療養施設は空室 これでいいのか – 笹川陽平

BLOGOS

日本財団が「船の科学館」に建設した140室150床の戸建コロナ療養施設の利用状況は極端に悪い。東京都に再三再四要請しているのだが、5月1日以来、150床のところ8月15日までの最大入所者は49人で、病院のベッドが逼迫した7月1日以降でも入所者数がたったの11人の日もあった。

毎日、テレビで説明される小池知事の真剣な姿と現場との落差に困惑せざるを得ないが、我々は無償で東京都にご利用願っている立場なので詳しい事情は不明である。しかしようやく小池知事は現下の状況を知られたのか、以下の通り時事通信社は報道した。

*****************
 東京都の小池百合子知事は19日、「船の科学館」(品川区)の敷地内に設置している新型コロナウイルスの宿泊療養施設について、一部を重症から中等症や軽症に回復した患者を受け入れる病床に転用する方針を明らかにした。都内医療機関の重症者用病床が7割埋まり逼迫(ひっぱく)する中、回復した人を同施設に移し、より症状の重い人が入院できるようにする。

 同施設は日本財団がプレハブで150床分を建設し、都に無償で提供。都は軽症や無症状患者がペット同伴で療養できる施設として昨秋から使っている。今後、酸素濃縮機を導入するなどして回復患者に入ってもらう。

 開始時期や病床数は今後詰める。小池氏は、同日の都議会で自民党の代表質問に対し「近隣の病院とも連携し、患者の受け入れ体制の強化を図る」と述べた。
(時事通信社)

*****************

なお、既に以前も書いたことですが、PCR検査の徹底はコロナ対策にとって最も重要な対策の一つではないでしょうか。

「原因のない結果はありません」
テレビ・新聞の発表も陽性数だけです。何人のPCR検査で陽性者何人、未検査者で何人と本来発表すべきですが、PCR検査の必要性についてほとんど報道されておりませんし、事実、日本財団は東京都をはじめ、埼玉、神奈川の知事には直接PCR検査の無料での協力を伝えてありますが、動きは全くありません。

日本財団は主に高齢施設を巡回してPCR検査を実施しておりますが、8月23日で検査数はやっと104万4712人となり、陽性者202名、検査実施人数に対して陽性者は0.019%でした。PCR検査は全て有料で行われていますので、日本財団の無料実施が商売の邪魔になっていることは事実ですが、PCR検査に1万円以上の検査料を支払えない人々も多数おられると思います。感染対策は自助努力が基本ですが、国や地方自治体の公助に更に日本財団のような共助の働きも重要ではないでしょうか。

Source