜一氏は「コロナ禍でIT機器調達が遅延し、影響を受けて1カ月遅くなった。おわびしたい。9月(のリリース)に向けて万全の準備を行っている状況」と説明した。

 CXoneの直接販売は行わず、アイティフォー、アビームコンサルティング、ズィーバーコミュニケーションズ、丸紅情報システムズ、三井情報の5社が販売代理店を務める。

消費者の期待に応えきれていない企業

 CXに関する意識調査は、コンタクトセンターやカスタマーセンターの機能がある企業の顧客対応方針の検討や決定、管理に関与する250人と、6カ月以内に各所へ問い合わせた経験を持つ消費者250人、計500人を対象に4~5月に調査した。

 消費者の問い合わせチャネルで何を選択するか尋ねたところ、ウェブサイトのFAQ(78%)、ウェブサイトの問い合わせフォーム(72.8%)、電話(67.2%)、メール(52.4%)が上位に並んだ。

 一方で企業側に重視するコミュニケーション手段を尋ねたところ、メール(67.6%)、ウェブ問い合わせフォーム(63.6%)、ウェブサイトのFAQ(60.4%)、電話(58%)だった。

 簡便にまとめると、消費者の8割近くがウェブサイトのFAQを活用するが、対応済み企業は6割にとどまり、消費者が求める問い合わせチャネルを企業が提供していないことになる。

 消費者からの問い合わせに企業が適切に対応できているか聞くと、「対応できている」「やや対応できている」の合計72.8%の企業が比較的高い自己評価。だが、類似した質問を消費者側に尋ねたところ、「とても満足している」「やや満足している」の合計66%にとどまった。

 つまり消費者は企業の自己評価ほど満足していない。安藤氏は調査結果に対して、「企業側の慢心」と厳しく指摘した。

 問い合わせチャネル別の対応満足度を見ると、問い合わせフォーム(企業側78.7%、消費者側69.6%)とウェブサイトのFAQ(企業側75.5%、消費者側55.4%)は企業の自己評価に対して消費者側の評価が下回り、隔たりが生じている。消費者満足度が上回ったのは、電話(企業側78.6%、消費者側86.9%)と店頭・実店舗(企業側77.6%、消費者側82.1%)のみだった。

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